第壱話 鳴動








〜1999年4月─都内某所〜


 滝沢輝彦は恋人の三石里佳子に腹を立てていた。
彼はその日、いつものように校門で隣のクラスの彼女を待っていたのだが、何時までたっても里佳子は出てこない。
 痺れを切らし、理佳子の教室へ出向いて顔見知りの女生徒に彼女の事を聞いてみると、
「理佳子〜?とっくに帰ったわよ〜。滝沢君一緒じゃなかったの〜?」
などという答えが返ってきた。
(何だよいったい!何か用事でもあるんなら一言断ってってもいいじゃないか!折角今度の土曜日渋谷で『CROW』のライブがあるから誘おうと思ってチケット買ったのに!大体彼女は他人の趣味を理解しなさすぎるよ。この間だって『CROW』の話をしたら、『所詮は高校生バンドでしょ』とか言ってたし。聞いた事も無いくせに!)
 置いてきぼりを食った苛立ちが、今までたまっていた不満までをも一気に噴き上げさせた。
 と、通り掛かりのファーストフードのドアが不意に開き、中から件の彼女が出てきた。但し二人連れで。
(あの人サッカー部の水野さんじゃないか。なんで彼女、水野さんとこんな所に居るんだ。第一水野さんといえば女好きで有名な人じゃないか。そんな人とあんな親しげに腕を組んだりして!)
 先ほどの怒りに嫉妬という新たな怒りが加わる。
 滝沢は我知らず二人の前に飛び出していた。
「輝彦ッ!?」
 理佳子は『まずい』と言わんばかりの顔で叫んだ。
「理佳子!ずっと待ってたんだぞ!こんな所で水野さんなんかと何してるんだよ!」
 滝沢が理佳子に詰め寄る。しかし─
「おい、てめぇいったい何なんだよ?俺なんかとってどういう意味だ? 俺達はこれから二人で遊びに行くんだ。横から出てきて邪魔すんじゃねぇよ。なぁ、理・佳・子?」
 同意を求められ、理佳子は開き直ったように滝沢に告げた。
「ねぇ、輝彦。悪いけど私貴方と居ても退屈なのよ。確かに貴方は頭が良いけど女の子を喜ばせるテクニックは水野先輩のほうがずっと上なのよね。だから、私達これっきりにしましょう」
「なっ─!!」
 絶句して立ち尽くす滝沢を一瞥すると、二人はその場を立ち去ろうとした。
「ま、待ってくれ理佳子!どういう事なんだ!きちんと説明してくれよ!僕の何がいけないって─」
 慌てて理佳子の腕をつかもうとした輝彦の前に水野が立ちふさがった。
「てめぇ、しつけぇんだよ!」
 同時に下腹に衝撃を受ける。
「ごふっ!」
 思わず膝を付いたところをさらに数回蹴られ、滝沢は意識を失った。
 気が付いた時にはすでに二人は居なかった。
「畜生!畜生、畜生、畜生―――ッ!!」
 滝沢は泣きながら地面を叩いていた。と─
「そんなに悔しいか」
 ハッとして見ると、何時から居たのか一人の男が自分を見下ろしていた。
 まだ若い。30歳にはいってないだろう。
 よく引き締まった体躯は、見る人が見れば何かの武術をやっている事が一目瞭然だっただろう。
 その男は声の出ない滝沢に向かってもう一度声を掛けた。
「女を取られた事、泣くほどに悔しいか」
「な、何なんですか貴方は!」
 驚いて咄嗟にそれだけ言うのが精一杯の滝沢。
 だが男は僅かに口元を歪めるように笑うと言った。
「"力"が欲しくはないか?」
「…"力"………?」
「お前を馬鹿にした女に、お前の女を取った男に復讐できるほどの"力"が欲しくはないか?」
 その時滝沢の頭の中で『ヤバイ』と本能的に感じていた。しかし、どうしても抗うことは出来ず、ついに
「…欲しい…」
と、口にしてしまった。
 その言葉を聞くと男は今度こそ満足したように笑みを浮かべて、囁くように言った。
「ならばお前に、『外法』の力を教えてやろう」




