ウーシュー技能


目次
 ウーシュー技能について
 ウーシュー技能についてです
 察氣
 察氣についてです
 隠行
 隠行についてです
 息吹
 息吹についてです
 即応
 即応についてです
 招式
 ウーシューが扱う様々な技術、招式についてです
 チャクラについて
 LV1招式
 LV2招式
 LV3招式
 LV4招式
 LV5招式
 LV6招式
 LV7招式
 LV8招式
 LV9招式
 LV10招式
 流派について
 ウーシュー技能の諸流派についてです
 フォンフェイア
 フォンフェイアについてです
 バージーチュエン
 バージーチュエンについてです
 バギツ
 バギツについてです
 タイジーチュエン
 タイジーチュエンについてです
 ナハディ
 ナハディについてです
 タンランチュエン
 タンランチュエンについてです



ウーシュー技能について
 ウーシュー技能は、ラオシェンの地の土着の闘争技術です。主にラオシェン北部で根強く発達して来ました。その技術大系はいかにして生物を効率良く殺すか、突き詰めて言うと、人が人をいかに素早く殺せるか、という点を追求して来ています。
 ラオシェンの民は本来日常において武装をしていることは稀です。その為、ウーシューの技術体系の多くは素手による闘争の技術を練り磨いています(勿論、ウーシューの中には武器(器械とも言います)を使う技術も無数に存在します)。
 またラオシェン人の多くが好むように、ウーシューにもまたラオシェン人は『道』を見出そうとする傾向にあります。人が人を殺す、その殺伐としていながら素晴らしく高度な技術を、ただ目的の為だけの技術で終わらせまいとラオシェンの民はウーシューの多くに精神修養という『道』を求めました。
 それはとりもなおさず、心の伴わないウーシューがいかに危険か、をも示しています。ウーシューを学ぶ者はすべからく、厳しい戒律を己に貸さなければならない ――― いつしか、ウーシューを学ぶ者と、ウーシューを学ぶ者を見る者たちの間でそういった思いが根付いていったのです。
 とは言うもののどこの世界にも『道』を堕落してしまう者は存在します。ウーシューの場合、道を外れた者に対しては厳然たる態度で臨むことが多いようです(破門というだけでは無く、制裁の拳士を派遣したりなど)。
 
 ウーシューはラオシェン各地で発生した闘争の技術です。地域や思想によってその技術大系は様々な流派に分かれ、淘汰され、磨かれてきています。ラオシェン全土に広がったそうした諸流派は、分派や新派を全て数え上げれば実に数百にも及ぶといわれています(フェンサーの流派よりも多いのは間違いありません)。
 それらの流派全てをここに網羅するのは不可能に近く、また無意味でもありますのでここで紹介するのはウーシュー使いならば共通して持ち得る技術と、代表的な流派の特徴的な技(『招式』とここでは呼びます)を抜き出すにとどめます。
 
