エルラインの絵本 第八話『天絹都市』B



★セッション開始前の会話より☆


 前回のラストで永 星鈴を倒した一行でしたが、彼女の持っていたアイテムについてやや話し合い。


【ウィルヘルム】なんつうか精霊使いの敵だったな。
【メルトン】ぎくりぎくり。
【ウィルヘルム】そういやサークレットどうした?
【メルトン】は、はーい……(持ってる)
【ココサラキ】サークレットで操られてた…とかでしょうか?
【スズキ】いや、自分の意志だったようアル。ついでに言うと、何やら黒幕がいそうな気配だったヨ。


 ようやくたどり付いた糸は、また新たな謎を手繰り寄せる標でしかありませんでした。
 と、いうか……良く考えたら、実は私ってここに来てもまだ明確なパーティの指針というものを提示してなかったのですよね……
 メンバーのノリに助けられてここまできましたが、さて、そろそろしっかりと指針を示さねばなりません。






  窮鳥


【GM】さて、そんなこんなで現在はリエ=インの太極宮の中庭です。周囲に人はいませんが、君達と、李導師と、永と、あとラオシェンの貴賓+護衛の剣士がこっち覗いてるのと、ザールワールの貴賓+近衛が物陰からこちらを見てますね。
【アルマ】取り敢えず安心じゃ、と一声かけておくかのう。で、拘束した彼女の身柄はそちらにお任せする。
【GM】あ、それと当然(?)テム・リエ=ツァルンその人もこちらに。
【ウィルヘルム】あとサークレット鑑定大会は行われたのか?
【スズキ】と言うか、ワタシらが貰っていいあるカ?
【アルマ】サークレットは……まあちょろまかす、ということで。
【GM】ちょろまかすのなら今の内。
【アルマ】(隠)。
【ココサラキ】手馴れてるッ煤i ̄□ ̄;)


 まさに神速。


【スズキ】土は既に発見済みだった、と言う事だった気がしたが。何処にあったか覚えてるのは居るカ?
【ウィルヘルム】覚えて無え。


 土のトパーズはその昔発見されましたが、リエ=フィシア建国後の争乱で行方知れずになっていたのでした。


【GM】【選帝公テム・リエ=ツァルン】大義であった。というか、大変だったね。御苦労様。
【GM】どこかぼや〜っとしたカンジで恐れ多くも選帝公自身が声をおかけになられますよ。
【アルマ】(納刀、そして低頭)いえ、ご無事で何より。
【ウィルヘルム】ところで彼女を倒したところで大地の精霊力は元にもどったりはせんよな……
【GM】んとね、李導師によれば、吸われてはいても枯渇してないので、徐々に大地の力は戻っていくだろう、とのことです。
【メルトン】おー良かった良かった。ここは荒れ地にならないのね。
【ウィルヘルム】リエ=インの王都が砂漠になったら洒落にならんしな……
【ココサラキ】はにまる君(土の精霊)を食べるなんてッ!けしからんです!
【アルマ】きっと彼女は本気じゃな。


 ココサラキにとってノームははにまる君なんです。本気です。


【メルトン】今私が持ってるんだけど……
【ココサラキ】つけちゃ駄目ですよー。
【アルマ】取り敢えず隠しておいてくりゃれ、メルトン殿(笑)。
【GM】【選帝公テム・リエ=ツァルン】時に、卿らの名を聞いても良いだろうか。すまないが、人の顔と名前を覚えるのは、苦手でね。どこかで会ったかな?
【アルマ】いえ、わし……我らとは初対面のはずです、閣下。
【ウィルヘルム】いやー、多分会った事は無いと思うぜ、俺らこの街に来て日が浅いし。
【GM】【選帝公テム・リエ=ツァルン】そうか。ともあれ、一命を賭して太極宮を守ってくれたのだ。その恩には篤く報いよう。と、言っても……今日のこの様子ではな。どうだろう、ひとまず今宵は公宮内に宿泊し、明日改めて話を聞かせては貰えぬか?
【アルマ】承知致しました、陛下。
【GM】【選帝公テム・リエ=ツァルン】(陛下、は聞こえなかったフリ)
【アルマ】閣下。まだ陛下ではおられませんな。
【GM】【選帝公テム・リエ=ツァルン】(唇の端だけで笑う)
【アルマ】決して銀英伝ごっこをしたのではなく、単なる打ち間違いです(笑)。
【GM】え、なんだ、中盤編への引きなのに(笑)。
【アルマ】じゃあ間違いじゃなくて良いです(笑)。
【ココサラキ】かっこいいとおもったのにー(笑)。
【アルマ】だって実際の勢力図(というかなんというか)がわからないしネー。


 さて、それでは一般的な知識としての簡単な勢力などを。
 御存知の通りリエ=フィシアは七つの都市からなる国家です。
 中央に座す玲帝山から見て南西部に帝都リエ=フィシア(小フィシア)が、そこから時計回りに、シヴィヌストラッカートリエ=インヴィーネルボラーゾクリセアと続きます。
 まず単純比較で、軍備という面では小フィシアを上回る都市はありません。こと海軍の規模・練度は周辺国家の中でも郡を抜いて高いものをもっています。
 地図を見ての通り、玲帝山獅顎湾に東西を挟まれた形の地理条件のため、小フィシアに侵攻する場合は海軍抜きには話にならないのです。このことから、事実上獅顎湾を制圧している小フィシアを純粋な軍事力で陥落させるのはほぼ不可能だ、と言われています。
 ただし、軍事力で郡を抜いているのは海軍においての話で、陸の騎士団に関してはシヴィヌスに一歩譲る形となります。
 シヴィヌスは名馬の産地として有名で、そのせいもあって騎士団の勇猛さは他の都市騎士団の追随を許しません。また、何より英雄ティン・ゴ・ジグルの軍才の影響も大きいでしょう。“不沈の鷹”の異名が示すとおり、東方の二国家 ――― シラヴィリアコ=クスからの度重なる侵攻をことごとく退けている手腕は間違い無く周辺国家随一の名将と呼んで差し支えありません。
 同時に、東方の二国家との戦により、シヴィヌスの騎士団は非常に戦慣れしています。その力を十全に発揮出来れば、小フィシアでさえたやすく陥ちるかもしれません。
 もっとも、現在シヴィヌスを治める選帝公ジャハ・ヌワールは大地母神マーファの敬虔な信者でもあるため、外部への侵攻はほとんどしないであろう、というのが一般的な見方です。
 シヴィヌスの北、トラッカートは昔ながらの漁業都市である為か、政争の類にはあまり関心を示さないようです。軍備にしても漁場である青頚湖を警護する程度の艦隊と、外敵迎撃用のいくつかの城砦がある程度で、他国への侵攻には不向きです。
 小フィシア玲帝山を挟んで丁度北東に位置するリエ=インは海軍では小フィシアの三分の一、陸軍ではシヴィヌスの半分、と脆弱な軍事力しか持っていません。
 しかし、それが帝都に対するポーズに過ぎないことは、多少なりとも都市間の機微に通じる者ならば容易に想像がつくことです。リエ=インリエ=フィシアに併呑されて以来、今日に至るまで長い時の全てを、国力の補強に努めてきているのですから。
 現在の選帝公テム・リエ=ツァルンも一般的には内政向きの穏やかな為政者との評判ですが、その内心はどうであるか、想像は尽きません。
 残りの三都市、ヴィーネルボラーゾクリセアについてはまたりプレイに登場した時に解説することにしましょう。