「ね、ね、ひーちゃん。今度の土曜日って暇?」
 警察学校に通っている小蒔を迎えに行って二人で帰宅する途中、彼女がなにやらすごく楽しそうに─もっとも小蒔の場合二人で居る時はいつもの事なのだが─話し掛けてきた。
「ウン、別に用事は無いけど?」
 そんな彼女の様子に微笑みながら龍麻は答えた。
「じゃさ、渋谷行こうよ、渋谷」
「渋谷?いいけど買い物?」
 聞き返す龍麻に小蒔はニコニコしながらポケットから何か出して見せた。
「ジャーン!これ今度の土曜日にやる雨紋君のライブのチケット。こないだ偶然街で会ってもらったんだ!だからひーちゃん、一緒に行こうよ〜」
 満面に笑みを浮かべて言う小蒔。
 この笑顔を見せられると龍麻はなにも抵抗する術を持たない。
「いいよ。じゃあ、土曜日は新宿駅で待ち合わせようか」
「ヤッター!エへへッ、それじゃボク楽しみにしてるネ」
 そうこうしている内に小蒔の家の前に着いた。
「ひーちゃん、土曜日忘れたらダメだからね」
 そういうと小蒔は軽く背伸びをして龍麻の頬に唇を触れ、照れた笑みを残し素早く家に入ってしまった。
 思わず頬に手をやり、龍麻は数ヶ月前に訪れたばかりの平和をかみしめていた。




