ナハディの発祥は定かではありません。フォンフェイアの亜流であるとも、また困窮の中から農民が自警の為に編み出したとも言われています。
他のウーシューに比べ、直線的で直接的な攻撃方法を持っています。
その基本思想は、五体を武器と化す事。鍛え上げられたナハディ使いの拳は岩を砕き、足刀は鉄鎧を引き裂きます。当然の事ながら並大抵の修練でかなう肉体改造ではありません。
下手をすれば自らの生命にも関わる危険な鍛錬を積んでいるので、ナハディを学ぶ物は自他共に厳しい者がほとんどです。ことに上下関係にはうるさくしがちです。
ですが、これは自分よりも下位の者、弱い物を虐げるという意味では決してなく、むしろその逆です。
ナハディの基本理念として、女子供、武器を持たざる者でも強大な力に勝ち得る、というものがあります(もっとも、これは他のウーシューのほとんどに共通する理念でもありますが)。
それはつまり、弱者を護るのはナハディを学んだ者の務めでもある、と、そういう思想にも繋がっています。
決して闘いを忌避せず、自らを含む弱者の為にならば勇んでその鍛え上げられた拳を振るう、それがナハディを学んだ者の有り様です。
ナハディには以下の戒律があります。
・礼節・規律を尊び、上下関係を重んじなければならない
・無用な殺戮・無益な戦いは避けなければならない
・弱者は護らねばならない
戒律とは言え、破った者に罰則があるわけではなく、またプリースト技能のように剥奪されるという事もありません。
ただし、あまりにその行いが戒律からかけ離れていた場合、最高指導者直々に破門を言い渡され、二度とナハディを学ぶ事が出来なくなる(技能LVを上げられなくなる)可能性もあります。
その上で尚、行いが改善されないようであれば、制裁の為に拳士が派遣される事すらあります!
GMは、ナハディ使いがあまりに戒律からかけ離れた行いをするようであればそれとなく注意して下さい。
また、ナハディを学ぶ者には以下の特典がつきます。
・ウーシュー技能を行使する際、筋力一杯のヌンチャクを使う事が出来る
・『鉄拳』の能力を使える
鉄拳 基準値:生命力
先に挙げたようにナハディの神髄は五体の武器化。その理念は、達人から初心者まで変わりません。
ナハディ使いの鍛え上げられた拳(或いは肘、膝、足)は常人のそれとは明らかに異なります。過酷な修練にさらされたそれは既に生身の人間のものとは違っており、一個の武器としてすら通用します。
そのため、ナハディを学んだ者は素手時の打撃力がウーシューLV×2になります。これは気功術の鉄砂掌などの効果と重複します。
また、武器ではクリティカルしない対象を相手にもクリティカルが起こり得るようになります。
ナハディ特殊気功術
ナハディを学ぶウーシュー使いのみが習得できる特殊な気功術です。
・LV4気功術
手刀
持続:集中(1回発動するまで) 基本消費精神力:8/ターン 距離:接触 範囲:個人或いは物体一つ
『手刀』とは言いますが、手に限定されません。この気功術は刀の『斬鉄』と同じく、極限の精神集中と引き換えにクリティカル値を下げる事が出来ます。
ボウ・クロスボウによる『狙撃』と同じく、こちらに気付いていおらず、なおかつあまり動き回っていない相手にのみ、1ターンを費やして集中する毎にクリティカル値を−1する事が出来ます。
この方法によるクリティカル値の減少は『狙撃』と同様に、最大で−4までとします。ただし、いかなる方法を用いたとしても、合計で4以下になる事は有り得ません。最高でクリティカル値は5までしか下げられないものとします。
ところが冷静に考えると、この技術は実戦の中で使用するのはほぼ不可能です。攻撃の届く間合いで対峙する相手に気付かず、かつ動き回らない相手などは気絶しているか眠らされている相手ぐらいのものでしょう。そうであれば、さっさと首を掻き切った方が早く済みます。
この技術は、主にデモンストレーションや建造物の破壊に使われます。
ナハディの基本能力である『鉄拳』と組み合わせれば、石壁や鉄扉を相手にしたとしてもただ一撃で破壊する事がかなうのです。
ただし、危険は付き物。
ダメージ決定の際に1ゾロを振ってしまった場合(クリティカル後の1ゾロも含みます!)、自分がダメージを被ります!
