剣術流派の一つ、六道一刀流について紹介します。
ラオシェンに伝わる古流剣術である一刀流の流れを汲む剣術です(一刀流自体は絶えて久しく、現在その使い手はいない模様です)。
『崩迅転鋭流無』の六字でその全ての体動を表す技術大系は非常に高度に術儀立てられており、完成度の高さでは同じ一刀流から派生した流派の中ではトップクラスと言われています。
最初の三文字は主に手法、後の三文字は主に歩法・体動を表します。
崩は相手の防護を崩す事に主眼を置いた、体重を乗せた鋭い踏み込みの縦に振り下ろす力強い斬撃。
迅は小さな挙動からいきなり最短距離で相手を貫く鋭い刺突。
転は相手の防護をすり抜ける、或いは弾く為に体の回転力を利した横薙ぎの斬撃。
鋭は一気に間合いを詰めて懐に飛び込む、またその逆に相手の間合いから離脱する歩法。
流は相手の死角にまわり込む歩法。
無は全身の挙動を極力抑え、動きの起こりを悟らせぬようにする体動。
これらの基本の動きのエッセンスを組み合わせたものが、基本的な六道一刀流の技術といえます。
六道一刀流は高名な剣客を輩出していることでも知られ、創始者のジァナ・デュナン、三代目宗家にして現在の技術系統を確立した『剣聖』と名高いハルト・デュナン、そして現宗家(六代目)のミネド・デュナンなど、多くの竜殺しの英雄をも生み出しています。
姓が同一であることから実子にのみ継承された剣術と思われがちですが実際はそうではありません。これは六道一刀流に限ったことではありませんが、優れた実績と卓絶した才能、高い力量を備えた弟子を宗家が養子に迎えて後を継がせる、という形式を取るのが通例でした。
ところが『剣聖』ハルト・デュナンが時のラオシェン国主ラウス・マキアロフ・ラオシェンの武将として華々しい活躍を遂げ、更にチュイーザの神鉄鉱山である『仙山』に巣食う鬼、ギズを調伏した功績でレムイェンの太守に任じられてからは六道一刀流の宗家=レムイェンの太守、という図式になってしまったため、単純に剣技の優劣のみで継承者を決めるということにもいかず、血統と技量、剣客として或いは太守として、どちらを継承者を選ぶ基準にするか、が現在の最大の悩みであるといえます。
幸いにしてハルトの子、孫、曾孫には剣客として、また太守としても力量を備えた嫡子がいたため、継承者争いなどは起きずに済んでいたのですが(ミネドはハルトの曾孫に当たります)ミネドの子、ロオンの継承者の儀の段でやや問題が起きました。
ミネドの直弟子に卓絶した剣技と豊富な識見、そしてカリスマ性をも持った剣士、スダン・ルドルスティンが現れたのです。
レムイェンの重臣達としては当然ミネドの実子であるロオンに太守の跡目を継いでもらいたく(ロオンは聡明で気質の穏やかな人物であったため、重臣のみならず家中の者に慕われていました)、ところが六道一刀流の剣人達はロオンより遥かに優れた技量を持つスダンに宗家を継いでもらいたいと考えるように至りました。
不幸中の幸いというべきか、ロオンとスダンは実の兄弟以上にお互いを信頼しあっていたので2人が跡目を巡って争うということにはならなかったのですが、それとは別に周囲の声が高まり過ぎました。
宗家として、太守としての苦慮の末、ミネドはロオンとスダンの2人に試練を与えます。
その試練は六道一刀流創成期に起きた大戦のどさくさで大陸に流れてしまったといわれる三口の『神刀』を持ちかえること。
そしてスダンとロオンはアレクラスト大陸へと渡り、日ノ出屋の冒険者達と出会うことになります。
が、それはまあ余談。これからの六道一刀流のことは、これから形作られていくのですから。
六道一刀流には以下の戒律があります。
・降伏した敵を斬ってはならない
・礼節を尊び、儀礼を重んじなければならない
・無用な殺戮・無益な戦いは避けなければならない
・武器(もしくは武器に準じる戦う手段)を持たぬものを相手に先に刀を抜いてはならない
戒律とは言え、破った者に罰則があるわけではなく、またプリースト技能のように剥奪されるという事もありません。
ただし、あまりにその行いが戒律からかけ離れていた場合、最高指導者直々に破門を言い渡され、二度と六道一刀流を学ぶ事が出来なくなる(技能LVを上げられなくなる)可能性もあります。
その上で尚、行いが改善されないようであれば、制裁の為に剣客が派遣される事すらあります!