【GM】【選帝公テム・リエ=ツァルン】食事はリエ=イン風で良いかな? それともヒターナ風のものを用意させようか。
【メルトン】うまいならなんでも……
【アルマ】郷に入りては郷に〜といいます故、リエ=イン風でよろしくお願い致します。
【GM】【選帝公テム・リエ=ツァルン】ああ、それと済まないが。
【アルマ】はい?
【GM】と、選帝公が指を鳴らすと、背後から黒い白狼衣に身を包んだ近衛の人がずらっと。
【ココサラキ】びくうー。
【メルトン】ひっ。
【ウィルヘルム】ここの近衛は強そうだな……ていうか何故混乱の中で呼ばなかったか……
【GM】【選帝公テム・リエ=ツァルン】武器だけは、預からせていただくよ。公宮内で武器を持ちこんで良いのは、皇族と王族、そしてそれらの警護の人間だけなのでね。
【アルマ】わかりました。じゃが……もとい、ですが、扱いは細心の注意を以てください。(小声で風喰らいに)大人しくしておるように。
【ココサラキ】武器没収には大人しく応じます。私の弓は喋ったりしないし。
【ウィルヘルム】んー、愛用の弓を取り上げられるのか、ま、仕方あるまい。
【GM】アルマは分かるかな、この黒衣の白狼衣の人々、いずれもフェンサーとウーシューを学んでますね。
【アルマ】成る程、親衛隊かのう。
【ココサラキ】名前自分で彫ったんですよー♪(渡し)
【メルトン】御νの斧がー
【スズキ】盗られたり細かく調べられたりしない事を祈るアルよ。
【アルマ】……どうにも腰が落ち着かぬのう。最近帯剣の時間が長かったかもしれぬが。
【GM】では、近衛(?)と思われる人々に皆さんの武器を預けさせて、そのまま案内されます。案内される前に、すること&言うことあるかな?
【ウィルヘルム】そういや李導師はどうしてる?
【アルマ】うむ、李導師は気になるし、ザールワール&ラオシェンの方々も気になるのう。
【GM】【李 白侠】ん、僕は隣にいるよ。僕は身元がはっきりしてるから、後で学院長に呼び出される程度で済むね。
【ウィルヘルム】身元のはっきりしてない俺らはどうなる?
【GM】【李 白侠】軟禁、かな。敵意がないと判明するまでは。
【アルマ】まあ……賓客扱いでかつ監視、といったところじゃろうな。
【ウィルヘルム】軟禁……か。まあ人外の戦いを見られてるし、色々とアレだなあ……というか怪我大丈夫なのか、あんた?
【GM】【李 白侠】あんまり大丈夫じゃないけどね。まあ御典医の手当は受けられるさ。
【メルトン】お大事にー。
【アルマ】取り敢えず事はひとまず終わったのじゃ、養生することをお勧めする。
【スズキ】呼び出されて勝手に絵本を持ち出した事を問い詰められて吊られて晒される運命カ。
【GM】【李 白侠】僕の方は心配しなくてもいい。割とこういうのは慣れてるんだ。
【スズキ】吊られるのに?!
【GM】【李 白侠】吊られないよ!?
【ココサラキ】ヒーリングしましょうか?
【GM】【李 白侠】ありがとう、でもヒーリングじゃ治らないんだ、腕が完全に損傷してるからね。
【スズキ】神聖魔法のリジェネーションが必要アルな。
【ココサラキ】お役に立たなくてごめんなさい。お大事にー。


 精霊魔法の『ヒーリング』は生命力を全快させますが、四肢の欠損部分など、失われた機能の回復は出来ないのです。
 そういった治療はスズキの言うように神聖魔法の『リジェネレーション』が必要なのですね。


【GM】さて、黒衣の集団に連れ去られる前に、招待された貴賓のどちらかとだけお話出来ます。ザールワールorラオシェン、さあどちら?
【アルマ】さて、相談モードじゃ。
【スズキ】ザールワールに一票。
【アルマ】噂(?)によると、これからのルートに変化があるらしい。
【ウィルヘルム】ザールワールかね。これからコネを作りたいとスズキも言ってたし。
【アルマ】これから向かう先の便宜を考えるなれば、ザールワールが優先じゃろうな。ラオシェンに渡る展開はあまり考えられぬからのう(笑)。
【ココサラキ】ラオシェン遠いですー。
【アルマ】それにスダナーデもといスダン殿達と一応知り合いでもあるし。
【メルトン】ザールワール。なんとなく。
【ウィルヘルム】ただ俺はあそこの国(ザールワール)嫌いなんだよなあ……
【スズキ】奴隷制度のある国なんてこんなことでもなきゃ関わりたくも無いアルよ。
【アルマ】まあ、気持ちはわかる。
【GM】諸外国から見ればかなり異質ですね、未だ奴隷制度があるのは。


 ザールワールリエ=フィシア周辺解説にも載っているように、周辺国家で唯一奴隷制度を敷いている国家です。
 奴隷制を持たない国家からみると快くは無い制度ですが、歴史の深い国だけにそうやすやすと改革を行なえない(=行なおうとしない)のもまた事実なのです。


【ウィルヘルム】階級社会ってのは性にあわねえ、というか自由人たる俺らとしては、なあ。
【スズキ】まぁ、上手い事コネが作れれば利用できるだけ利用して後は知ったこっちゃない、と。
【メルトン】さすが実は腹黒い。
【ウィルヘルム】命を救ったくらいで俺らと本気で話をするかどうかも怪しいが、さて……
【スズキ】今回の事程度じゃ望み薄そうアルな。
【アルマ】改めて、どうするかのう。
【スズキ】ちなみに旅人は階級的にどのランクに当たるアルか?
【GM】外国人? 下級平民クラスかな。
【ウィルヘルム】一番下、とも言うな
【アルマ】一番下はまだあるぞ?
【ウィルヘルム】まあ下には下を作るのは階級制度の基本だがな。
【GM】ただ、交易によって財政が成り立っているという面はあるので、あからさまに蔑んだりはしませんよ。旅人のもたらす情報は、価値が高いですから。
【ウィルヘルム】ま、積極的にラオシェンにアプローチする理由が無い、という消極的な理由でザールワールと話すほうに一票。
【アルマ】うむ。
【メルトン】同意。
【スズキ】満場一致でザールワールあるな。
【ココサラキ】です。
【アルマ】この辺りのGM的思惑はリプレェを楽しみにしておくかのう(笑)。


 ま、正直ホッとしたのもあります(笑)。
 一応、ラオシェン側と接触した場合でも、ラオシェンに赴くようなハメにはならずに済むようにはしていましたけれどもね。


【スズキ】あぁ、今回招待されてたザールワールの人はどんな人だったか判るカ?
【GM】んー、名前を知らないのでなんとも……外見は、上品そうな老夫婦。
【スズキ】まぁ、お話しだけでも。
【GM】ではザールワールの貴賓である老夫婦とお話をしようと赴きます。
【スズキ】しかし……近衛兵が苦戦する前に手助けして掃討したからひょっとしたら余計な手出しを下と思われてるかもしれないアルな。
【GM】ほうほうのていで逃げ惑っていた近衛が、一応おしとどめようとしますが、老夫婦の男性の方がそれを制しますね。
【スズキ】あ、逃げ惑ってたカ。
【ウィルヘルム】武器効かないしなあ。
【GM】【男性】先ほどは助かりました。
【アルマ】ご無事で何より。
【ウィルヘルム】いやはや、災難でしたな、まったく。
【GM】【男性】いや、わが国の衛士も無能では無いのですが、やはり兵はリエ=インですな。千兵に値する、とはよく言ったものです。感服いたしました。
【メルトン】三国無双ってやつだな。
【GM】男性の背後で、ザールワールの近衛が仏頂面で突っ立ってるのが目に入りますね。
【スズキ】……さて、リエ=イン人のふりをするか否か。素性明かしたら途端に態度かわりそうアルよ。
【ココサラキ】(後で清聴)
【アルマ】逆に言えば、これから訪ねる予定、というのが難しくなるような気もするので、さて、どうしたものか。
【スズキ】否定はせず、肯定もせずが無難か。嘘ついても後が怖いアル。
【ウィルヘルム】隠すのか? すぐにボロが出るぞ。
【アルマ】嘘をとおすメリットが少ないようにも思えるので、素性を簡単に話してしまうかのう? 票を取りたいが。
【メルトン】私は素直にGOです
【ウィルヘルム】俺は嘘は下手だし、というか素性を話したほうが素直にザールワール入りできそうな気がするが。
【スズキ】無言の嘘、になるが敢えて素性を明かさない方に一票アルよ。訪ねられたらそりゃ答えるあるが。
【ウィルヘルム】勘違いを否定しないってのは後で素性がバレた時に感情的に良くないと思うがどうなんだろうな
【ココサラキ】嘘は付かないでこれから行くとかー。冒険者ならどこフラフラしててもさして違和感なさそうだし。
【スズキ】ワタシとしては嘘は言わないが勘違いするのは向こうの勝手、が理想アルな。で、天然娘、核娘、舞踏姐御が素直でゴゥ派アルな。多数決で素直に行くヨロシ。
【ウィルヘルム】というか俺もな。
【スズキ】あぁ、発言を一部読み間違えてたアルよ。済まないのココロ。
【アルマ】多数決で話す、かのう。
【GM】そして時は動き出す。
【アルマ】うむ。。
【GM】【男性】ところで、皆様は選帝公閣下の近衛……では無さそうですな。では傭兵か冒険者ですかな?
【アルマ】そういえばお名前を知らぬのでどう呼びかけすればわからぬが、わしらはリエ=インの兵ではありませぬ。奇なる縁でたまたまこの場に同席した、一介の冒険者に過ぎませぬ。
【ウィルヘルム】まあ旅の途中の冒険者ってトコだな。今回は面白そうな食材を見つけてきて運んできたらこんなことに巻き込まれたが……
【GM】【男性】おお、これはとんだ勘違いと失礼を。私、ザールワールで伯爵位を賜っておりますアーネルハルト・フォン・ゼヴトライヴァーと申します。
【メルトン】い、言いづらい名前だ……
【アルマ】ではゼヴトライヴァー伯、と。
【GM】【アーネルハルト】こちらは妻のフレアです。
【GM】【フレア】(丁寧にお辞儀)
【ココサラキ】旅の冒険者バケツ団です(ぺこり)。
【GM】【アーネルハルト】バケツ団? なかなか奇怪……いや、失敬。奇抜なネーミングですな。
【メルトン】こ ココちゃーん!(汗)
【スズキ】実物が無い時にそのネーミングはどうかと思うアルよ。
【ココサラキ】あっモロタンがいないから今日はバケツ団じゃ無いッ。
【GM】いればひどく納得。
【スズキ】実は清楚で常識家のバケツ娘が居れば……
【アルマ】バケツ団団員は彼女だけですので、念のため。
【ウィルヘルム】いや、この娘は多少頭のほうをやられてるのであまり気になさらずに。
【メルトン】うわあ酷ッ。
【ココサラキ】ウィルさんー!?煤iT□T;)