 
 ウーシュー技能は以下の特徴を持ちます。
 
 ・ ファイター技能の変わりに戦闘技能として使うことが出来る
 ・ その際の防具はハードレザー以下(必要筋力は筋力一杯)まででなければならない
 ・ 武器は『流派特典』に記された『流派武器』のみ使用可能
 ・ 素手時の打撃力がウーシュー技能レベルそのままにな。
 ・ 防具無し時の防御力がウーシュー技能レベルそのままの値になる
 ・ 素手時に限定して、クリティカル値が『ウーシュー技能LV÷3(端数切り上げ)』だけマイナスされる
 ・ クロース・アーマー及び白狼衣装備時に限定して、防御力が『防具の防御力+ウーシュー技能LV』になる
 ・ 『察氣』を使用可能
 ・ 『隠行』を使用可能
 ・ 『息吹』を使用可能
 ・ 『即応』を使用可能
 ・ 『招式』を使用可能
 ・ LV上昇経験点はシャーマン技能に準じる
察氣 基準値:知力
 ウーシューの多くは『氣』を操ることに長け、察知することに長けています。
 特にむき出しの敵意や殺気などの強い感情は、ウーシューならば感知することがかないます。
 高レベルのウーシューは目を閉じ、ただそこにいるだけで己の館を囲んだ敵の数と配置、装備までを察知し得たといいますが、これはかなりの高難易度とするべきでしょう。
 通常は、自分或いは自分達に向けられた敵意や殺意を感じ取るにとどまります。
 但し、気をつけていただきたいのはレンジャー技能の『危険感知』との差違です。『危険感知』が受動的な、そして常に発揮されている能力であるのに対し、『察氣』は能動的な、意識しなければ発揮できない能力なのです。レーダーとアクティブソナーの違いといえば分かりやすいでしょうか。
 意識を集中し、周囲の氣を探る事によって初めて『察氣』を行なう事が出来るのです。その為、『察氣』は少なくとも『停止』状態(1ラウンドの移動距離は3m以内)になければ行使できないのです。
 具体的な効果範囲はGMの裁量に委ねますが、視線が通らない状況でも敵意や殺意は感知しうるという事を念頭において下さい。
 或いは臆病な(そして慎重な)野生の動物のそれに近いのかも知れません。
隠行 基準値:精神力
 己の感情を律し、時には殺して気配を絶つ術です。
 その結果、生半な技量の『センス・エネミィ』や『センス・オーラ』ではその存在すら感知し得なくなります。
 具体的には感知しようとした者の『センス・エネミィ』の達成値もしくは『センス・オーラ』行使者のシャーマン技能を基準とした知力ロール(古代語魔法の『センス・オーラ』の場合はやはり達成値)との対抗ロールとなります。
 この場合、隠行を行う者を防御側と見なすことに注意して下さい。つまりロールの結果が同点であれば存在に気付くことは出来ません。
 また、ウーシューの基本能力『察氣』と対を成す能力でもあります。
 尚、この技能はあくまで『気配を絶つ』技能であるので、足音を立てずに移動が可能になるわけではないことに注意して下さい。
 要するに、シーフ技能かレンジャー技能所持者(更に金属鎧を着ていない)でなければ気配を絶ったまま無音で移動することはかなわないという事です。
息吹 基準値:精神力
 姿勢を正し、心を落ち着けて正しい手順で行われる呼吸法です。
 この呼吸法を10分行なうことにより、精神点を1点回復することが出来ます。
 安全な場所で(GMの判断に委ねますが、少なくともダンジョンの只中などは安全ではないでしょう。少なくとも、睡眠を取れるぐらいのことを『安全』の最低基準として下さい)完全にリラックスしている場合にのみ使用可能です。
 この技能には判定は不要です。
即応 基準値:−
 全てのウーシュー使いは、瞬時にして肉体強化系の気功術を行使することが出来ます。
 自分が使用できる気功術(含む流派別気功術)の内、肉体強化系気功術(★のついたもの)は行動ターンに含めずに発動させることが出来ます。
 但し、同時に発動させられるのは自分のウーシュー技能LVと同じ数までとします。例えばLv3のウーシューは『ムーラダーラチャクラ』『硬気功』『鉄砂掌』を一瞬の内に、しかもラウンドの最初に自身の行動とは別に発動させることが出来るのです。
 この場合、当然ですが精神点は規定通り消費します。

招式 基準値:−
 ウーシュー技能所持者が使用可能な、魔法めいた特殊な技法です。実際は魔法などではなく誰もが(修練次第では)行使出来る技術なのですが術理を知らない者には魔法の様にも見えてしまうことがままあります。
 使用の際、達成値が必要な場合はウーシュー技能レベル+該当能力値で算出して下さい。
 ウーシュー技能が招式の使用LVに到達した時点で自動的にその招式を使えるようになります。
 消費精神点は各種ルーンマスター技能に準じて『基本消費精神点÷技能LV(切り上げ)』となります。
 武器は特に記述が無い限り流派武器のみ使用可能です。
 使用制限は以下の通りです。
 