GMは、プレイヤーがあまりに戒律からかけ離れた行いをするようであればそれとなく注意して下さい。
六道一刀流
六道一刀流を学ぶフェンサーのみが習得できる特殊な技法です。
フェンサー技能に応じたLVの技法を使えます。
なお、消費精神点を魔晶石や神聖魔法の『パワーリンク』などから引き出す事は出来ません。
・LV1初伝
行雲(コウウン)
持続:常に 基本消費精神力:− 距離:術者 範囲:術者
『鋭』の基本の歩法。正中線のブレを抑えた動きにより、通常よりも速く長く移動することが可能。
通常移動距離が+3mされる。但し、全力移動時には影響しない。
・LV2起伝
流水(リュウスイ)
持続:1回の攻撃に対して 基本消費精神力:6 距離:術者 範囲:術者への直接攻撃
流れる水の如く身体を捌き、相手の攻撃を受け流す『流』の基本歩法。直接攻撃に限り回避に+2される。
これは通常の行動とは別に行うことができ、のみならず行動をした後に行うことすら出来るが、次のラウンド中は攻撃・回避に−1が課せられる。
・LV3承伝
三宝技・叢雲(サンポウギ・ムラクモ)
持続:1回の攻撃 基本消費精神力:− 距離:使用者の移動力m 範囲:個人
『崩』の手法。体重を乗せての踏み込みと斬り下ろし。
追加ダメージに+1されるが、攻撃力が−1される。
三宝技・御霊(サンポウギ・ミタマ)
持続:1回の攻撃 基本消費精神力:− 距離:使用者の移動力m 範囲:個人
『迅』の手法。急所を狙った鋭い刺突。
クリティカル値が−1されるが、追加ダメージが−1される。
三宝技・草薙(サンポウギ・クサナギ)
持続:1回の攻撃 基本消費精神力:− 距離:使用者の移動力m 範囲:個人
『転』の手法。相手の死角からの薙ぎ払い。
攻撃力に+1されるが、クリティカル値が+1(最大でも12)される。
・LV4技法
閃(ヒラメキ)
持続:常に 基本消費精神力:− 距離:術者 範囲:術者
『鋭』の歩法の発展系。
通常移動距離が+6mされる。但し、全力移動時には影響しない。
柳(ヤナギ)
持続:1回の攻撃に対して 基本消費精神力:12 距離:術者 範囲:術者への直接攻撃
風に揺れる柳の枝の如く相手の攻撃を受け流す『流』の歩法。直接攻撃に限り回避に+2される。
これは通常の行動とは別に行うことができ、のみならず行動をした後に行うことすら出来るが、次のラウンド中は攻撃が出来ない(回避は通常通り行なえるがパリィは行なえない)。
無眼(ムガン)
持続:1回の攻撃 基本消費精神力:16 距離:使用者の移動力m 範囲:術者への直接攻撃
『無』による斬撃。居合いの錬度を高めたもの。
通常の刀の技術である居合いと同様に相手の回避に−2をかけることが出来るのみならず、この技は錬度を高めているために追加ダメージに+2を加えることが出来る。
但し、その代償として放った次のターンは攻撃が出来ない(回避は通常通り行えるがパリィは行えない)。
それ以外の効果・使用制限は居合いに準ずる。
地走(ジバシリ)
持続:1回の攻撃 基本消費精神力:− 距離:使用者の移動力m 範囲:個人
『崩』の体動。相手の姿勢を崩す体当たり。
この体当たりは一律で打撃力10、クリティカル値12とする。追加ダメージは通常の攻撃に準じる(武器にボーナスがあったとしてもそれは追加できない)。
体当たりが命中し、ダメージを与えた場合は対象は丸1ラウンドの間回避に−1のペナルティを負う。
『地走』はチャージアタックなので上記の修正以外はチャージに準じる(判定をラウンドの最後に行なう事、回避のペナルティなど)が、距離的余裕は武器を伴わない、つまり武器の必筋を0として換算する為接敵状態からでも行使出来る。
・LV5技法
蒼穹(ソウキュウ)
持続:1回の攻撃に対して 基本消費精神力:20 距離:術者 範囲:術者への直接攻撃
『転』と『流』の複合。
軸をずらして相手の攻撃を躱しつつの斬撃。
相手の一回の攻撃に対して即座に反撃を行える。この際、こちらの回避に+1、反撃の攻撃力に+1のボーナスがつく。
これは通常の行動とは別に行うことができ、のみならず行動をした後に行うことすら出来るが、次のラウンド中は攻撃が出来ない(回避は通常通り行なえるがパリィは行なえない)。
蒼天(ソウテン)
持続:常に 基本消費精神力:− 距離:術者 範囲:術者
『流』の歩法。
流れるような足運びにより、全力移動中も重心のブレを極力抑える事がかなう。
全力移動中の回避のペナルティを、本来の−4ではなく−2とすることが出来る。
・LV6口伝
大山(タイザン)
持続:集中(1回発動するまで) 基本消費精神力:20 距離:術者 範囲:術者への直接攻撃
タイザンは『待斬』とも。『無』と『崩』の複合。
刀を正眼に構え、相手の攻撃を弾く。回避に+1される。
