闘いの無い時は 6



如月骨董品店にて


第二回お買い物途中特別集中講座


タイトル<好きな人にヨロコンデもらう方法>


講師 藤咲 亜里沙
生徒 マリィ・クレア


「そうねぇ、相手が一人暮らしなら…彼の部屋で手料理をご馳走するというのもいいかもね。家庭的な雰囲気に飢えているかもしれないから」
「ソウナノ?じゃあ今度葵オネーチャンに教わったゴハンつくってアゲヨッ!!」
「まあ<一人の時間を邪魔されたくない>って人もいるから一概に言えないけど……マリィが作るんなら大丈夫かな。あ、そうそうエプロンは忘れちゃ駄目。これに弱いって男も案外多いのよ」
「フゥン、カテイカでつくったのでイイノ?」
「それでもいいけどフリルのついたやつならより効果的ね。そうだッ、確実に男がよろこぶエプロンをつかった裏技を教えてあげよっか?」
「エッ!!ホントに?ヨロコンデくれる?」
「うふふ、モチロンよ。ついでに胸だけでよろこばせる方法も……」


「こらっ!」


ペチッッ

「い、いったいわねぇ!結構本気ではたいたでしょっ、今」
「これ以上この店でいかがわしい事を教えないでくれ」

店主としてこれ以上無視している訳にもいかなかった。
とりあえずツッコミに使った帳簿を戻し、如月は溜め息をつく。
素直なマリイの事だから『誰に聞いた』と他の人に言われたら『亜里沙オネーチャン』と答えるだろう。それだけなら構わないが『どこで聞いた』と聞かれた時……こんな事で仲間達に白眼視されてはたまらない。

「大体マリィに教えるような事じゃないだろ、まったく」
「いいじゃない、知りたがっているんだし話をするくらい。将来的に役立つかもしれないでしょ」

妖艶な笑みで切り返す藤咲。特に悪いとは思っていないらしい。

「知りたがっているのは喜ぶ方法であって字の違う悦ぶではないだろう?」
「……エプロンや胸の話でピンとくるなんてやっぱり男の子だね、アンタも」
「笑っていられるのかい?龍麻が怒るよ」

第一回講座の時は、終了後教わった事をそのまま実践されそうになった龍麻にしばらく口を聞いてもらえなかった。散々謝ってようやく許してもらえたのだが、どうやら懲りてはいないようで

「ま、大丈夫でしょ。今回のは教わって出来るようなものでも無いし……あ、でもエプロンの方は誰でも出来るか、流石に教えるのはヤバいかな……」
「という事はまだ教える気なのかい?」

呆れ顔の如月。その耳に向こうでの話し声が聞こえる。

「ネェネェ、小蒔オネーチャンッ!亜里沙オネーチャンがイイコト教えてくれるッテ!!」
「えッ、ホント?何だろ一体」

……どうやら好きな人にヨロコンデもらう方法を知りたがっている人を募っているようだ。

「……それで、どうする気だ?」
「彼女か……ギリギリOKね、教えがいがありそうだわ」
「こらこらこらッ」

どうやら生徒数が増えそうだ。しかもあの彼のクラスメイト。
……自分の店の評判が落ちるであろう事を予測し、一人暗くなってしまう如月と俄然やる気になってしまった藤咲。


翌日真っ赤な顔の龍麻が乗り込んでくるのだが、その理由は当人達のみぞ知る事であった。





********************





オカルト研究会部室にて


ちょっとした用事の為霊研を訪れた龍麻だったが、

「う〜ふ〜ふ〜ふ〜ふ〜ふ〜〜〜………」

部屋に入った瞬間に後悔した。

「何かあったのか?裏密」

いつもどうり妖しげな<氣>なのだが、今日は特に黒い物を感じる。
見た目も違う。黒のローブを目深に被り、片手には魔道書、もう片方の手にペアの黒ローブを羽織った人形を抱え、指には伏姫の指輪がはまっている。どう見てもただ事ではない装備である。

「……御門くんからね〜〜手紙が届いたの〜〜」

声もいつもより低い。怒りを押さえているからか?多分あのメガネの下で、瞳は燃え上がっているのだろう。
成る程、敵対勢力からの手紙か。挑戦状か何かだったのかな?