 うわあ酷ッ(笑)。


【スズキ】置いといて。無事で何よりアルよ、ゼヴトライヴァーは九尺。
【GM】270cm。
【スズキ】……伯爵。
【アルマ】九尺か……大きいのう。
【メルトン】はっ!もしかして絵本の巨人って実は!?
【スズキ】シクシクシクシク。
【アルマ】取り敢えずわし……もとい私はアールマティ・ラシュヌという流浪の民です、以後お見知り置きを(ヒターナ風一礼)。
【メルトン】どうも、私はメルトン・アトミック。核とは一切関係ありません。あとこっちのスズキは私の下僕です。
【ウィルヘルム】ウィルヘルムという、姓は無い。新羅の遊牧民の狩人だ
【ココサラキ】精霊使いの修行をしておりますココサラキともうします。
【アルマ】嘘だ……はッ、わしは今何を。
【ウィルヘルム】植物の精霊王の名前を言ってみろ。
【ココサラキ】りーふくん。
【ウィルヘルム】やはり修行をしているのは嘘のようだな……(黄昏)


 狙っても中々言えねえ、そいつは。


【GM】【アーネルハルト】時に、各々方、冒険者とおっしゃいましたね? 冒険者と言うことは……金ずくで仕事を請け負ってくださいますかな?
【スズキ】まぁ、内容によるアルが……大概の事は請け負うヨ。
【アルマ】……少々語弊があるような気がしますが、内容によって。
【ウィルヘルム】俺たちにも仕事を選ぶ権利はあるぜ? 後で捕まったりするようなことにはなりたくないしな
【GM】【アーネルハルト】なるほどなるほど。いや、腕の良い方々はいつでも歓迎ですのでな。もしザールワールを訪れる機会がありましたら、是非私の館をお尋ね下さい。
【スズキ】何かお困りごとでも?
【GM】【アーネルハルト】それでは、また会う時も来ましょう。
【スズキ】っと、それではまた機会があれば、アル。
【メルトン】どうもご丁寧に。
【ウィルヘルム】そうだな。機会があればまた会うこともあろう。
【アルマ】(ぺこり)
【GM】あくまで丁寧に、ゼヴトライヴァー伯は妻と近衛を引きつれて去っていきます。
【スズキ】後ろに居た近衛兵の面構えは覚えておくアルよ。
【メルトン】仏頂面のな!
【アルマ】……ふう、訛を消す話し方は疲れるのう。
【ウィルヘルム】丁寧に話せっつっても無理だぞ、俺は。
【GM】さて、黒衣の方々に皆様は連行されまして。
【ココサラキ】捕まった宇宙人風に?
【GM】いや、鄭重に。個室に通されますね。イメージはとても豪華な牢。
【メルトン】ぐ。
【アルマ】おや、個室とは。
【GM】口裏を合わせないように、とのことでしょう。
【アルマ】成る程成る程。
【ココサラキ】豪華な牢……想像できないー。なんだか落ちつかないーそわそわ。
【GM】不自由の無い豪奢な部屋だけど、出入りだけは絶対に出来ない、ってことね。
【ウィルヘルム】んーブラウニーくらいはいるだろうが……
【スズキ】ん〜、李導師に頼んで武器くらい何処かに保管して……いや、魔法使えない状況だったナ。扉に鍵かかってるカ?
【GM】かかってますよ。
【ウィルヘルム】本気で軟禁だな、こりゃ。
【GM】さて、特にアクションが無ければ時間を進めますよん。
【スズキ】鍵あけ……いや、無暗に自分達を不利にする必要も無いアルな。
【アルマ】まあのんびりくつろいでおこうかな……ああ、剣くらいの長さの棒でもあれば、剣舞の練習でもして過ごすのじゃが(きょろきょろ)。
【GM】振りまわせそうな棒は無いですね。武器になりますから。
【スズキ】三世、三世。
【ウィルヘルム】ブラウニーを探して会話、っと何か?
【スズキ】なにか精霊は支配してるアルか? 天然娘も。
【ウィルヘルム】してない、というか前は出来なかったからそんな暇も無かったし
【ココサラキ】私もしてませんー。
【スズキ】ウィンドボイスで連絡……と言うのも無理アルか……
【ウィルヘルム】忘れているかも知れないが俺はついさっきまで2レベルだったんだぞ。
【スズキ】天然娘は元から3あったんだから何か支配しておいて欲しかったヨ。使い魔と違ってそこまで時間もかからないし。
【ココサラキ】今度ヒーピュー君(風)と相談してみよう……


 シャーマンのレベルが3になると、『コントロール・スピリット』が使えるようになります。
 この魔法は下位精霊を一体支配化に置いて常に連れ歩けるというもので、精霊のいない場所では魔法を使えないという精霊使いの弱点を帳消しに出来る大変便利なものです。
 一般に、ルーンマスターは3レベルからが戦力として1人前、と言われますが、シャーマンはその傾向が特に強いのはこの魔法のせいもあります。


【ココサラキ】閉じ込められてる間にーとかはやっぱり駄目です?
【スズキ】それだとここにいる精霊しか支配できないから結局無意味ヨ? 支配しなくても使える魔法しか使えないアルから。
【GM】んー、精霊支配は……今出来るのは、せいぜいブラウニーぐらいよ。
【ウィルヘルム】ブラウニーはいるぞ。支配したからなんだ、という気もするが。
【ココサラキ】あ、そっか……うーん。


 ダンジョンに入る前にシルフを支配したり、といった、その場にいない精霊を支配しておくというのが『コントロール・スピリット』の便利な使い方です。
 支配出来る中で『使える』精霊としては、やはりダントツで風の精霊シルフ、ついで大地の精霊ノームあたりでしょうか。この二種は使用出来る魔法の種類も多く、またその使い勝手も非常に良いものが揃っているのです。
 さらにシルフノームもその場に存在しないという場合が多いので、支配しておく意義は更に強いのですね。
 四大精霊の残り二種、炎の精霊サラマンダーと水の精霊ウンディーネはさほど支配する意味は無いかもしれません。ウンディーネの魔法は必要な状況というのが大抵の場合水がそばにある場合(例:水の上を歩く、水の中に入る、などなど)ですので、支配せずとも必要な時にはウンディーネがその場にいる事が多いのです。
 サラマンダーに至っては、魔法の数が圧倒的に少ない(精霊魔法全種を見てもたった2つだけ!)のと、これもまた火を起こしさえすればどこにでもサラマンダーは生まれるので、わざわざ支配する意義は少ないのですね。
 ついでに支配出来る下位精霊というのはモンスター・レベルが4以下のものを指します。
 すなわち四大精霊以外には光の精霊ウィル・オー・ウィスプ、闇の精霊シェイド、家屋の精霊ブラウニー、眠りの精霊サンドマン、小さき精霊スプライト、氷の精霊フラウ、混乱の精霊レプラコーン、以上が『コントロール・スピリット』で支配出来る精霊となります。
 基本的に四大精霊以外の精霊は行使出来る魔法の数も少なく、またほとんどの場所に存在しているため、支配はしなくても良いかもしれません。勿論、趣味で選んでしまってもそれはそれで問題は無いのですけれども、ね。
 ちなみに植物の精霊ドライアドや勇気の精霊ヴァルキリーは中位精霊なので『コントロール・スピリット』では支配出来ないのですね。


【アルマ】それから荷物がかくしかの宿に置いてあるので、持ってきてくりゃれ。着替えが無い(笑)。
【メルトン】マァー! 大変!
【GM】【見張りの女官】御着替えでしたら、こちらでご用意いたしますわ。御心配無く(雅に礼)。
【アルマ】それはご丁寧に。感謝じゃ。
【スズキ】……バケツ娘が居ればバケツが用意されてたカ?
【アルマ】それは気になるのう。
【GM】【見張りの女官】ございますわ(雅に微笑)。
【スズキ】?!
【アルマ】あるのか……流石は歴史が長い国は違うのう。