 @ 全身の複雑な動作を用いる為鎧はソフト・レザーまでに限られる
 
チャクラについて
 招式の中にはチャクラと名のつくものが数種類あります。
 これらは人体に存在すると呼ばれる高密度の生命エネルギーを効率良く全身に循環させる為の重要なポイントです。チャクラを解放することによってウーシュー使いは常時ではありえない量の氣を全身に巡らせ、脅威的な身体能力を発揮する事が出来ます。
 複数のチャクラを同時に解放することもできます。ただし『アジナー・チャクラ』及び『サハスラーラ・チャクラ』だけは他のチャクラを圧倒してしまう為、他のチャクラと同時に解放することは出来ません。
 チャクラの解放には精神点を消費します。行使出来る招式のレベルが上がるに従い、解放出来るチャクラの種類も増えていくでしょう。

LV1招式
ムーラダーラ・チャクラ
持続:18R 基本消費精神力: 距離:術者 範囲:術者
 鼠蹊部にある第1のチャクラを解放し、使用したラウンドから18ラウンドの間精神抵抗力に+2のボーナスを得ます。
発勁(ハッケイ)
持続:一瞬 基本消費精神力: 距離:接触 範囲:個人
 特殊な体動で全身の力(勁)を相手に撃ち込む(発する)打法の総称です。
 通常、打撃の威力は相手にヒットするまでの距離に応じて上がっていきますが(勿論、限度はあります)発勁は本来空間を走らせることによって稼がれるその距離(=相手との距離)を自分の体内で起こしてしまうことにより、打撃の威力を向上させる事が出来ます。当然のことながら、その威力はウーシュー使いとしての修練の深さに正比例します。
 発勁を使った打撃は追加ダメージに『ウーシュー技能レベル÷3(端数切り上げ)』のボーナスが加算されます。
 発勁は素手でのみ使用可能な招式です。


LV2招式
スワディスターナ・チャクラ
持続:18R 基本消費精神力: 距離:術者 範囲:術者
 丹田にある第2のチャクラを解放し、使用したラウンドから18ラウンドの間生命抵抗力に+2のボーナスを得ます。
硬気功(コウキコウ)★
持続:18R 基本消費精神力: 距離:術者 範囲:術者
 生命エネルギーを昇華させた氣を練り、肉体的な強度を高めます。氣による強化は体内のマナをも活性させるので、魔法的なダメージをも防ぐことが出来ます。
 使用したラウンドから18ラウンドの間、ダメージ減少を1点上昇させます。これはあらゆるダメージに有効です。


LV3招式
マニプーラ・チャクラ
持続:18R 基本消費精神力: 距離:術者 範囲:術者
 鳩尾にある第3のチャクラを解放し、使用したラウンドから18ラウンドの間、筋力に+6のボーナスを得ます。
鉄砂掌(テッシャショウ)★
持続:18R 基本消費精神力: 距離:術者 範囲:術者
 拳(或いは指先、掌、足、靠、その他打突部位)を氣によって瞬間的・集中的に硬化させる招式です。これにより、素手時の打撃力が+5されます。
 魔法的な効果ではないので通常武器無効の相手には効果を発揮しませんが、逆にさまざまな魔力付与の効果と重複することが可能です。


LV4招式
寸勁(スンケイ)
持続:一瞬 基本消費精神力:16 距離:接触 範囲:個人
 ほぼ密着した状態から放たれる発勁です。寸勁は密着状態から零距離で放たれる攻撃のため、回避不可能な打撃となります。
 接敵状態にある相手に打撃力10のダメージを与えます。追加ダメージはウーシュー技能レベル+精神力ボーナスです。クリティカル値は素手によるウーシュー技能での値と等しくなります。また、発勁を併せて打つことも可能です。
 密着した状態でのみ行使可能な『シュートアロー』と言えば効果は伝わり易いでしょうか。ダメージ属性は神聖魔法の『フォース』と同じく爆発系の攻撃魔法として扱いますが、鎧による減点が可能です。
 寸勁は素手でのみ使用可能な招式です。
泥歩(デイホ)
持続:常に 基本消費精神力: 距離:術者 範囲:術者
 泥濘を歩く訓練によって身につけられる隙の少ない歩法。この技を身につけたウーシューは、足場の悪さによるペナルティをまったく被らなくなります。
 荒れ狂う海に出た小船の甲板だろうと、流砂の中だろうと、激流の河の中だろうと、床一面に撒かれた油の上でも、そして勿論足場を取られやすい泥濘の中でも、さらには大地震などに遭遇しても、それらによる一切の行動のペナルティを受け無くなります。
 また、全力移動中の回避へのペナルティ−4が−2に軽減されます。これにより、ランスチャージによる回避のペナルティも同様に軽減されます ――― ランスチャージを行なうウーシューがいるかはさておいて。
連環撃(レンカンゲキ)
持続:1回の攻撃 基本消費精神力: 距離:接触 範囲:個人
 素手による攻撃の利点の一つに、得物を持つ事よりも回転が速い事が挙げられます。連環撃はその利点を最大限に生かした技法です。
 いわゆるコンビネーションと言われるもので、両手による同時攻撃のペナルティが1軽減されます(通常の二刀流の−2/−4のペナルティが−1/−3になる)。
 この招式は素手状態でのみ使用可能です。