「……式に届させたんだよ〜〜ミサちゃんの結界を〜〜破りもせずに〜〜かいくぐって〜〜……ミサちゃんすぐ傍にくるまで〜〜気づかなくて〜〜」

それって屈辱なんだろうな、やっぱり。
それにしてもなんで手紙何だろ、電話でもファックスでも互いにパソコン持っているんだしメールだっていいじゃないか。しかもわざわざ式を使って……。

「……その時〜〜着替え中だったの〜〜〜〜ミサちゃん、恥ずかし〜〜〜〜!!」

…………あ、駄目だ。自分の想像力の限界を超えている……それとも想像したくないのか?
式について詳しくはないけど、単に役目を果たすだけでなく術師の眼となり耳となる事もあるって聞いた事があるような……ということは。

「理由はわかった」
「……う〜〜ふ〜〜ふ〜〜〜〜」
「わかったから、さ。とりあえずその二人放してくれないかな?」
「この贄により〜〜更なる下僕を〜〜」
「一緒にラーメン食べてかえる約束しているんだよ」

そう言いつつ床を見やる。
かなり大きめの魔法陣と妖しい術具、そして……

簀巻きにされて床に転がっている京一と醍醐。二人ともぐったりとしていた。
騒がないように猿轡をされているが、醍醐は恐怖で既に失神しているので必要がないだろう。

「……二人の陽のプラ−ナがこの魔法陣に流れ込んでくる〜〜……」

なにを呼ぼうとしていたのかわからないが、御門もとんでもない人物の怒りを買ったもんだ。とりあえず言っておくべき事は……

「やり過ぎないようにな、あとなるべく周りに迷惑かけないで……」

言っても無駄そうだが言わずにはいられなかったのである。



その頃 浜離宮では



「……で?十二神将総出でなにしてんだ、アイツは」

村雨のもっともな疑問に、相変わらず表情を変えずに応じる芙蓉。

「御出迎えの準備です」

先日送った文に応じて客が来る。簡単にいえばそうなるのだが……

「そうか、じゃあ頑張れよ」
「どこへゆくのです、村雨」
「緊急避難だ。どうも俺の勘が洒落にならない危険を告げているんでな」

客の名が真神の黒魔術を使う姉さんである事と、御門が神将に命じた言葉の中に『お詫びも兼ねて』とか『思わぬ眼福でしたが』という不穏当な台詞が混ざっている事、その二点からとんでもなく嫌な予感を覚えるのは別に特別な事ではない。

「いいですか、あくまで丁重にお迎えするのですよ」

生き生きと指示を出している御門を見ながら、マサキを連れてどこに隠れていようかと考える村雨であった。



そして数刻後、彼の嫌な予感は的中する事となる。




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花園神社、ヒーローショウ会場にて


「本当にうめえな、コレ」
「がっつくんじゃない、みっともない。…しかし確かにいい味だな、イエロー。本当に自分で作ったのか?」
「うんうん、お店のにも引けをとらないわよッ!!この地鶏まん」
「オイシイヨッ、リュウ!」
「へへッ、なかなかのモンやろ」

結構自慢げな劉。ショウの下準備の合間のお昼休み、彼の配ったお弁当代わりの手作り地鶏まんは大好評であった。中国では三人の姉の為に作り、日本では道心のじっちゃんの為に、そして高い物価のなか倹約する為に作り続けてきた料理の腕が、今喜ばれている。コスモレンジャーも、大道具の人も、遊びに来ていたマリィもみんな誉めてくれて、その事は嬉しい。がしかし……