『大山』で攻撃を躱された相手は丸1ターンの間回避に−2のペナルティを負う。
春雷(シュンライ)
持続:1回の攻撃 基本消費精神力:12 距離:使用者の移動力m 範囲:個人
『崩』と『無』による斬撃。『叢雲』の発展型。
全身の体重と丹田に込めた《氣》を刃に乗せることにより、追加ダメージに+3される。
但し、攻撃に−2の修正を受けてしまう。
崩月(ホウヅキ)
持続:1回の攻撃 基本消費精神力:12 距離:使用者の移動力×3m 範囲:個人
『迅』と『鋭』による刺突。『御霊』の発展型。
全身のバネを生かした狙い済ました刺突。クリティカル値に−1、打撃力に+10、追加ダメージに+1の効果がある。
片手で扱える刀でなくては行使できず(野太刀では行なえない)、チャージアタック扱いとなるので一定の距離的余裕として武器の長さ(=必筋*15cm)の二倍以上の隙間が必要。
その他の修正(回避のペナルティ等)もチャージに準じる。
紅葉(クレハ)
持続:1回の攻撃 基本消費精神力:12 距離:使用者の移動力m 範囲:個人
『転』と『流』による斬撃。『草薙』の発展型。
鋭い体動による廻り込みで相手の死角から斬撃を送り込む事により攻撃力に+3される。
但し、クリティカル値に+1(最大でも12)の修正を受けてしまう。
・LV7口伝
夜行(ヤコウ)
持続:常に 基本消費精神力:− 距離:術者 範囲:術者
『鋭』と『流』の複合歩法。
通常移動の移動力に+10mされる。但し、全力移動時には影響しない。
露払(ツユハライ)
持続:1回の攻撃に対して 基本消費精神力:21 距離:術者 範囲:術者への直接攻撃
『流』と『崩』の複合手法。
相手の攻撃に対して斬撃を合わせ、相手の武器を落とす。相手の攻撃の際に宣言をすることが出来、通常の行動とは別に行なうことが可能。
相手の攻撃点を目標に『フェンサー技能LV+器用度−2』による対抗ロールを行なう。
このロールで勝利した場合、相手の攻撃を回避しつつ相手の武器を叩き落としたことになる。
武器を使用していない相手には使用することが出来ない。
また、このロールの際に1ゾロを振ってしまった場合は回避に失敗したのみならずこちらが武器を取り落とすことになる。
・LV8奥義
百鬼(ヒャッキ)
持続:一瞬 基本消費精神力:24/1回 距離:使用者の移動力m 範囲:個人
『崩』『迅』『転』と『鋭』の複合。己の心と生命を削り、一瞬に複数の斬撃を叩き込む荒業。
1回攻撃回数を増やす毎に基本消費精神点24と生命点を1点(こちらは固定)消費しなければならない。
更に、攻撃回数を1回増やす毎に攻撃力に−1の修正がかかる。
つまり2回攻撃(通常よりも1回プラス)だと攻撃力に−1、3回攻撃(通常よりもプラス2)だと攻撃力に−2……と加算されていく。
曙光(シャッコウ)
持続:1回の攻撃に対して 基本消費精神力:40 距離:使用者の移動力m 範囲:個人
『無』と『崩』の複合体動。『地走』及び『無眼』の複合。
納刀の状態のまま相手に『地走』をし、相手の体勢を崩してから『無眼』で斬る。
『地走』が命中した場合、次の『無眼』を放つ事が出来る。先の体当たりが相手にダメージを与えた場合(防護点などによってノーダメージだった場合は除く)は相手の回避を通常の−2ではなく−3とする。
このペナルティは、『無眼』を受けた(命中・回避を問わず)直後に効果を失う。
また、当然ながら『地走』同様にチャージアタックと同じ制限・ペナルティを受ける。
・LV9絶招
訃音(フイン)
持続:集中(1回発動するまで) 基本消費精神力:45/ターン 距離:術者 範囲:個人
『崩』の、そして六道一刀流の究極の基本の一太刀。受けることすらかなわぬ完璧な自然体での斬撃。
刀の基本技術である『斬鉄』を、戦闘中の動き回る相手に対しても行える。
1ターンを費やして集中する毎にクリティカル値を−1する事が出来る。
この方法によるクリティカル値の減少は『斬鉄』と同様に最大で−4までとする。ただし、いかなる方法を用いたとしても、合計で4以下になる事は有り得ず、最高でクリティカル値は5までしか下げられない。
ダメージ決定時の1ゾロの扱いは『斬鉄』のそれに準じる。
・LV10奥伝
弥勒掌(ミロクショウ)
持続:集中 基本消費精神力:50 距離:術者 範囲:視界内
『武』の体現。
視界内の敵に片手をかざし、そこより闘氣を放ってすべての敵の動きを封じる。
使用者は『フェンサー技能+精神力ボーナス』を基準値としてロールを行い、それを目標値に『抵抗』出来なかった対象は弥勒掌の使用者が集中を解くまで身動きが出来なくなる。
フェンサー技能
諸設定
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