一般技能


SWにおいて直接冒険の役に立つことこそ少ないものの、キャラクターに魂を吹き込むことに一役買ってくれる。
それが一般技能です。
ですが、本当に一般技能は冒険の役に立たないのでしょうか?
答えは『NO』です。
ハンター技能、セイラー技能、ヒーラー技能のような有名な(そして基本ルール中でも触れられている)ものを見ても分かる通り、一般技能も冒険の役に立つことはままあるのです。
ですが、基本ルール中で触れられている一般技能はあまりに少ない。
であれば、ここはいっちょ、勝手に設定してしまいましょう!



ペインター技能

この技能は美しく正確に絵を描き、彩る技能です。我々の世界で言うところの画家に相当します。
諸国を巡る旅の中で絵画のセンスを磨き、インスピレーションを得ようとする者もいれば、貴族や豪商をパトロンにしてひたすら絵にのみ打ち込む者もいるでしょう。
もちろん、中には冒険の息抜きや趣味で絵を描いている者もいます。
ペインターは以下の能力を使うことが出来ます。


記憶術 基準値:知力
シーフの同名の能力に準じますが、基本的に人物の容姿や地形・風景などの記憶に役立ちます。
ペインターはその職業柄、視覚情報を意識せずとも脳裏に鮮明に焼き付けることがかなうのです。
判定は覚えようとした時ではなく思い出そうとした時に行います。難易度は適宜GMが決めて下さい。
能動的に覚えようとした場合、成功ロールに+2のボーナスが付きます。


似顔絵 基準値:器用度
人物の姿形を絵にして記す技能です。特定の人物の捜索などに役立つでしょう。
この能力に使うモデルは必ずしも目の前にいる必要はありません。
『記憶術』で覚えた人物であれば(そして判定に成功すれば)−2の修正で描くことが出来ます。ただし、この際の記憶術のロールでダイスの目が11か12であった場合は修正は受けません。
また、断片的な証言からその人物の容姿を描くことも出来ます。この際は判定に−4の修正がかかります。
判定はプレイヤーが振りますが、マスターはモデルが目の前にいる場合を除いてその判定が成功したかどうかは基本的に伏せておいて下さい。
ただし『記憶術』を頼りにした場合で、『記憶術』の判定ダイスが11か12であった場合は判定の正否を伝えて構いません。
更にペインターはこの技能を街角で使うことによりお金を稼ぐことが出来ます。いわゆる街角の似顔絵描きです。
1日を費やして『2D6×ペインター技能レベル』枚の銀貨を得ることが出来ます。
この収入は画材代を引いた物なので、この判定を行う毎に新たに画材を購入する必要はありません。


複写 基準値:器用度
絵、地図、或いは解読不能な文字等をありのままに描き(書き)写す技能です。
基本的に前述の『似顔絵』と同じですが、人物以外にも通用するので分けて表記しておきました。


絵画鑑定 基準値:知力
ペインターは対照が絵画である場合に限り、その価値を推し量ることが出来ます。
また、作者が誰であるか、年代はいつか、画材はどのような物か、なども達成値次第では明らかに出来ます。
絵画の価値はそれこそゴミ同然のものから天文学的な数字までさまざまでしょう。
ですが、例えば古代王国期の絵画などはその歴史的価値だけでも最低10万ガメルは下りません。


創作 基準値:精神力
『似顔絵』が即興かつ正確さを追求したものであるのならば、こちらは時間をかけて正確さよりも感動を追求したものです。
いわゆる後世に残る名作というものは、その99.99999%以上が『創作』によって創られています。
『創作』は日数をかけることによって達成値にボーナスを得ることが出来ます。
3日を費やす毎に+1のボーナスが得られますが、このボーナスは技能レベルの半分(切り捨て)まで、最大でも+5までしか累積できません。
この能力に『自動的成功(6ゾロ)』はありません!
名作は(ある程度を除いて)偶発的に生まれ得るものではないのです。もちろん、ロールの目が大きいに越したことはありませんが、LV1ペインターの6ゾロよりもLV10ペインターの出目4の方が優れた絵画と呼ばれることになります。
但し逆に『絶対失敗(1ゾロ)』は起こり得ます。
達成値が10未満では、まず駄作というべきでしょう。15以下でも習作程度でしょうか。
20以上になってようやく品評会などで話題に上り、25以上ならば名声を得るに相応しい出来となるでしょう。
そして30以上の達成値ならば、まず間違いなく後世に残る名作 ――― 我々の世界で言えばゴッホの『ひまわり』やダ・ヴィンチの『モナリザ』がそれに相当するでしょうか ――― と言えるでしょう。
金銭的な価値はGMの裁量に委ねます。参考までに言うならば、達成値25以上の絵画はしかるべき場所に売却すれば一生遊んで暮らせます。