 土曜日─
「ヤッホー!ひーちゃん、ココ、ココーッ!」
 約束の時間より少しばかり遅れて着くと、小蒔が大声で手を振って出迎えた。
「ゴメン、小蒔。遅れちゃって」
 龍麻は素直に謝った。
「ホントだよ!おかげでボクナンパされちゃったじゃないか!」
 腰に手を当て小蒔がプリプリして言う。
「ええ!?それでどうしたの!?」
「プッ!」
 焦る龍麻の様子に小蒔が思わず吹き出した。
「冗談だって。それにもし本当にナンパされたとしても、ひーちゃん以外とどっか行くわけないじゃん」
「驚かすなよ」
「エヘへッ、ゴッメーン。それよりライブ始まっちゃうよ。早く行こッ」
二人は軽く腕を組んで歩き始めた。
 ライブハウスに着くと、開演前から中は熱狂の渦に包まれていた。
「わー!凄いねー!やっぱ人気有るんだなー、雨紋君のバンド」
 小蒔は感心して周りを見まわしている。
 と、龍麻は誰かに声を掛けられたような気がして振り向いた。すると、見知った顔が二つ近づいてきた。
「龍麻!龍麻じゃない!こんな所で逢うなんてアタシ達きっと運命で結ばれているのね─って、何だやっぱ桜井さんと一緒かぁ」
「よぉ、お二人さん。来てくれたんだな」
「やあ、雨紋に藤咲。久しぶりだね。雨紋、チケットありがとう」
「ヘッ、いいってことよ。龍麻さん達が来てくれたら俺様のギターさばきにも磨きがかかるってモンだしな」
「あれ?ところでなんで藤咲さんが居るの?」
 小蒔の質問に藤咲の頬にサッと朱が刺す。
「ア、アタシはただこいつが来てくれってうるさいから暇つぶしに来ただけよ」
 プイと横を向いて繕うように言う藤咲。
「へぇ〜」
「ふぅ〜ん」
「な、なによッ!」
 意味ありげにニヤニヤする二人を見て藤咲はますます顔を朱くする。
「いやいや。それじゃあ僕達は邪魔しちゃ悪いから向こうへ行くね。雨紋、ライブ頑張れよ」
「藤咲さん、しっかりネ♪」
「もう!そんなんじゃないわよ!」
 藤咲の抗議を無視して龍麻達はその場を立ち去った。
「でもボクビックリしたぁ。まさか雨紋君と藤咲さんがねー」
 二人が見えなくなってから小蒔が言った。
「でも僕は結構お似合いだと思うよ。雨紋も好きな娘の前なら気合が入るんじゃないかな」
「エヘへッ、そうだね。─アッもう始まるよ」
 その後のライブは素晴らしいものに思えた。
「凄く良かったよ、雨紋」
 ライブが終わった後、龍麻は開口一番雨紋に向かって素直な感想を述べた。
「ホント!雨紋君カッコ良かった」
「へへッ、サンキュお二人さん。ところで久しぶりに会ったんだ。この後四人でどっか遊びに行かねぇか?」
 少しだけ照れたように雨紋が言う。
「えっ?それは…構わないけど…」
「ねぇ?」
「なんだよ、これから二人でなんか用事でもあんのか?」
 口篭もる二人に雨紋が怪訝な顔で聞いた。
「いや、だってボク達邪魔じゃない?」
「だからそんなんじゃないって言ってるでしょ!」
 藤咲の目がまたつり上がる。
「オイオイ、藤咲の姐さん怒らすとおっかねぇんだから程々にしとけよ。ンじゃ、俺様はちょっと着替えて来るからよ」
 そう言って雨紋は奥へ入っていった。
「サッサとしなさいよ、雷人!」
「ふ〜ん、雷人かぁ」
 雨紋の背中に声を掛ける藤咲に、小蒔がまたも意地悪く笑い掛ける。
「あのねぇ!─フゥ、もういいわ」
 諦めたように息をつく藤咲。
「ところでアンタ達、この前新宿で高校生の惨殺死体が見つかったの知ってる?」
「あっ、誤魔化そうとしてる─って高校生?」
なおもからかおうとした小蒔だが、高校生という言葉を聞いて眉をひそめた。
「なんでもアンタ達の母校の生徒らしいよ」
「えっ!?真神学園の?」
 今度は龍麻が驚いて声をあげた。
「アンタ達ものん気ねぇ。確か殴るだか蹴るだかされて全身の骨が砕けてたそうね」
「うっひゃ〜、ボクちょっとそのテの話苦手だな〜」
「大丈夫だよ、小蒔。君のことは僕がちゃんと護るから」
「ウン!アリガトひーちゃん」
 身震いする小蒔の肩を抱き、優しく言う龍麻。そして甘えるように体を預ける小蒔。
 そんな二人の様子を半ば呆れたように藤咲は眺めていた。
「フゥ、もうアンタ達はそうやって勝手にラブラブしてなさい」
「アッ、そういう藤咲さんだって雨紋君とラブラブじゃないかッ」
 すかさず小蒔が言い返す。
「そう言えば雨紋遅いな」
 そう龍麻が呟いた途端─
『うわぁぁぁっ!!』
 突然奥から悲鳴が聞こえてきた。
「雷人!!」
 藤咲が駆け出す。
「ひーちゃん!」
「うん、僕達も行こう!」
 龍麻と小蒔が後に続いた。
 そこで三人が見たものは、床に倒れ伏す雨紋達バンドのメンバーと真ん中に立つ学生服の少年だった。
「雷人!」
 藤咲が雨紋へ駆け寄った。
「大丈夫だよ。ちぃっと油断しちまったぜ」
 藤咲の顔に安堵の色が広がる。
「ひーちゃん、あれ真神の制服だよ!」
 小蒔が叫んだ。
 その声を聞いたのか学生服の少年がゆっくりと振り向いた。
 少年の顔を見て小蒔がさらに声をあげる。
「滝沢君じゃないか!」
「小蒔知ってるのかい?」
「ウン、去年1年生で生徒会の役員になった子なんだ。葵と話しているのを何度か見たことあるよ」
「あいつ、正気じゃないな」
 滝沢の目を見て龍麻が呟いた。
「クックックッ、痛い目に遭わせるつもりなんて無かったんですよ雨紋さん。ちょっと僕の言う事を聞いてくれれば良かったのに。悪い話でもないでしょ?ただ、僕を裏切ったあの女に貴方達の歌を聞かせてやりたかっただけなんですよ。僕がどれほど趣味が良いか解らせたかったんですよ。だからほら、僕と来てくださいよぉ」
「ふざけんじゃないよッ!」
 藤咲が柳眉を逆立てた。
「アンタみたいな奴、振られて当然だね!」
 その言葉に反応したか、滝沢が凄い形相で振り返る。
「お前に何がわかるんだ!お前もあの女と同じだ!僕のことを理解出来ない奴は皆死んでしまえばいい!」
 滝沢が叫ぶと同時に、藤咲へ向かって拳を突き出した。
 ドカッ!
「きゃあぁッ!!」
 触れてもいないのに、まるで思い切り殴られたかのように藤咲が吹っ飛んだ。
「キミ!何するんだッ!」
 しかし小蒔の言葉にも悪びれる様子無く、滝沢は笑って言った。
「クックッ。驚きましたか、先輩?これが僕の手に入れた"力"なんですよ」
「"力"…だって?」
「まあ、先輩達には関係無いですよね。何しろ今死ぬんだから」
 そういうと再び腕を振りかざす。
 ドンッ!!
 激しい衝撃が龍麻の身体を貫く。
「くッ…」
「くくくっ、無駄ですよ先輩。僕の"力"は最強なんだ。水野だって全身の骨が粉々になって死んでしまったんですから」
「エッ!?それじゃあこの前見つかった高校生の死体ってまさか…」
「そう。僕が殺ったんですよ、桜井先輩」
「どうしてそんな酷い事をするんだよっ!同じ学校の仲間じゃないかッ!」
「仲間?水野の奴が?冗談じゃない。あいつは僕の彼女を奪ったんですよ。ちょっと顔が良いだけのクズのクセに。彼女だって僕よりあんな奴を選んだこと後悔してるんじゃないかな?地獄でさ」
「だから殺したと言うのか?それだけのことで。恋人が自分以外の人を好きになったって言うだけのことで」
 龍麻がゆっくりと言葉を吐出す。
「それだけ?貴方の言うそれだけのことが僕にとってどれだけ重要なことか解りますか? 僕は勉強だって人一倍頑張っているし,皆がやりたがらない生徒会の役員だってやっているんですよ。なのに皆で僕を面白味の無い奴だの、ガリ勉だのって。挙句に彼女まで趣味が悪いだなんて…。だから教えてあげなければ。僕のことを皆に解らせてあげなければ。 だから雨紋さん、僕と来てくださいよ。早くしないと彼女が腐ってしまうじゃないですか」
「申し出は有り難いが俺様は今夜美女をエスコートしなくちゃならないんでね」
 雨紋が藤咲を助け起こしながら言う。
「それに女を大切にしない奴は嫌いだ」
「貴方もか!貴方も僕を理解しないのか! 貴方も他のクズどもと同じだと言うのか!」
 完全に頭に血の昇った滝沢が、ところ構わず衝撃波を放ちまくる。
「うわッ!」
「ヒィッ!」
 いつのまにか気付いたバンドのメンバー達が再び訪れた恐怖に悲鳴を上げる。
「止めろ!俺様の仲間に手を出すんじゃねぇ!」
 だが雨紋の制止も効果が無い。
「死ねっ!死ね!死ね死ネ死死死シシ─ッ」
 完全に理性を失っている滝沢はますます攻撃を激しくする。
「皆下がっていてくれ」
 龍麻がそう言って前へ出た。
「もう2度と使うことは無いと思っていたんだが…」
 小さく呟くと龍麻は荒れ狂う衝撃波の嵐をかわして相手の懐に飛び込み、滝沢の胸に当てた掌で一気に氣を爆発させた。
「うわあぁぁっ!」
 流石にもんどりうって倒れる滝沢。
 その姿に龍麻は静かに言った。
「皆が君のことを理解してくれないと言ったね。それじゃあ聞くけど、君は他人を、人の気持ちを理解して来たのかい?」
「他人の気持ちがどうしたって?僕は優秀な人間なんだ。皆が僕を理解するのは当然じゃないか」
 傲慢。
 それが滝沢と彼の周囲の人間との間に壁を作ってきた原因だった。
「君は間違っているよ。君は人を殺した罪を償い,そして一から新しい人間関係を築いていくべきだ」
 だが龍麻の説得は逆効果だったようだ。
「ふざけるなッ!!お前らなんか皆殺してやるッ!皆死んで─がッ!?」
 突如ドクンッと滝沢の体が脈打つ。
 更に細かく震えて口からは涎を垂らしている。
「ウグググゥゥゥッ…」