「どないしたん?それだけ味、おかしかったんかな。それとも気に入らん味付けやった…」
「い、いえッ!!そのような事は……」

唯一眉をひそめていた人は、一番喜んで欲しかった人であった。
ちょうど花園神社にお使いに来ていた雛乃にもおすそ分けをしたのだが、どうやら失敗だったのだろうか。

『不味くはないとおもうんやけど……あかんかったかな』

悲しくなってくる劉であったが、雛乃が眉をひそめた理由は別の所にある。

『劉様の御料理の腕がこれほどとは……わたくしよりも遥かに御上手で……』

<手料理を食べてもらいたい>と想った相手の腕が自分より上だと知って、ちょっと複雑な気持ちになっただけ。
日々生活の中で作り続けている彼とは経験の差があるので当然といえば当然なのだが、そう簡単には割り切れない気持ちがある。

『美味しいです……』

これに比べるとわたくしの料理なんて……と、表情が曇る雛乃に、更に困惑する劉。
この暗くなりそうな空気を払ったのは、一人の愛の戦士であった。

「ねえねえ、イエローッ!!これの作り方教えてくれない?私も家で作ってみたいの」

明るく話し掛けてくるコスモピンクこと本郷桃香、彼女も結構料理が好きであった。

「アッ、マリィにもオシエテッ!!パパやママに作ってアゲタイ、コレ」

話しに乗ってくるマリィ。このタイミングを逃さず、桃香が提案する。

「あ、そうだッ!この準備が終わったら<特別お料理教室>を開いてくれないかな?生徒は私とマリィちゃんと……雛乃さんでッ」
「わ、わたくしは……」

うろたえる雛乃に声が被さる。

「え?だって深刻な顔で地鶏まんを見てたからレシピ知りたいのかなぁッって。それに実際に料理の出来る会場も必要だし……お台所貸してッ!お願い」

目の前で手を合わせる桃香に、しばし悩んでいたようだが……

「ええ、どうぞ……」

意を決っしたように言い切る雛乃。自分の腕が及ばないなら修練あるのみ。それを教えて下さるのが劉様でしたら……。
その顔に先ほどまでの苦悩の色はない。
そんな彼女の言葉に有頂天になった劉は、周りの男性陣の嫉妬、羨望混じりの視線にも気づかず一人幸せそうに微笑む。もちろん


『おおきにッ!ありがとッ!さすが愛の戦士ッ!!』
『コスモピンクに、おまかせよ!!』


桃香にアイコンタクトでお礼を言っておくのも忘れなかった。



<あの日ほど料理が得意で本当に良かったと思うた時はない>とは後日の彼の言葉である。





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桜ヶ丘病院にて


病院では<突然の出来事>は珍しくない。

予定を立てて怪我する人はそういないし、出産予定日だってあくまで予定であり一分違わず陣痛が起こる訳ではない。何時<急患だ>といって運び込まれてきてもおかしくはないのだ。
だからこそ、そこで働く者はある程度突発事項に慣れており、それは見習い看護婦である高見沢や比良坂にも言える事であった。
しかし、その日の出来事はさすがに突飛過ぎていた。
丁度居合わせたのはそこで働く高見沢と比良坂、この後どこかに遊びに行こうと、仕事あがりを待っている藤咲の三人。
そこに<彼>は乗り込んできたのだ……。



ラメ・金の刺繍・細身の仕立て、と三拍子揃ったマリンブルーのスーツに身を包み、真紅の薔薇の花束を肩に担いだその姿。長身でしなやかな<彼>に、結構似合っていた……外見的には。内面的に見ると、普段の性格からは程遠い格好と言える。
その顔はいつもどうりのポーカーフェイスだが、いつもより少し華やか。良く見れば目張りがはいっているからだとわかるであろう。少なくともその表情からは心境を読み取れなかった。
そして、出現が突然なら行動もまた突然。
呆気に取られている三人の娘へと足早に近づき……比良坂の前で止まる。

