エルラインの絵本・選択ルール


 選択ルール

ソード・ワールドRPGが誕生してから、既に10年以上が経過しています。
長い時を経て、完成度の高いシステムであったソード・ワールドにも当然改正・改良が行なわれて来ています。
その結晶とも言えるのが『ソード・ワールドRPG完全版』です。

現在進行中の『エルラインの絵本』では旧版ルールを使用しつつも、一部完全版で改正されたデータを用いています。
ここではどのルール及びデータが変わったか、またどう変わったか、そしてその内どのルールを選択して使用しているかを解説していこうと思います。


 アイテムの鑑定について
 今まで私がマスターを務めるセッションでは、アイテムの鑑定は賢者の学院(魔術師ギルド)で1回100ガメル、としてやって来ていました。
 『エルラインの絵本』においてその方法を完全版準拠に変更したので、ここにまとめて掲載します。
 NPCにアイテムの鑑定を依頼した場合、どのぐらいの手腕を持つ(技能レベルを持つ)NPCに依頼するかを決めなくてはいけません(そして勿論、それに見合った腕前のNPCがいることが必要不可欠です)。
 NPCの技能レベルを求めたら、以下の公式に当てはめて必要な金額を算出します。
 
 依頼料=NPCの技能レベル×NPCの技能レベル×30ガメル
 
 アイテムの鑑定に限らず、NPCに仕事を依頼する際には以上が大まかな目安となります。作業が手間のかかるものや危険を伴うものとなった場合、倍率を×40、×50、とGMが微調整を行なうこともあります。

 銀の武器と付与魔法について
 銀の武器は『通常武器無効』のモンスターに対してもダメージを与えられるという効果を持っていますが、その分通常の武具に比べて値段が五倍と高価になっています。
 にも関わらず、『通常武器無効』のモンスターに対しては銀の武器で殴るよりも『武器魔力付与(エンチャント・ウェポン)』をかけて攻撃した方が早くて便利で安い、というのが現実でした。
 そこで、銀の武器と武器に魔力を付与する魔法の扱いについても若干の修正が加えられています。
 まず、銀の武器には付与魔法はかからなくなりました。これは元々銀という金属が魔力を持っていることから、そこに更に魔力を重ねることが出来ない為、という事です。
 その代わり、銀の武器は今まで通り、その打撃力をそのまま『通常武器無効』のモンスター相手にも効果を発揮します。
 そして付与魔法をかけられた武器で『通常武器無効』のモンスターを攻撃した場合、従来は『武器の打撃力+魔法によって上昇した打撃力』がダメージとして与えられたのですが、完全版準拠の場合は『魔法によって上昇した分の打撃力のみ』を打撃力としたダメージだけとなっています。
 よって、『通常武器無効』のモンスターを攻撃する場合、『武器魔力付与(エンチャント・ウェポン)』をかけた武器であれば打撃力は5、『炎の武器(ファイア・ウェポン)』をかけた武器であれば打撃力は10となります。
 同様に『通常武器無効』のアンデッドに『聖なる武器(ホーリー・ウェポン)』のかかった武器で攻撃した場合も打撃力10となります。この場合、相手がアンデッドでない場合はダメージは与えられません。

 魔晶石の値段について
 精神点を蓄えておける便利なアイテム、魔晶石。
 旧版ルールでは、この魔晶石がいささか廉価であった為、その値段を求める公式が改められました。
 改定後の公式は以下の通りです。
 
 魔晶石の価格=残り精神点×残り精神点×100ガメル
 
 従来のものに比べ、残精神点による価格の幅が広くなっているという事です。
 ついでに、一般市場に出回る魔晶石のほとんどは残り精神点の少ない、『チビた』ものです。

 魔法の達成値上昇について
 魔法を唱える際、余分に精神点を消費することで達成値を上昇させる事が出来ます。
 旧版ルールではこの余分に捧げる精神点に(自己の限界以外に)上限はありませんでしたが完全版準拠のルールでは上昇させる事の出来る達成値に制限が設けられました。
 例えばソーサラーがLv5になるとその時点でLv1の魔法は全て消費1点で唱えられる為、達成値の上昇が非常に簡単になり、一撃に全てを費やせば『眠りの雲』の達成値上昇+13、といった事も可能になってしまう事態が生じてしまう為です。
 達成値の上昇は、ルーンマスターレベルの半分(端数切り上げ)までと変更になりました。
 1〜2レベルなら+1、3〜4レベルなら+2、という具合です。

 ミスリル銀の扱いについて
 旧版ルールでは、ミスリル銀は以下の特性を持っていました。
 
 @ 必ず魔法の品物である
 A 銀としての特徴を持つ
 B 通常の武器、防具より、必要筋力が3分の1
 C 様々な色彩を持つ
 
 これらの特徴の内、変更になったのはBの重量についてです。
 従来のルールでは必要筋力が3分の1(端数切り上げ)となるため、シーフ技能でも巨大な(=本来は必要筋力の大きな)武器を扱えるという事態が生じてしまったのです。
 その為、完全版準拠のルールを採用することにしました。完全版でのミスリルの扱いは、Bが以下のように変更になっています。
 
 B’ 打撃力/防御力が+5
 
 以上のように変更されます。軽くなるのではなく、打撃力/防御力が本来のものに上乗せされる形になります。
 これにより、元々の武具の限界の数値を突破することも有り得ます。



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