LV5招式
アナハタ・チャクラ
持続:18R 基本消費精神力:10 距離:術者 範囲:術者
 胸にある第4のチャクラを解放し、使用したラウンドから18ラウンドの間、器用度に+6のボーナスを得ます。
化勁(カケイ)
持続:1回の攻撃に対し 基本消費精神力: 距離:術者 範囲:術者への攻撃
 全神経を集中し、自分に加えられた飛び道具以外の攻撃のベクトルを見切って逸らす技法。回避の際に『化勁で回避する』と宣言する事によって行ないます。
 使用することによって飛び道具以外の攻撃に対してのみ回避力に+2されます。化勁によって攻撃を回避された相手は体勢を崩し、次のラウンドの攻撃/回避に−2のペナルティを受けます。
 ただし、化勁使用中はダメージ減少が−2されるので、必然的に化勁による回避を失敗した場合はダメージが2点増える事になります。
 これは相手の武器(もしくは素手、爪など)に手を添えてベクトルを転じる化勁の技法ゆえ、敵の武器に接するという事からダメージ減少が抑えられてしまうのです。
浸透勁(シントウケイ)
持続:一瞬 基本消費精神力:15 距離:接触 範囲:個人
 本来外側から伝わる打撃のエネルギーを外部を通過させて直接対象の内側に響かせる打法の総称です。
 浸透勁での攻撃が命中した場合通常の防護点を無視し、ダメージ減少及び魔法的な防護によってのみダメージの軽減を行なえます。
 精神点さえ消費すれば発勁寸勁と併せて打つことも可能です。
 浸透勁は素手でのみ使用可能な招式です。


LV6招式
暗勁(アンケイ)
持続:一瞬 基本消費精神力:30 距離:接触 範囲:個人
 発勁寸勁浸透勁を併せた打法(実際は違うのですが、効果のニュアンスとしてはそう捉えてもらって構いません)。
 接敵状態の対象に回避不可能・鎧減点不可能の打撃力30の爆発系属性ダメージを与えます。追加ダメージはウーシュー技能レベル+精神力ボーナスで、そこに発勁と同じだけのダメージも加算されます。
 本来武器ではクリティカルが起こらない相手にもクリティカルが起こり得ます。ただし、クリティカル値は素手時のものとは異なり10となります。
 また技の中に既に発勁が組み込まれている為、ここに更に発勁を併せることは出来ません。
 暗勁は素手でのみ使用可能な招式です。


LV7招式
ヴィシュダ・チャクラ
持続:18R 基本消費精神力:14 距離:術者 範囲:術者
咽喉にある第5のチャクラを解放し、使用したラウンドから18ラウンドの間、敏捷度に+6のボーナスを得ます。
心眼(シンガン)
持続:18R 基本消費精神力:35 距離:術者 範囲:術者
 半ばトランス状態になるほどの極限状態に陥るまで精神集中力を高め、視界内のありとあらゆる攻撃に対して即応できる動体視力と反射神経を得ます。
 心眼の継続中は1ラウンドに3mしか移動できなくなりますが、その間は飛び道具を含むあらゆる攻撃に対して回避が+4され、さらに精神抵抗値に+4されます。
 ただし、何らかのダメージを負った場合、集中は即座に解除されてしまい、心眼の効果もそこで途切れます。