「詳しい説明は後日するから……とにかく受け取っておいてくれ」
「えッ?」

驚く彼女にその手の花束を渡し、

「では、また…」

疾風のように走り去ってしまった。
静寂に包まれた空間に話し声が戻ってきたのはそれから数分後。

「ねえねえ、今のぉ……」
「ああ、壬生だったよねえ…どうしたんだいアイツ?母親の入院費足りなくなって水商売に手を出し始めたの?」
「もしかして、心の診察したほうがよかったのかなぁ?ねえ紗代ちゃん……紗代ちゃん?」
「うわッ、凄い熱!!…舞子ッ、とりあえず回復技ッ!!」
「うぇ〜ん、効かないよぉッ!紗代ちゃ〜ん……」

あまりの出来事に思考がオーバーヒートしてしまったらしい。騒ぎを聞きつけた院長が出馬するまでしばらく混乱が続くのであった。



ちなみに病院の外では……



「ご苦労だったな、壬生」

平静を装ったつもりだが、明らかに笑いをこらえた声音で、如月は労う。

「二度とゴメンですね、こんな格好!」

何とかポーカーフェイスは崩さなかったが、声音の憤りは隠し切れていなかった。
その事に気付いているのだろうがあえて無視して、如月は自分の後方にいるへこんだ表情の二人に声をかける。

「順番からいくと次は村雨の番だが、どうする?すぐ行くか」
「俺のって<藤咲に><上半身裸で><ラブソングを熱唱する>ってやつか…?捕まんぞマジで。大体今の混乱の中この病院に入れる訳ねえだろ」
「それでもてめえなんかまだマシだッ!俺なんか<裏密に><女装して><手料理を振る舞う>だぞッ!なんで、よりにもよって裏密なんだ」
「<金がないから罰ゲームにしようぜ>と言い出したのは確か君だったな」

確かにいいだしつぺは京一。
相変わらずの麻雀勝負の時、たまには趣向を変えてみよう、実は今日あんま金持ってきてねえんだ。
当初は気軽な気持ちで言ったのだが、ここまでキツイ罰ゲームとは思っていなかった。

ルールとしては
まず<誰に><どんな格好で><なにをする>という文を紙に書き数種類用意し、文節ごとに切り分けその節ごとにまとめておく。そしてそれぞれ別の紙袋に入れる。
次にトップ以外の三人が順番に、節ごとに文を紙袋から引いていく。
そうして、引いた文節を合わせ一つの文にして、そこに書いてある事を実行する。

やってみるとわかるが、結果だいぶエグイ文ができる。



「まったくこれに比べりゃ<比良坂に><ホストっぽい服で><花束を渡す>なんて幸運以外のなにもんでもねえぜ」
「そうそう俺だったら喜んで書いてある以上の事までやってやるのに」
「…僕に喧嘩売るとは……」
「まあ落ち着け……そこまで言うならもう一度だけ引き直してもいいぞ。そのかわりもう泣き言はナシだからな」

あくまで勝者の余裕の如月に反発心を覚えつつも、背に腹は代えられずその提案を受け入れる村雨と京一。だが……、



結局二人の必死の懇願により、負け分の清算をチャラにする為商品調達に付き合うという事で許してもらった。一人罰ゲームを実行した壬生が不平をもらしたのだが、皆の「「「あれは罰になっていない」」」という意見に押し切られてしまい、当人も強く否定できず付き合う事となったのである。



ちなみに引き直した村雨の文は<御門に><着流しで><耳を噛む>であり、京一のは……真っ青になって握り潰してしまい、本人以外には不明となってしまった……。





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真神学園 帰り道にて


いつものようにラーメンでも食べにいこうと、連れ立って帰路につこうとする真神の五人組。
寒風の吹く中小蒔が龍麻に話し掛けてくる。

「ひーちゃん、暖かそうだねそのマフラー」

そろそろ本格的な冬が到来しそうな冷え込みの日であり、龍麻のコートにマフラーという姿も別に珍しい格好という訳ではない。
ただコートはともかくマフラーをしてきたのは初めてであり、その茶色の毛糸のマフラーはモコモコしてて本当に暖かそうに見えたのだ。対して特に冬支度をしていない小蒔にとっては、少し羨ましい品でもある。