 天絹都市リエ=インを舐めてもらっては困る(いやそれもどうかと)。


【アルマ】ふむ……これが華服というものか……(着替え)
【メルトン】そんな堂々と……
【アルマ】いや、だって個室。
【ウィルヘルム】個室だって。
【メルトン】あそうか。すまんす。
【スズキ】個室アルよ、核娘?
【メルトン】キー! 核娘ちゃうわ!(八つ当たり)
【スズキ】時空を超えて拳がッ?!(鼻血)


 華服のアルマ。
 イメージイラストは随時募集中です(本気)。


【アルマ】では基本の舞いでも繰り返しておこうかのう。
【メルトン】どっかに仕掛けとかないのかしら(壁調べ)。
【GM】んと、皆様。セージかバード、トルバドゥールで知力チェック。平目OK。
【アルマ】(ころころ)4じゃ。
【ウィルヘルム】(ころころ)3だ。
【スズキ】バードで。(ころころ)今日は出目が悪めアルな。11ヨ。
【GM】んと、スズキの11が最高かな? ならスズキだけか。こういう軟禁の部屋ってね、ほぼ100%、盗聴されております。だからあんまり派手に魔法とか使うと、心象悪くしかねませんね。
【スズキ】音立てないようにそう言った仕掛けが有るか探せないカ?
【GM】シーフ+知力でどうぞ。
【スズキ】いや、下手して妙な動きしてるのを悟られたら返ってまずい事になるアル。やめておくヨ。
【GM】やましいことが無いのなら堂々としてろ、というカンジだね。
【アルマ】〜♪(悠々自適)
【スズキ】ワタシはソファーが落ち着かなくて床に座り込んでるヨ。
【ウィルヘルム】まあ盗聴されてることには気付かないのでブラウニーでも呼び出して暇潰しをするかな。


 それはそれで、かなり可哀相な人だッ。


【ココサラキ】シーツのレースの編みかたを一生懸命暗記。
【メルトン】そんなことより精霊の名前覚えて……
【ウィルヘルム】その前にてめえは精霊の名前を覚えろー!?
【ココサラキ】なんかとっても凄い勢いで電波を受信した気がします。
【ウィルヘルム】家にいる精霊はなんだ、ココ?
【ココサラキ】キチントさん。
【ウィルヘルム】読みと全然違う答えが返ってきたが、まあいいか……
【メルトン】いいのか……
【ココサラキ】なんだと思われますたの?
【ウィルヘルム】せいぜい座敷わらし程度か、と。


 それはラオシェン名物の妖怪。


【ウィルヘルム】しかし落ち着かんな、自然の精霊と触れたいぞ。
【GM】では時が過ぎまして。んー、と……誰かなー。(ころころ)スズキ。スズキか(笑)。
【スズキ】ふふふふふ。
【GM】その日の晩御飯が運ばれ、平らげたあと。スズキが呼び出されますね。
【スズキ】毒とかはなかったカ?
【GM】毒とかはなかったみたいだね。
【アルマ】お行儀よく食べる。
【GM】【見張りの衛士】夜分申し訳ありませんが、聴取をさせていただけますかな? 何、形式的なものです。
【スズキ】そちらも大変アルな。ここでカ? それとも何処か別室で?
【GM】【衛士】こちらへどうぞ。御案内します。
【スズキ】了解したヨ。内部構造を記憶しつつついていくアル。
【アルマ】そしてスズキ殿は何故かギザギザの石を膝で抱いたりするのじゃ。
【メルトン】ああなんて可哀想なスズキ!
【GM】焼けた石炭を入れた銅の柱を抱かせます。
【アルマ】既に拷問ですらないのう(苦笑)。
【スズキ】その程度、核娘他の虐待に比べればッ!!


 毒婦・蘇 妲己考案の処刑方法以上なのか、メルトンの折檻……






  梟雄


【GM】さて、スズキが案内されたのは、質素な個室。そこには黒い白狼衣を来た人物が二名。
【スズキ】案内して来た人は?
【GM】【衛士】こちらでしばらく御待ち下さいませ。
【スズキ】あぁ居たか。
【GM】案内して来た衛士はそう言い残して去りますね。そして待つことしばし、やがてその部屋に三人ほど入ってきます。
【スズキ】見覚えは?
【GM】内2人はやはり黒い白狼衣を来た人物で、もうひとりは、選帝公テム・リエ=ツァルンその人です。
【スズキ】アイヤー、また大人物が。
【GM】【選帝公テム・リエ=ツァルン】やあ、呼び出して済まないね。
【スズキ】とりあえずペコリとお辞儀を。
【GM】ちなみにCVは富山 敬様だ。
【スズキ】せつめいしようっ!
【アルマ】故。
【スズキ】置いといて。
【GM】【選帝公テム・リエ=ツァルン】早速だけど、2〜3聞きたいんだが良いかな。
【スズキ】いやいや、こちらも暇を持て余してた所アルよ。話し相手が出来てありがたいアル。
【GM】【選帝公テム・リエ=ツァルン】ああ、あらかじめ言っておこう。この部屋は『真実の間』と言ってね。
【スズキ】「まみのあいだ」カ。
【GM】【選帝公テム・リエ=ツァルン】『センス・ライ』と、それに連動した魔法がかかっている。嘘はつかない方が身の為だよ。さてと。
【アルマ】きっと囓られるのじゃ、どこかを。スズキ殿の場合は……多分後頭部かのう。
【スズキ】やれやれ、嘘嫌いアルな。まみちゃんは。
【GM】【選帝公テム・リエ=ツァルン】まず……君は、いや、君達は小フィシアのエージェントかい?
【スズキ】エージェント……いや、国とは関係無いアルよ。そっちの方から流れては来て居るアルが。
【GM】【選帝公テム・リエ=ツァルン】なるほど。では次に、これを見てもらえるかな。
【スズキ】どれどれ……
【GM】そう言って選帝公閣下が取り出したのは手配書。皆様のことが書かれていますね。ちなみに発行は勿論小フィシア帝都警備師団。
【スズキ】アイヤ〜、ここまで出回ってるか。シグルドも仕事が細かいアルなぁ。
【メルトン】無能のくせにこういうとこだけ有能。
【GM】【選帝公テム・リエ=ツァルン】これによると、君達は小フィシアでご法度である、玲帝山ヘの無断入山、及び遺跡発掘、及び遺跡埋蔵品の盗掘をした、とあるが真実かい?
【スズキ】真実アルよ。結局あの国で冒険者が生き残るにはそれくらいしないとやっていけないアル。
【GM】【選帝公テム・リエ=ツァルン】なるほど、道理だ。そして帝都警備師団に追われるままに、ここリエ=インまで逃げてきた、と……そういうことかな?
【スズキ】それは微妙に違うアルな。逃げるだけならもっと国交の無いような方に逃げるアルよ。


 スズキが孤軍奮闘しているその頃。


【アルマ】しかし一人では暇じゃな……TVでも見るかのう(ありません)。
【メルトン】格闘技の練習でもしてるか。はりゃー!(蹴)
【ウィルヘルム】あ、壁に穴が。
【スズキ】破片が後頭部にー?!
【ウィルヘルム】脱走するかと間違われるからやらんほうが良いぞ。
【アルマ】うむ、大人しくしておいた方が(笑)。
【メルトン】ウワー! 違うんだー!
【ココサラキ】なんかお隣が騒がしいです
【アルマ】さて、食後しばらく経過したので、また練舞に戻るとしようかのう。
【ウィルヘルム】唯一呼び出せる精霊ブラウニーと会話中。
【GM】【ブラウニー】アイヤー、飲むアル?
【ココサラキ】こちらもキチントさんに整理整頓術について熱く語る日々。