LV8招式
アジナー・チャクラ
持続:18R 基本消費精神力:32 距離:術者 範囲:術者
 眉間にある第6のチャクラを解放し、使用したラウンドから18ラウンドの間、器用度、敏捷度、筋力に+6、生命/精神抵抗値に+2のボーナスを得ます。
 このチャクラは強力な効果を持つが故に他のチャクラと同時に解放することは出来ません。他のチャクラを使用中にアジナー・チャクラを解放した場合、他のチャクラの効果はそこで消えてしまいます。
縮地(シュクチ)
持続:3R 基本消費精神力:40 距離:術者 範囲:術者
『仙足』とも呼ばれる高等歩法。氣による身体能力の向上と特殊な技法によって運動能力を爆発的に向上させます。
 これにより、常人の動きからは考えられない速度・タイミングでの行動が可能になります。使用してから3ラウンドの間、行動回数が一回増加されるのです。追加の行動はラウンドの最後に行ないます(使用したラウンドにも最後に追加行動は行なえます)。ただし、この技法は人間の肉体を極限まで酷使する為、日に1度の使用が限度です。日に2回以上使用しようとしても必ず失敗します。


LV9招式
サハスラーラ・チャクラ
持続:10分間 基本消費精神力:45 距離:術者 範囲:術者
 登頂部にある第7の、最後のチャクラを解放し、超人的な知覚能力を得ます。
 『センス・オーラ』『センス・エネミィ』『センス・ライ』『ガード・トレーディング』の効果を同時に得る事が出来ます。
 このチャクラは強力な効果を持つが故に他のチャクラと同時に解放することは出来ません。他のチャクラを使用中にサハスラーラ・チャクラを解放した場合、他のチャクラの効果はそこで消えてしまいます。


LV10招式
 ( )
持続:  基本消費精神力:  距離:  範囲: 
 
 
 

流派
 ウーシューには先に述べたように数百とも言われる流派があります。それらの流れは根幹まで辿れば数派に纏められるというのが現在での通説ですが、幾百年もの時を経て研鑚を積んだ諸流派は幹を同じくするとしても現在では既にまったく風格・性質の異なるものです。立ち方、構えはもとより、突き・蹴りのひとつひとつをとっても各流派では丸で別のものとなっています。
 そうした諸流派の全てを網羅することは不可能に近く、また煩雑さを招くだけなのでここでは行ないません。
 ですがプリースト技能に宗派があり特色があるように、ウーシューにも学んだ流派があり特色があるのもまた確かです。そこで、代表的ないくつかの流派と、それぞれの流派の特色ある招式を『流派別特殊招式』として紹介します。
 ウーシュー使いは普通いずれかひとつの流派を専念して学びます。ウーシュー技能を取得した際、どの流派を学ぶか決めて下さい。
 複数の流派を学ぶことも不可能ではありませんが、やむをえない事情がない限り、ウーシュー技能レベルが4以上になるまで通常は師が他の流派を学ぶことを禁じます。複数の流派を学ぶこと自体を禁じるのではなく、充分に功夫(くんふー=修行の成果のこと)を積まずに生半な技術のままあちらこちらに手を出すのを快く思わないということなのです。
 GMは新たな流派を学びたいというキャラのレベルやそれまでの鍛錬への取り組みなどを考慮し、新しい流派の修得に許可を与えて下さい。ゲーム内では師が許可を出す、とすれば良いでしょう。
 
 例1
 田河美露はレベル6のウーシュー使いです。流派はナハディを学んでいます。彼女はナハディの直線的な戦い方だけでは冒険者としてやっていくのに不安を感じ、新たにバギツを学ぶことにしました。
 無事美露がバギツを修得することをGMが許した場合、新たにレベル1でウーシュー技能・ナハディを修得出来ます。
 