トルバドゥール技能

楽器を用いて音楽を奏で、喉を鳴らして伝承を紡ぐ……トルバドゥールは、伝説に残る英雄ではなく英雄を伝説に残す詩人です。
冒険者技能のバードと酷似していますが、やはり決定的な違いが存在します。レンジャー技能とハンター技能のそれよりも差違は大きいでしょう。端的に言えば、呪歌が使えず、言語取得に制限のあるバード、といったところでしょうか。
基本的に、トルバドゥールは大陸を旅する事はあまりありません。
バードが旅をして伝承を伝えていくのに対し、トルバドゥールはどちらかというと街や村に定住し、普段の生活の一環として曲を奏で、詩を歌います。或いは宮廷に入り、王侯を楽しませているかもしれません。
それであるからこその一般技能である、とも言えるでしょう。
もちろん、トルバドゥールの全てが定住生活を送っているわけではありませんし、そうしなければならないわけではありません。
トルバドゥールは以下の能力を使う事が出来ます。


楽器演奏 基準値:器用度
バード技能の同名の能力に準じます。楽器を巧みに操り、美しい旋律を奏でる技能です。
よりレベルの高いトルバドゥールほど、楽器の演奏も巧みなのです。酒場や街角で披露すれば『トルバドゥール技能LV×2D6枚』の銀貨を得る事が出来ます。
この場合、最低でも1時間は演奏し続けなければなりません。


歌唱 基準値:精神力
バード技能の同名の能力に準じます。伝説や伝承にメロディをつけたものを歌う事が多いようです。英雄譚や恋愛詩などがその題材には多く使われています。
こちらも酒場や街角で披露すれば『トルバドゥール技能LV×2D6枚』の銀貨を得る事が出来ます。
楽器演奏を同時に行っても、報酬額は増えません。


伝承知識 基準値:知力
バード技能の同名の能力に準じます。バードに比べて旅をする事が少ないとは言え、トルバドゥールの伝承に対する知識は決して劣るものではありません。
この能力は各地に伝わる神話や伝承、古詩に対する知識を表します。そしてそれらの伝説の中にある冒険のヒントや怪物の弱点などを得る事が出来るのです。
GMはそれらの情報を古詩や伝承の形でトルバドゥールに知らせたい場合に、伝承知識の判定をさせて下さい。
相応しい達成値を出したのであれば、その情報はプレイヤーに与えられます。


言語(会話) 基準値:知力
バードの同名の能力に準じます。LVごとに1つの言語を会話に限って取得する事が出来ます。
が、バードと比べて諸国を回る機会の少ないトルバドゥールですので、ゲームマスターは言語の取得に制限を設けるか、またはこの能力による言語取得を認めない事にしても構いません。
例えばあちらこちらの国を巡る冒険者の場合であれば言語を取得する機会は多いでしょうし、逆であれば当然その機会は少なくなります。
また、訪れた地域、もしくは接した事のある種族の言語に限る、と考えるのは理に適っています。


創作 基準値:精神力
ペインター技能の同名の能力に準じます。もっとも、こちらは詩や曲を創作するという違いはありますが。
日数をかける事による達成値上昇等についてもまったく同じとします。




フォーチュンテラー技能作成案:大騎さん

時には諸国を旅し、時には1つの街に腰を落ちつけて人々の運命を占う占い師です。決して冒険をする為の能力では在りませんが、その幾つかの技能は充分冒険をする上での助力となり得ます。
冒険に役立つフォーチュンテラー技能としては以下の物があります。


占星術 基準値:知力
 セージ技能に存在する同名の能力と同じ物です。
 フォーチュンテラーはこの能力を使い、天体の運行などにより大きな事件の「予兆」を知る事が出来ます。但し、この能力によって判るのは国や世界レベルでの大掛かりな事件や戦争のみで、それもあまり詳しい事は分かりません(北東地域で戦争が起きる等と言った程度)。
 尚、日蝕や月蝕、流星雨等は必ず何かの予兆です。