 こちらの面々はいつもの通りでした。


【スズキ】まぁ、追われて逃げて、と言うのに間違いは無いアル。
【GM】【選帝公テム・リエ=ツァルン】ふむ? すると、なにがしかの目的があるということか。その目的は、リエ=インに仇なすものか?
【スズキ】仇なす為に来たならわざわざ昼間の騒ぎを止めたりしないアルよ。むしろそれに乗じて騒ぎを大きくする、違うカ?
【GM】【選帝公テム・リエ=ツァルン】確かに。では最後にひとつだけ。
【スズキ】
【GM】【選帝公テム・リエ=ツァルン】リエ=インの……いや、私の私兵になる気は無いかな?
【スズキ】折角のお話しあるが、生憎とワタシらは根っからの冒険者アル。一つトコロにとどまるのは性に合わないアルよ。
【GM】【選帝公テム・リエ=ツァルン】そうか。だが、君の目的とやらを果たすのに、選帝公という立場は心強い後ろ盾にはならないかな?
【スズキ】済まないアルな。権力を笠に着るのは好かないアルよ。
【GM】【選帝公テム・リエ=ツァルン】権力はそう邪険にしたものじゃない。きちんと飼いならせば、便利な剣となり、盾となり、糧となるよ。
【スズキ】自分の道は自分で切り開いてこそ、アルな。格好付けて言うと。
【GM】【選帝公テム・リエ=ツァルン】いや……目的の為に生きているわけではないのかな。詮無きことを言った、忘れてくれ。
【スズキ】必要になったら画策してみるアルよ。
【ウィルヘルム】要約すると権力者はこっちから利用するものであって、使われるのは真っ平ゴメン、と。
【GM】【選帝公テム・リエ=ツァルン】ともあれ、今日はもう休みたまえ。一両日中には、皆の自由を約束しよう。
【スズキ】では、失礼するアル。部屋まではまた案内して貰えるカ?
【GM】【選帝公テム・リエ=ツァルン】ああ、君、案内を。
【GM】選帝公に言われた黒い白狼衣の内ひとりが、無言でスズキを案内してくれますね。
【スズキ】よろしくアル。
【アルマ】……ああ、汗をかいたのう。湯浴みでもするか。
【GM】【見張りの女官】湯殿の用意をいたしますか?
【アルマ】お願いする。
【メルトン】わーい風呂だー
【スズキ】…………・はっ、女人の裸体の気配が(ふらふら〜)。
【GM】さて、と、いうような尋問がその日の内に皆様にも行なわれまして……翌日の夕方、無事解放されることになります。
【ウィルヘルム】意外と早かったな。武器も戻ってきたか。
【GM】【黒い白狼衣の女性】これが貴公らの所持品だ。確認を。
【アルマ】確認。
【メルトン】確認を。
【スズキ】減ってたり増えてたり貧乏娘の財布が消えてたりはしないカ?
【ウィルヘルム】増えてても困るんだが。
【GM】召し上げられていたものは全て帰って来ていますね。
【GM】【黒い白狼衣の女性】それと、これから貴公らに褒賞が出る。参列を願いたい。
【スズキ】了解のココロ。
【メルトン】ワーイ。
【GM】【黒い白狼衣の女性】これは非公式なものなので、公はおいでになられないのだが。
【アルマ】
【ウィルヘルム】ならば形式にこだわることもないか。
【GM】【黒い白狼衣の女性】リエ=インとしては、先日の献上料理の儀の際に起きた不祥事はなかったことにする、ということだ。褒賞の意味も、察してもらいたい。
【アルマ】成る程、了解じゃ。つまり口止め込み。
【スズキ】不祥事? そんなのあったアルか。
【メルトン】変わり身はやっ。
【ウィルヘルム】世慣れてるな、何か。
【メルトン】大人は汚いね。
【アルマ】しゃべり場。
【スズキ】誰でもいずれはオトナになるアルよ。
【ココサラキ】国によっては13で大人ですー。
【ウィルヘルム】ま、表沙汰にならないってのは俺たちにとっても好都合。そういえば件の女性は今どうしている?
【GM】【黒い白狼衣の女性】永 星鈴は地下牢に監禁中だ。
【スズキ】流石に話は出来ないアルな。
【GM】【黒い白狼衣の女性】ともあれこちらへ。
【ウィルヘルム】まあ言われるままついていく。
【GM】そう言って案内された先は公宮の外の酒家。大きくは有りませんが、中々歴史の深そうな酒家ですね。
【アルマ】1泊3桁Gクラスの宿じゃな。
【ウィルヘルム】所持金が一気に飛ぶな。
【GM】酒家の中の一室に案内されまして、待つことしばし。
【スズキ】しばし待つ。
【アルマ】む……香りが独特な茶じゃ。
【GM】水色の白狼衣に身を包んだ男性ふたりを従えて、とても高そうな濃紺の華服を着込んだ白髪の男性がやってきます。
【ココサラキ】??
【スズキ】見覚えは……無かろうな。
【GM】【白髪の男性】待たせたようだな。申し訳ない。私はリエ=インの法務尚書、宋 蓮仁だ。よしなに。
【アルマ】(ぺこり)。
【スズキ】よしなに。
【ココサラキ】(ぺこり)
【GM】【宋 蓮仁】他国風に言えば、宰相といったところか。まあまずは料理だ。リエ=イン風の味付けは、お好きかな?
【ウィルヘルム】料理は味付けじゃなくて素材だからな、何でもいいぜ。
【メルトン】何でも喰うよー。
【スズキ】昨日のアグレッシブな料理の様で無ければ好みアルよ。
【GM】大丈夫、非常にまろやかで、味に深みのある上品な料理ですよ。
【ウィルヘルム】うむ、あれは少し香辛料の自己主張が強すぎたな。
【メルトン】アグレッシブってどういう意味かねー(知力10)。
【ウィルヘルム】やってやるぜ! の意。
【アルマ】何処の国にも独特の味わいがあってよろしいかと思います、閣下。
【GM】【宋 蓮仁】それは良かった。四海の味を堪能してくれたまえ。
【GM】四海ってのは、獅顎湾、青頚湖、赤瞳湖、そして外海、のことです(四方山)。
【GM】【宋 蓮仁】ともあれ、公の場で貴公らを遇せぬ非礼、まずは許して頂きたい。
【アルマ】いえ、国には国たる威厳が必要であると理解できます故。
【スズキ】いやいや、ワタシらもあまり表立ってと言うのは苦手アルよ。
【ウィルヘルム】うむ、公でないほうがこちらにとっても好都合というか。
【GM】【宋 蓮仁】公も心を痛めておいでなのだがな。今は不要な心配を民草に与えて良い時期では無いのだ。
【アルマ】(ぱくぱく)。
【メルトン】むしゃむしゃばりばり。
【ウィルヘルム】育ちというかなんというか。
【スズキ】あと核娘。蟹は甲羅ごと食べるものと違うヨ。
【メルトン】甲羅が歯茎に刺さったよー痛いよー。
【GM】【宋 蓮仁】さて、まずは褒賞だが……
【GM】そう言って、背後のお付きに指示すると、緋色の紗の袋をテーブルの上にどさりと。
【ココサラキ】ひゃー。
【スズキ】緋(桜)色の袋カ。
【GM】【宋 蓮仁】玲帝山より取れる砂金だ。ガメル換算で、15000ガメル分ある。収めて頂きたい。
【アルマ】15000、と(かきかき)。
【ウィルヘルム】メルトンが卒倒するか……
【ココサラキ】ぶくぶくぶく。
【メルトン】きゅうばたん。
【スズキ】有りがたく頂くヨ。
【ウィルヘルム】とりあえず銀行に預けておくか
【GM】【宋 蓮仁】金は国際貨幣としてまだ強いからな。ガメルが通じない土地でも、金は通じる。
【スズキ】……つまり今後そう言った土地に行く予定が……


 ガメル銀貨は信用度抜群の貨幣で、アレクラスト大陸ではほとんど全ての国で共通の貨幣価値で通用するという強みも持っています。
 実際には国ごとに銀の取引価値や財政の様子などで為替相場が出てくるものなのでしょうが、そこはゲーム上の利便差を優先してこういう形になっています(笑)。
 なお、『エルラインの絵本』の舞台はアレクラスト大陸ではありませんが、ガメル貨幣が流通しています。その価値はアレクラスト大陸と同一と考えて下さい。
 オリジナルで貨幣価値を考えても良いのですが、実際のプレイ上ではめんどくさいだけですからね。