「……壬生がくれたんだよ、趣味で作ったのがいくつもあるからって」

龍麻は答えたが、その声に軽い苦笑が混ざる。
如月骨董品店にて麻雀をしていた際、<一人暮らしで冬服が少ない>と話していたら、一緒に打っていた壬生が手編みの衣類の提供を申し出てくれたのだ。
確かに有難いのだが、<男性の手作り、しかも壬生>という点と、その場にいた他のメンバー、如月や村雨、紫暮にも配っていたので、へたすると彼らと今ペアルックになっているかもしれない。という点が彼をちょっとだけ複雑な気持ちにさせていた。
それを聞いて、納得と共に何か考えている表情となった小蒔へ、

「はい」「え?なに…あ…」

声をかけそのマフラーを彼女の首に巻く。

「小蒔の方が寒そうだしね……暖かい?」
「うん……へへへ、ありがとッ」

彼のマフラー……嬉しそうに微笑む小蒔、首だけでなく気持ちもホンワリ暖かくなってきていた……。



「今のをどう見る?」
「そうね、小蒔の気持ちとして……あのマフラーを見て、<プレゼントに自分で編んだ物は渡せないな>って思ったようね、じゃあ何がいいか?と考えている所にマフラーを巻かれて、舞い上がっているようだけど……そういう京一くんの見方はどう?」
「そうだな、ひーちゃんとしては……巻いた時の表情からして<もっと長かったら二人で巻けるのにな>って思ったけど、そう考えた事が恥ずかしくなってしまった……てトコかな」
「二人とも凄いな、そこまで心理が読めるとは」



「お前らなッ!」
「人の考えを変に深読みしないでッ!」

声を大にして訴える龍麻と小蒔だが、

「でも大外れでもねえんだろ?」「「…………」」

にやつく京一の一言に黙り込んでしまう。
そんな様子を不憫に思ったのか、

「さあ、早くお店にいきましょう。暗くなってしまう前に」

この話題はもう終わり、と言わんばかりに京一と醍醐の腕を引く葵。
その気持ちを汲んで、大人しく引かれるままついていく男性二人。気付けば取り残されてしまった。

「だからって置いていくなって。行こう、小蒔」

軽く走ればすぐに追いつくだろう。だが彼女は、止ったまま。先ほどよりも更に深く何かを考えているようである。

「どしたの?」
「え?あいや、えと、べ、別に、なんでもない」

思い切り動揺してしまってのこの台詞に、説得力はなかった。その事に自分でも気付いたのだろう。照れながらも考えていた事を話す小蒔。

「えっと、さ。さっき京一の言ってたひーちゃんの気持ちって……ボクのは結構当たってたし……って、いや、あの」

なるほど、龍麻は納得し、彼女の疑問に答える。……自分の気持ちを伝える為に。

「京一のあの読みは、ちょっと外れてたな」
「あ、そ、そう。そうだよね、うん」

安心したような残念なようなあいまいな気持ち。
そんな小蒔の横に立ち、龍麻はコートのポケットに手を入れたまま……ちょっと勇気を振り絞って、


ふわっ


「ッ!!」


そのままコートの中に小蒔を包みこんでしまった。……やや大きめのコートで、小柄な小蒔にだからできる事。

「ひーちゃんッ……」
「正解は<マフラーが無かったらこうやって冷たい風から守ってあげてたのに>。……暖かい?」
「…………熱いくらい…だよ」



確かに身体も暖かいけど……顔が火照ってきたのは、多分別の理由からであった……。




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