 現在学んでいる流派とは別の流派を学んだ場合、従来のウーシュー技能を失うわけではなく別の新しい技能を修得したものとして扱います。この場合、新たに修得した流派のウーシュー技能のレベルアップに必要な経験値は半分で済みますが、先に学んでいた流派と同じレベルまでしか上げられません。
 
 例2
 田河美露がバギツを修得する場合、レベル1〜6までは通常の半分の経験値で修得できます。
 ただし、彼女がナハディのレベルを上げない限りはバギツは6レベルまでしか修得出来ません。
 
 また、ここで気をつけてもらいたいのは複数のウーシュー流派を身につけた場合、通常の戦闘行為判定はどの流派のレベルを使ってもかまいませんが(普通は一番高い技能で戦いますね)流派別特殊招式はその属する流派のウーシューレベルで判定しなければならない、ということです。
 
 例3
 田河美露はナハディを6レベル、バギツを3レベルで所持しています。
 この場合、彼女はナハディの流派別特殊招式である『刃矛』を使う時はウーシュー技能をレベル6として使用出来ますが、バギツの流派別特殊招式である『投げ技』を使うときにはウーシュー技能をレベル3としてしか使用出来ません。
 
 ウーシュー技能を0から身につけたい場合、適切な師匠が必要となります。ラオシェン北部の地であれば大抵の流派の師と道場は見つかりますが、ラオシェン南部の辺鄙な地であった場合などは師や道場を見つけるのは少々困難かもしれません。
 ラオシェン以外の地であった場合、ウーシュー技能を0から修得するのは非常に困難です。師となるべき人物を見つけなければなりませんが、師となり得るのは最低でもウーシュー技能レベルが6以上の人物だけです。GMは師となるべき人物をシナリオの一環として登場させるのも面白いでしょう。勿論、たまたま近くの街や村にウーシュー使いがいたということでも一向に構いません。GMがウーシューを学ばせても不都合がない、と判断した時、師となる人物はプレイヤーキャラクターの前に現れるものなのです。
 ウーシュー技能修得までの期間ですが、ルールとしては特に設けません。目安としては三ヶ月から半年程を修練に充てれば1レベルでの修得が出来るという程度でしょうが、実際のゲーム中ではそれ程気にせず、GMの判断で行なって構わないでしょう。。、
 
 以下に現在のラオシェンであればほぼどの土地でも学べる流派を記します。流派名をクリックするとその流派の詳細と流派別特殊招式のページに飛びます。
フォンフェイア
流派武器:筋力一杯までの棍
 ラオシェンに古来より伝わる伝統武術。棍術と勁を用いた技法を得意とします。戒律は厳しいのですが、ある程度以上の修行を修めたものは『修士』として社会的にも認められます。
バージーチュエン
流派武器:筋力一杯までの槍
『仙槍』リ・シュウェンを輩出した高名な武術です。一撃の破壊力を重視しています。他の武術との交流をあまり持たず、孤高な武術としても知られています。
バギツ
流派武器:なし
 打撃よりも投げ、関節の極めを重視した武術です。極めれば巨人をも組み伏せると言われています。戒律はさほど厳しくなく、武家の子女などの護身術として流布しているようです。
タイジーチュエン
流派武器:筋力半分までの華剣
 円の動きを基調とし、防御からの反撃を得意とした武術です。ウーシュー共通招式の『化勁』はここから生まれているとも言われています。その演武は非常に美しいことでも知られています。ですが非常に特徴的なのは、この流派は女性にしか学べないという点でしょう。
ナハディ
流派武器:筋力一杯までのヌンチャク・トンファー
 己の五体を凶器と化す事によって闘う武術です。肉体の強靭さでは他の追随を許しません。高名なナハディマスター、『神の拳』マスタツ・オーヤマーの鍛え上げられた拳は岩をも砕き鉄をも斬り裂くと言われています。
タンランチュエン
流派武器:なし
 様々なウーシューの長所をカマキリの手法、猿の歩法によってまとめられた実戦的な武術です。その動きは素速く、一息つく間に五回拳を繰り出す『一吐五拳』と呼ばれるほど速度にあふれています。



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