【GM】【宋 蓮仁】それと……こちらも。
【GM】と、差し出したのは二通の封書。
【アルマ】む?
【スズキ】
【ココサラキ】
【ウィルヘルム】紹介状か何かか?
【スズキ】核娘、読んでみるヨロシ。
【メルトン】読めないっつーの!!(知力10)
【ウィルヘルム】鬼か、スズキ。
【スズキ】ふふふふふ。
【GM】【宋 蓮仁】こちらはザールワール行きの船の通行許可証。こちらはヴィーネの選帝公への紹介状。どちらか1通を、選びたまえ。
【アルマ】さて、どちらかのう。ザールワールとは一応コネが出来たが。
【スズキ】ヴィーネに一票アル。
【ウィルヘルム】うむ、コネは増やすべき、と思うのだが、どうやってザールワール行くんだ? 俺の記憶では船に乗らんととてもではないが行ける場所ではないと思ってたんだが。
【スズキ】ヴィーネでどうにかするか、もしくは歩いて行っても別に問題はないヨ。遠回りアルが、街道は通ってるハズよ。一応ヴィーネからでも船は出てるアルし。
【GM】船旅は高いよ。おひとり様片道1000ガメルと思いねえ。
【メルトン】きゅうばたん。
【アルマ】どちらも陸路で行ける距離なのかのう?
【GM】んー……陸路でザールワールにいくのは、かなり大変。地図を開いて見ましょうー。
【ウィルヘルム】地図を確認した。かなり遠回りではあるが一応陸路はあるな。
【GM】ヴィーネ→ザールワールの間がかなり遠回りで、この街道が危険なのよ。近くに大きな都市もない=盗賊団やモンスターが跋扈しているの。
【メルトン】ヒー。野宿も大変そうだ。
【スズキ】いざとなれば今の15000でヴィーネから船に乗ると言う手もアルある。移動手段よりコネを増やす方に力を入れたいアルよ。
【メルトン】私は船派で……
【ウィルヘルム】ヴィーネに何か用事あったっけ?(当初の目的を忘れかけている)
【スズキ】某カレラ様♪も、ヴィーネにも何か情報が有りそうだと言っていたアルし。
【アルマ】うむ、今のままでヴィーネに行くと、何のつても無いからのう。
【GM】【宋 蓮仁】そして、この封書を受け取ってより丸二日経過した後、帝都警備師団のルーゼンバウム某がリエ=イン内を捜索し始める。
【アルマ】ふむ。
【GM】【宋 蓮仁】リエ=インは皇族でもある公の御膝下。その威光は帝都警備師団ごときが侵せるものではないが、無下に協力を断りつづけるのも痛くない腹を探られる結果を招きかねないのでな。
【スズキ】所で、2日後から、と言う事は捜索したいと言う届けでも来てるカ?
【GM】【宋 蓮仁】あのルーゼンバウムとやらいう若者は、少なくとも熱意はあるようだ。
【アルマ】熱意とバケツはあるようじゃ。
【スズキ】まったく。それが厄介アルからなぁ。
【ウィルヘルム】ついでに船でザールワールに高飛びしちまえば有能バケツもそうそう追っては来られないんじゃねえか、という気もしないでもない。
【スズキ】ここでシグルドが捜索している間にヴィーネで用事を済ませてザールワールへ、と言うのが理想アルが。
【GM】【宋 蓮仁】そうだ、言伝が。
【アルマ】
【ココサラキ】
【GM】【宋 蓮仁】冒険者である皆には、或いはこれらの方が良いかもしれぬ、とな。
【GM】そういって宋氏が取り出したのは鍵。
【アルマ】鍵?
【ココサラキ】カギ……ですか?
【スズキ】ワタシのハートを開く鍵アルか?


 なゼそんな鍵を法務尚書が持っている(笑)。


【GM】【宋 蓮仁】リエ=イン公宮の宝物庫の鍵だ。この中に収められている内、一品だけ贈呈してもよい、と。
【アルマ】……ほう。
【メルトン】ひえええ。太っ腹だ……
【GM】【宋 蓮仁】ただし、この鍵は封書と引き換えだがな。
【スズキ】……どういったものが納められているかは……流石にここでは明かしてもらえないアルな。
【GM】【宋 蓮仁】それを己が目で見極めるのも、己で道を開く力ではないかね?
【アルマ】さて、困ったのう。
【ウィルヘルム】有能なセージがいないから見極めが難しいな、今のメンバーだと
【スズキ】品は金で買える事もあるが、コネはそうも行かないアルよ。よってワタシはヴィーネへの紹介状に一票入れるアル。
【アルマ】ちなみにわしとしては、ヴィーネのコネじゃ。
【スズキ】……今回は多数決多いアルな。レオリオがソロソロ切れかねないヨ。
【ココサラキ】ハンター×2は解らないです。


 あの漫画、面白いは面白いのですが……いえ、ノーコメントで。


【GM】【宋 蓮仁】褒賞として提示出来るものは以上だ。本来なれば、官位を供しても良いぐらいの功のある貴公らにはいささか足りぬという気がしないでもないがな。
【スズキ】ちょっと相談タイムが欲しいアルよ。
【GM】では相談をどうぞ。
【アルマ】さて、活発な意見の交換じゃ。
【ウィルヘルム】俺はとっととザールワールに行っちまいたい気もするが、まあ皆の意見に従おう。
【スズキ】船一票、コネ二票。後の二人はどうアルか?
【アルマ】どうかのう?
【ココサラキ】コネ3ー。
【メルトン】私は船派だったけど……
【ウィルヘルム】一応多数決だからヴィーネだな。ま、船代くらいはなんとかなるだろう。すぐに出航できるかどうかが不安だが……
【スズキ】いざとなったらルボラーゾの方に行けば問題無いё(いや、あるだろう)。
【ウィルヘルム】どうにもここまで追ってきて、リエ=インのお膝元まで捜索するぜー、というシグルドの執念は怖いもんがあるんだよ、俺としては。
【メルトン】いい男に追っかけられるっていうのは悪い気はしないけど、しつこい男は嫌われるからね。

【GM】あ、ちなみにね。リエ=イン→ザールワールも、ヴィーネ→ザールワールも、渡航にはそれなりの許可証がいりますよ。一応、国外へ渡る便だし、重要な交易路だから。
【ウィルヘルム】そりゃ、ヴィーネの紹介状頼りだな。要するにコネ作る→許可証もらうコンボで
【スズキ】あぁ、この場合は単に許可証で、船代は別だったか?
【GM】ああ、言い方がまずかったな。本来は許可証+金、が必要で、ここで貰える渡航許可証は、船代込みです。
【スズキ】了解のココロ。
【アルマ】ふむ。
【ココサラキ】うーんうーん。
【スズキ】コネ出来なくとも歩けなくも無いアルしな。危険は伴う様あるが、それを切り開いてこその冒険者アル。
【ウィルヘルム】まあどちらにしても俺の意見は変らん。皆の意見に従うことまで含めてな。
【スズキ】しかし、宝物庫への意見は一票も無かったカ。貧乏娘とか居れば飛びつきそうだったが。
【ウィルヘルム】これ以上マジックアイテム増やしても、という考えが一瞬な。
【アルマ】この場合はコネの方が得難いじゃろうしな。
【ウィルヘルム】鑑定できる奴もおらんし。
【メルトン】ちょろまかしたしね(サークレット)。
【GM】【宋 蓮仁】(もぐもぐ←歳に似合わぬ健啖家)
【スズキ】核娘に魔法の斧を持たせたいが、それは今後のGMに期待ということで。
【メルトン】よしスズキいいこといった!
【スズキ】……その場合、ワタシへのツッコミは斧で来る事になるアルか……
【アルマ】ゲッターメルトン殿に期待じゃ。変形とかを。
【メルトン】キエー!!! ビームとか出さないもん!
【GM】メルトォォォォン、トマホゥゥゥゥク!
【メルトン】いやあああああああ。
【メルトン】あ、でもドリルはいいかもしれない。


 いいのか……そうか……(書き書き←メモ)


【ウィルヘルム】大雪山おろしでスズキを投げ飛ばすんじゃ……?
【アルマ】【メルトン】玲帝山おろしいいいいいいいいいいいいいいいいいいい!!!
【スズキ】ま、マンティコアが、キメラが、どらごんがぁぁぁぁぁぁ!!!
【アルマ】素敵じゃ。
【メルトン】なるほど!前回スズキを投げようとしたのはこの為の複線だったのか!(違います)
【GM】ごめんちょっと入った。
【メルトン】金剛力との融合ね!
【スズキ】アイヤー、ワタシ武器違うё?!
【メルトン】じゃあ的。
【スズキ】もっと違うё!! あぁ、どこぞの天然娘の矢がこっちにぃぃぃ!!
【ウィルヘルム】そのうち2段返しにパワーアップ。


 狂乱の宴はまだまだ続くかに見えましたが、ここでスズキが軌道修正。
 あるいはさすがに生命の危機を感じたのかもしれません。


【スズキ】で、今出た情報を加味して意見を変えるのは居るカ?
【アルマ】ではコネで良いのかな?
【メルトン】アイヨー
【ウィルヘルム】うむ、ではヴィーネだな、当面の目標は
【GM】【宋 蓮仁】決まったかね?
【メルトン】投げ技が決まりました。
【ココサラキ】いやそんなの決まってもー!?煤i ̄□ ̄;)
【スズキ】き、極まった……ヨ(ガクリ)
【メルトン】スズキよ、安らかに眠れ…
【ココサラキ】あっ。スヅキさんから生命の精霊が逃げて行く……
【スズキ】ヅ違ッ!!
【メルトン】大丈夫。ココちゃんがちょっと服を一枚くらい脱げば精霊は元の体に戻るわ。スズキはそういうやつよ(ひでえ)。
【アルマ】ヴィーネの紹介状を戴きます。それから後ろは気にしないでくりゃれ。
【GM】【宋 蓮仁】見事な技だ。
【メルトン】ええー!? 褒められた!?
【ココサラキ】しかも褒めちゃうのですかッ!?煤i ̄□ ̄;)
【アルマ】懐が深い、のう(?)。
【GM】【宋 蓮仁】リエ=インは尚武の地だよ。