伝承知識 基準値:知力
 バード技能に存在する同名の能力と同じ物です。
 各地を旅する事も多いフォーチュンテラーは、世界の様々な伝承・神話などに触れている可能性があります。情報の対象が伝承・古詩などと言った形を取っている場合に限り、フォーチュンテラーは『フォーチュンテラー技能LV+知力ボーナス』を基準値として2D6を振り、出た目と基準値の合計が目標値に達していればキャラクターはその情報を得る事が出来ます。


言語(会話のみ) 基準値:知力
 トルバドゥール技能に存在する同名の能力と同じ物です。
 バード技能に在る能力とも似ていますが、常に人間または亜人に属する種族を相手にするフォーチュンテラーは言語の取得に若干の制限を受けます。
 例えば人間の中で生活する種族や、実際に接触した事の在る種族の言語しか覚える事が出来ない等と決めておくべきでしょう。またはこの技能での言語取得は一切出来ないと言う事にしても構いません。


占い 基準値:知力
 フォーチュンテラーは占いによって生計を立てています。レベルの高いフォーチュンテラーは、その名声によってより多くの客を引き寄せることが出来るでしょう。
 フォーチュンテラーは酒場等人の多い所でこの能力を使用することにより、『フォーチュンテラー技能LV×2D6』のお金を得る事が出来ます。




ノーブル技能作成案:Yoshikiさん

いわゆる貴族、王侯の所持する技能です。
通常のプレイでPCが身につける機会は希でしょうが、どういったものかということで掲載します。

宮廷知識 基準値:知力
貴族は宮廷儀礼を完全にこなせなければなりません。宮廷での失敗は即失脚につながると思ってもかまいません(国により若干の違いはあるでしょうが)。また、貴族にとって宮廷で流れる噂というのは想像以上に大事なものです。気を抜いていればいつ政敵に足元をすくわれるか分からないからです。貴族はそのような噂に精通しています。最後に、仮にも一国の政治を預かるものとして、自国及び他国の情勢もまた知らなくてはなりません。よって上記したことに準ずることの知識判定のみ、この技能で知識判定を行うことができます。

言語(読解のみ) 基準値:知力
セージの同名の技能に準じます。ただ主として教養のためだけに教育されることが多いため、会話の機会が極端に少なく結果として読解のみの取得となります。もし専属の教師(もちろん教える言語の会話・読解が出来なければ話になりませんが)が教えた場合には会話の取得も可能にはなります。

ダンス 基準値:器用度
宮廷では宴等におけるダンスというのは社交上で大変重要な意味を持ちます。貴族は子供のころからダンスのレッスンを受けます。うまく踊れなかった場合やまったく踊れない場合、田舎者として笑われることになるでしょう。

乗馬 基準値:敏捷度
同名の冒険者共通技能に準じます。貴族たるもの乗馬も出来ないようでは一人前とはなかなか認めてもらえません。

フェンシング 基準値:器用度・敏捷度
貴族たちの間でたしなみとして剣技が推奨されています。ただ、完全にスポーツと化してしまった感があり、実際の戦闘ではまったく役に立ちません。装備武器がレイピアか、それに準ずる片手刺突剣で、かつ鎧を着ていないか鎧がクロースであった場合のみ、この技能で攻撃及び回避を行うことが出来ます。また追加ダメージは筋力に関係なく0です。




ファーマー技能作成案:Yoshikiさん

大地を耕し、作物を育て、時には家畜の世話もする、人類に無くてはならない職業、それがファーマーです。
ファーマーは以下の技能を使う事が出来ます。


天候予測 基準値:知力
レンジャーの同名の能力に準じます。天候は農作物に密接に関係してくるためファーマーはそれまでの経験からある程度の天候の予測を行えます。

動植物鑑定 基準値:知力
レンジャーの同名の能力に準じます。農民は必然的に植物に詳しくなり、また家畜を育てたり野生動物から守ったりしなければならないため、動物の知識もある程度は持っています。

栽培 基準値:知力
ファーマーは植物を栽培して育てることが出来ます。収穫した作物は100uあたりファーマー技能レベル×2d6ガメルで売ることが出来ます。

前加工 基準値:器用度
ハンターの同名の能力に準じます。ファーマーが畜産を行っている場合、それを売りに出せるように前加工ができなくてはお話になりません。

価格判定 基準値:知力
ハンターの同名の能力に準じます。が、行えるのは食用の動植物、及び食用に加工された物のみとします。ファーマーの場合主に畜産なので鹿の角から装飾品を作ったりはできないのです。






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