1ゾロを振ってしまった場合、まずは即座に素手でのダメージを算出して、そのダメージを自分が被ります。
このダメージは鎧では防げません。冒険者LVと魔法的な防護、そしてウーシュー技能による肉体の防御力のみが有効です。
この気功術は、素手でしか使用できません。
・LV5気功術
三戦(サンチン)
持続:18R 基本消費精神力:20 距離:術者 範囲:術者
呼吸により全身の氣を完全にコントロールし、あらゆる物理ダメージから身を護る気功術です。
持続している間、飛び道具・直接攻撃の別を問わず、物理的なダメージを3点防ぎます。これに、術者のダメージ減少や鎧その他の防御効果を加える事が出来ます。
ですが、魔法によるダメージや発勁などの鎧防御無視のダメージに対しては、三戦は何の効果も上げません。
この気功術を使用する際には素手である必要はありません。
廻し受け
持続:1回の攻撃に対し 基本消費精神力:10 距離:術者 範囲:術者への攻撃
ナハディは素手での打撃において他のウーシューの追随を許さない高みに到達しています。それはとりもなおさず、攻撃のみではなく防御においても同様であると言えます。廻し受けはそのナハディの受け技の中でも最高峰と言われる型の一つで、あらゆる防御のエッセンスが含まれています。
ナハディ使いは既に行動を起こしたラウンドでも、また咄嗟の攻撃に対しても廻し受けを使う事が出来ます。1ラウンド中に使う回数に制限はありません(精神点の続く限り行なえます!)。廻し受けを使った後に通常の行動を起こす事も出来ます。
廻し受けを行なう事によって直接攻撃、飛び道具を問わず回避に+2の修正がつきます。
また、炎系、冷却系、つぶて系、かまいたち系、毒ガス系の魔法や特殊攻撃(ブレス等)に対して使用する事により、抵抗値に+2のボーナスを得る事も出来ます。これは廻し受けの動作によって対象の攻撃を散らす事が出来るからです(『グラップラー刃牙』で愚地独歩がドリアンの火吹きを払ったアレですね)。
この気功術を使用する際には素手である必要はありません。
・LV6気功術
破矛(ハボコ)
持続:一回の攻撃に対し 基本消費精神力:18 距離:術者 範囲:術者への攻撃
『廻し受け』と同様、非常に高度な防御の技術です。但し、こちらは直接攻撃にしか用いる事は出来ません。
拳、肘、膝、掌、指先、足刀、そして地面……打突部位として考えられるあらゆる適切な部位によって相手の攻撃を挫く技法です。
ナハディ使いは既に行動を起こしたラウンドでも、また咄嗟の攻撃に対しても破矛を使う事が出来ます。1ラウンド中に使う回数に制限はありません(精神点の続く限り行なえます!)。破矛を使った後に通常の行動を起こす事も出来ます。
基本的に回避に−2の修正を受けます。但し、防御に成功した場合、相手の武器を取り落とさせる事が出来ます。
また、相手の武器がソード、アックス、スピア、クラブ、スタッフであった場合に限り、回避に成功した後にもう一度2d6を振り11か12を出すと対象の武器を破壊する事が出来ます。但し、魔法(或いは魔法のかけられた)武器であった場合は破壊する事が不可能なのでこのロールは行なえません。
更に相手が素手であった場合は回避はすなわち相手の肉体に攻撃を加えたのと同義となるのでダメージを与える事が出来ます!
この場合、破矛による回避に成功した時点でこちらの攻撃は当たったものとします。打撃力は基本的に0として扱います。鉄砂掌やその他エンチャントなどによって打撃力が増していた場合は、0にその値を加算します。追加ダメージは通常通り算出されます。また、クリティカルは通常通り起こり得ます。
対象の攻撃が牙や爪などであった場合は基本的に破壊可能な武器として扱いますが、状況によっては不可能な場合もあるでしょう。その際の判断はGMに一任しますので、バランスや絵的な効果を加味して判断して下さい(例:ドラゴンの爪を折るのは絵的には美しいがかなりの難度なのでは?)。
この気功術は、素手でしか使用できません。
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