 武官の地位は文官に比べて高くないんですけどね。


【GM】【宋 蓮仁】さて、それでは確かに渡そう。期日までにこの天絹の都を出ることをおすすめする。
【ウィルヘルム】まあ物と金の管理はアルマに任せるから、彼女に渡しておいてくれ(結局面倒を押し付ける)。
【GM】【宋 蓮仁】(立ちあがって)ここの支払いは心配せず、心行くまで楽しんでいきたまえ。
【アルマ】(ぺこり)。
【GM】【宋 蓮仁】ああ、それと……
【アルマ】む?
【ウィルヘルム】まだ何か?
【GM】【宋 蓮仁】賢者の学院の李導師が、諸君らに会いたいと言っていたな。出立の前に、余裕があったら顔を出してみてはどうかね。
【アルマ】……ソーサラー、おらぬのじゃが……(笑)
【メルトン】こ、困ったねえ……
【スズキ】きっと受付けに話ぐらい通ってるアルよ。
【ウィルヘルム】ま、李導師なら一般書庫でも会えるさ。
【GM】【宋 蓮仁】では、また会うこともあろう(右拳を左掌で包んで一礼)。
【スズキ】ああ、それと……「真実の間」で嘘をつくと結局どうなったアルか?
【アルマ】後頭部が。
【GM】【宋 蓮仁】聞かぬが華、だな。
【ウィルヘルム】鼻が伸びる。
【メルトン】頭がザクロのように。


 まあ、そこまで酷い事はありませんけども(笑)。
 実は『ギアス』並の苦痛が全身を襲うのでした。


【GM】ということで、あとには皆様と贅を極めた料理が残されます。
【アルマ】満漢全席、というやつじゃな。
【メルトン】ンマーイ! うっうっ。保存食とか麦飯とか喰ってたのが報われたよ。(感涙)
【ウィルヘルム】保存食はあれでうまいもんだがなあ。
【ココサラキ】長生きはするもんだなーおらこんなうめえもんたべたことねえべやー(モサモサ)。
【メルトン】い、いやあ!? ココちゃんが!
【アルマ】残りはタッパーに詰めてもらえますかな。
【GM】【店員】は、はあ。
【ウィルヘルム】たっぱー?
【GM】一応折り詰めにはしてくれますけど(笑)。
【アルマ】今夜はこれで食費が浮く。
【スズキ】折りに詰めてもらう、と言う方が通りがよいアルな。
【ウィルヘルム】せめて包んでもらえぬか、とか言ってくれよ。
【メルトン】アルマさん…おばさんくさいよ……
【アルマ】……船賃の事を考えて節約に走っただけじゃのに……


 いや、立派に所帯じみているかと……


【スズキ】珍しいあるな、舞踏姐御がまとめて突っ込まれるとは。


 いや全く。






  さらば天絹都市


【GM】さて、その日は間も無く夜になりますが、いかがします? そろそろ移動しないと、房の行き来が禁止になりますが(笑)。
【ウィルヘルム】おっと宿に戻って出立の準備をしなければな
【スズキ】流石にこの宿に泊まれはしないアルな。昨日まで泊まってた宿に戻るアルよ。
【アルマ】では帰還じゃ。
【GM】さて、その夜は福禄酒家で良いかな?
【ウィルヘルム】うむ。
【GM】ではその夜、福禄酒家について一息ついた頃。
【スズキ】ぷはー。
【GM】【黒い猫】にゃー。
【ココサラキ】あ、にゃんこにゃんこおいでおいで。
【GM】【白い猫】それ好きですね、ご主人様。
【スズキ】おや、ルナとアルテミス。
【GM】と、どっかで見た白と黒の猫が。
【スズキ】猫の状態のままマタタビかけるアル!
【ウィルヘルム】シロとクロ。行け!ハイファミリア!
【GM】まあ黒猫がドロンと化けて李 白侠になるワケですけどもね。
【ウィルヘルム】なんだ、明日会いに行こうかと思っていたが
【アルマ】腕は如何かな。
【ココサラキ】いいなあーどろん。
【GM】【李 白侠】や、遅かったね。
【ウィルヘルム】いや、食事に飢えてる人間が多くてなあ。
【スズキ】?……腕が逝ってても変身できるって……魔法違ったカ?
【アルマ】うむ、呪文……
【GM】片腕は吊ってますね……ってどうやって化けたんだこいつ(わー)。
【スズキ】あぁ、GMのミスか。
【アルマ】ミスじゃ。
【GM】じゃあ、あれだ。普通に来ました(笑)。
【GM】【李 白侠】おのれ。まあリプレイで改竄するから。
【アルマ】大人ってずるいな……
【スズキ】えー。
【メルトン】わぁー。
【GM】たぶんしねえな、と思いつつ、さて。


 うん、やっぱりしませんでした(笑)。


【GM】【李 白侠】ともあれ、君達には助けられた。礼を言わせてくれ。おかげで、星鈴の命はなんとか繋がったよ。ありがとう。
【ウィルヘルム】なんの、働いた分の報酬はキッチリ貰ってるからな
【アルマ】もちつもたれつ、じゃ、問題無い。
【GM】【李 白侠】ああ、選帝公閣下から褒賞は出たんだ? 良かった、気になってたんだよ。
【ウィルヘルム】どうにも、あのサークレットに見覚えが無い、ということは本とは別に見つけたってことか?
【アルマ】うむ、今はあのサークレットの事が気にかかるのう。
【GM】【李 白侠】ああ、いや……あのサークレットは、恐らく星鈴が見付けたんじゃないと思う。
【アルマ】む?
【ココサラキ】
【GM】【李 白侠】勿論、僕が見付けたものでもない。
【メルトン】これかー(ひょい)。
【スズキ】あの御方とやらが渡した、と言う事アルかな。
【ウィルヘルム】誰かが彼女に渡した? ち、被った。
【スズキ】真面目な話をすると結構被るアルな。
【GM】【李 白侠】多分ね。星鈴は後宮入りしていたから、探しにほっつき歩くことは出来ないだろうし。
【ウィルヘルム】逆に言えば後宮にいる彼女に渡すことが出来た人物、という考え方もできるわけか。
【スズキ】正式に入り込まなくとも色々忍び込む手段は有りそうアルよ。混沌能力のバリエーションはまだまだ広そうアルし。
【アルマ】目的がわからぬがのう……世の混乱を求めておるのかもしれぬが。
【GM】【李 白侠】公宮、および太極宮は、かなりの魔法的防護が施されているんだがな……
【アルマ】ふむ……例えば李導師であれば、侵入は可能であるのかな?
【GM】【李 白侠】僕なら? んー、そうだな……いくつか、手段は思いつく。けれど、どれも命がけだね。黒いのにに見つかったら、命はない。
【アルマ】ふむ……そういえば永女史も李導師のお仲間であったからには相当の使い手であったのじゃろうし……イヤな気配じゃな。
【GM】【李 白侠】ま、それは今は良いか。とりあえず、約束の品。
【GM】そう言って、李導師は緑色の絵本をポンと。
【アルマ】確かに。
【ウィルヘルム】ま、借りとくぜ
【スズキ】厚かましいのは承知でもう二つ、頂けないアルか?
【GM】【李 白侠】ふたつ? 何を?
【スズキ】一つは服ごと変身する手段、もう一つは使い魔(?)を喋らせる手段ヨ。
【ココサラキ】導師ってなんか楽しそうー。
【GM】【李 白侠】ああ、服ごとの変身は、高度な幻術でね。遺失魔法だよ。Lv8の。
【アルマ】さらばじゃ。
【メルトン】うわぁ……
【スズキ】先は長いアルなぁ。
【GM】【李 白侠】使い魔が喋るのは、これも遺失魔法。上位使い魔、っていうんだ。Lv7だね。
【アルマ】なんとか。
【ウィルヘルム】ソーサラーいないぞ。
【スズキ】書いてもらえば後で見せられるアルし……
【ウィルヘルム】ルフナの奴、まだ4に届かないらしいし、使い魔すらまだ儀式する暇が無くて呼んでなかったんじゃなかったか?
【スズキ】まだアルなぁ。また急いで街でないとならないし、まだシバラク先になりそうヨ。
【ウィルヘルム】困ったもんだな。追われる身ってのは。精霊ならそこらでコントロールできんのになあ
【GM】【李 白侠】教えるのは構わないけど、金取るよ?(笑)
【アルマ】さらばじゃ。
【GM】【李 白侠】あ、そうだ。じゃあこれあげようか(首飾りを外す)。ライトとダークネスを無制限に使えるペンダント。意外に便利だよ、夜中に本読むときとか。
【ウィルヘルム】そりゃ便利だ。ルフナあたりが喜びそうだが。
【GM】【李 白侠】手持ち、これぐらいしかないんだ。あとは魔晶石ぐらいしか……
【ウィルヘルム】まあ本貰ってるからそうそうよこせとは言えん。
【スズキ】いや、ワタシは絵本を貸し出して貰えるだけで満足ヨ? そこまでしてくれなくっても。
【ウィルヘルム】魔法よこせって言ったのお前だぞ?
【スズキ】魔法なら、減りはしないと思ったから頼んだワケあるし。