「ひ、ひーちゃん?彼どうしちゃったの?」
「これはまさか…」
 小蒔の問いに龍麻が呟いた時、
『ウグワラワァアァァ!!』
 絶叫を上げた滝沢の身体は既に人ではなかった。
『!!』
 白い髪、白い瞳、黒い肌。
 人の形を取りながら、全ての色素がまるっきり逆になっていた。
 まるで陽の中で生きる人を辞め、闇に棲まう魔物のように。
 そして彼らは知っていた。
 人を魔物に変える方法があることを。
「鬼道…」
 誰かが呟いた。
『僕ヲ理解シナイ奴、殺ス殺ス殺殺殺─ッ』
 先程より更に多くの衝撃波が乱れ飛ぶ。
 まともに受けたロッカーが粉々に砕け散った。
「龍麻さん。こうなったらもう助けられないぜ」
 雨紋が沈痛な顔で囁く。
 龍麻はしばし逡巡し、答えを出した。
「斃すしかない。彼の魂を救うためにも。藤咲、君は下がっていろ。小蒔、藤咲を頼む」
「ウン、気をつけて」
「チョッ、何言ってんだい。アタシも闘うよッ!」
「アッ、ダメだよ藤咲さん。休んでなくちゃ」
「ヘッ、たまには俺様にも格好良いところ見せろよ姐さん」
 ニヤリと笑うと雨紋は滝沢に、いや滝沢であった者に突っ込んでいった。
「さて、俺様の女を傷つけた罪は重いぜ─雷神降臨ッ!!!」
 無数の雷が"滝沢"に降り注ぐ。
「おりゃああーッ!」
 同時に龍麻が右に回りこみ強い氣を撃ち放つ。
『ぐわぁあああああッ!!』
 この世のものとも思えぬ絶叫を上げると、滝沢の身体はゆっくりと人へと戻っていった。
 そして─
「ぼ、僕がそんな…うわああぁあッ!!」
 次の瞬間、滝沢輝彦は完全にこの世から消滅した。
「酷いよね…。誰が滝沢君をこんな事に…」
 小蒔が涙ぐんでいった。
「わからない。でも、また何かが起ころうとしているのかもしれない」
 龍麻は確信に近い不安を感じていた。




 男はその闘いの一部始終を見ていた。
 勿論直接目で見たわけではない。
 自分が変生させた滝沢と言う少年の目を通しての事だった。
 そしてその映像が途切れ、目となる少年の死を知って、男は満足げに笑みを浮かべ呟いた。
「恐怖はこれからだぞ、龍麻─」









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