 まあ、とはいっても魔法、特に遺失魔法というのは、魔術師にとって財産ですからね。
 ことに『自分だけが知っている魔法』というものは計り知れない価値があるワケです。
 手品はタネを明かしてしまっては効果がゼロになるでしょう? 魔法も同じこと。自分になにが出来てなにが出来ないか、それを明かすのは、全ての魔術師は等しく嫌うものなのです。


【GM】【李 白侠】大見得切った割に、結局星鈴を捕らえたのは君達のおかげだからね。これぐらいはさせてくれよ。
【アルマ】であればありがたく頂戴する。
【GM】【李 白侠】それで、君達はこの後どこにいくんだ?
【ウィルヘルム】とりあえずはヴィーネか。
【GM】【李 白侠】ヴィーネ? あそこはワインが美味い。僕は老酒より好きだな。
【メルトン】私は酒より料理かなー。
【GM】【李 白侠】料理なら、リエ=インにかなうものはないよ(←こいつもリエ=イン人)。
【メルトン】くっ……
【ウィルヘルム】料理だけで祭りができるくらいだしなあ。
【GM】【李 白侠】ともあれ、何か目的があるのかい? やはり、ルフ?
【スズキ】アルな。不確定ながらそっちにも情報がありそうだと言う情報を昔入手してたアルよ。
【ウィルヘルム】何かあったっけ?(ド忘れ)
【スズキ】詳細は全く不明ヨ。
【アルマ】絵本があるのじゃったかな。バザー話はどうも。
【ウィルヘルム】出たトコ勝負か。まあコネがあるだけマシと思おう。
【GM】【李 白侠】どこで得た情報かわからないけど、まあ恐らくリエ=フィシアでエルライン・ルフゆかりの話が無い国は無いだろうからね。
【スズキ】『【カレラ】エルライン・ルフか……そうだな、調べるのであれば、リエ=インと、ザールワール、それにヴィーネを訪れるのが良かろう。ザールワールに訪れるのならひとつだけ教えて置こう。私がエルライン・ルフの品を見た好事家 ――― 貴族の名はルテックソンという。伯爵だな。』と言う情報が。
【GM】よかった、覚えててくれたか(笑)。
【ウィルヘルム】バザーの情報は生で見てないのであまり記憶に残ってないんだな、これが。
【スズキ】ただ、リエ=インとザールワールには本があると言う情報があったアルが、ヴィーネに関しては本気で詳細不明アル。
【GM】【李 白侠】バザーか……そういえば。
【ウィルヘルム】長老の誰かにあったりしたことがあるのか?
【GM】【李 白侠】いや、これはまだただの噂の段階なんだけど……そのつもりで聞いてくれ。
【ココサラキ】はい。
【GM】【李 白侠】バザーの長老が、周辺国家の暗部にも勢力を持っている、っていう噂は知っているかい?
【スズキ】いや、初耳あるが、それ位あっても不思議は無さそうアルな。
【メルトン】ヒエー。
【GM】【李 白侠】勿論、ここリエ=インにもその手の噂は夏の終わりの蚊みたいに飛びまくってる。
【ウィルヘルム】ま、考えられない話じゃないからな。
【アルマ】うむ。
【GM】【李 白侠】ま、その真偽はさておき。どうもね、最近……バザーの動き、その暗部の動きが活発になって来ているらしいんだ。
【ウィルヘルム】下手すると何処かの国が転覆するくらいに、か?
【GM】【李 白侠】有り得ない話じゃない。つい先日も、南のシヴィヌスの選帝公と、バザーの六長老のひとりが接触していた、という情報もある。リエ=フィシアは一枚岩じゃないからね。七都市の、微妙なバランスで浮かんでいる船だから。
【スズキ】流石に誰が、と言う所まではワカラナイあるカ?
【GM】【李 白侠】ちょっとそこまでは。僕も、聞いた話だからね。
【アルマ】バザー長老筋の暗躍は、前に少し疑ったこともあるが、そこまで深刻には思わなかったのう。
【GM】【李 白侠】元々リエ=インはそういう後ろ暗い噂に事欠かない。それは知ってるだろ? やたらと国力を溜めこんでいる、って。だからバザーの長老達も接触しているんじゃ無いか、と、周辺の国は思うんじゃないかな。
【スズキ】シグルドに密告したのも長老3人とコリント位しか該当者が思いつかないアルしなぁ。
【GM】【李 白侠】いずれにしろ、噂が真実なら……どう転んでも、バザーは長くは無さそうだな。噂だけどね、あくまでも。
【メルトン】ありゃりゃ。
【アルマ】バザーが長くない、というか今の形態でのバザーが長くない、というか?
【GM】【李 白侠】どちらに転ぶ可能性もあるってことさ。消えるかもしれないし……(声を潜めて)小フィシアのトップとそのまま入れ替わるかもしれない。
【ウィルヘルム】要するに今のバザーでは無くなる、ということか。
【GM】【李 白侠】せっかく安定している状態を、引っ掻きまわそうっていう輩はどこにでもいるってことさ。それが、国家の権力を使うことか、この世ならざる力を使うことか、を問わずね。
【ウィルヘルム】永 星鈴の言ってた「あの御方」というのももしかすれば繋がっているかも知れんな。どちらにしろ情報不足だが。
【アルマ】いずれにせよ雲の上の話は介入しようも無いしのう、あまり深く悩む必要はあるまい。降りかかる火の粉に一層気を付けて行く、くらいしか対応しようが無いのがわしらの現状じゃ。
【ウィルヘルム】ただ密告がバザー経由であると思われる以上、俺らが邪魔だと思っているか危険だと思っているか知らんが、そういうのがトップに立たれるとまた困る可能性は無きにしもあらず、ってトコか。ま、現状とてそんなに変わりゃせんが。
【GM】【李 白侠】っと、話が長くなっちゃったな。それじゃ、旅の幸運を祈っているよ。
【スズキ】ま、色々狙われるようなら海越えてラオシェンにでも逃げるアルよ。
【GM】【李 白侠】ああ、ヴィーネに行くのなら、ワインを買って来て欲しいな。最近、こっちでは手に入らなくてね。
【スズキ】戻ってこられるかわからないアルよ。
【GM】【李 白侠】会えるさ。また近い内に。
【GM】さて、というところで李導師は去り、翌朝になります。
【アルマ】さて、明日にはシグルド殿がこられるらしいし、今日の内に出発じゃ。
【スズキ】じゃあ、食料でも買い込んでとっとと出発するアルよ。
【ウィルヘルム】さて、今日中に出立しないと困るからな。食料は買い込ませろ。
【GM】食料などを買う場合、適宜御金は減らしてね。
【アルマ】ちなみに朝食は昨夜の残りじゃ。心して食うように。
【メルトン】さすがアルマさん!
【ウィルヘルム】船代がかかる、と聞いた瞬間からすごい勢いで節財を始めたな、アルマ……
【GM】さて、それではリエ=インを出て……どちらへ向かいますカニ?
【スズキ】玲帝z……ヴィーネに街道使って行くアルよ。
【ウィルヘルム】街道沿いでいいだろ、少なくとも一日目は。ともあれヴィーネまで何日の行程だっけ?
【GM】5日かな。結構かかるよ。
【ウィルヘルム】んじゃ、10日分ほど食糧を買い込む
【メルトン】じゃあ私も。
【アルマ】食糧を買って出発じゃ。


 というところで、長きに渡った『天絹都市』編は終了。
 新たな手がかりを得て、それ以上に新たな謎を得たパーティ。
 山岳の都市、ヴィーネで彼らを待ちうけるものは?
 続きは次回の講釈で。






  おまけ −風喰いはとても喰う−


【アルマ】あ、MP減少(ころころ=10)……ってクリット10じゃったよな?
【GM】おお!
【アルマ】(ころころ=11、ころころ=9)
【スズキ】盛大アルな。
【ウィルヘルム】盛大に減ったな
【アルマ】気絶しそう。
【GM】2回まわった? 2回まわった!?
【アルマ】MP10減ったな。残り1じゃ(ふらふら)。
【GM】アルマさん、えーと。風喰い、段階いくつだっけ?
【アルマ】1。
【GM】1? じゃあそれを2にして下さい。
【ウィルヘルム】おお、風喰いパワーアップか……
【アルマ】お主吸いすぎじゃ……(ふらふら)。
【GM】【風喰い】ゲフ。失礼。


 実は、風喰いのパワーアップは少しづつ進んでいたりします。
 どういう具合にパワーアップしていくかは……それも今後のお楽しみで。



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