“混沌”詳細解説
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“混沌”とは、古代王国期に死霊魔術、錬金魔術を修めた優れた魔道師であり、また比類無き才能を持つ絵本作家でもあったエルライン・ルフの作品に触れてしまい、物質界、妖精界、精霊界のひずみを体内に取り込んでしまった力のことを言います。
このひずみそのものを“混沌”と呼ぶこともあれば、ひずみが体内に宿った状態をそう呼ぶことも、またひずみを宿した人間を“混沌”と呼ぶこともあります。
“混沌”には以下の特性があります。特に明記がない以上、この特性はすべての“混沌”において共通のものとなります。
【常動】
【常動】は常に発揮されている効果です。所有者が意識していようといまいと、また、望まなかったとしても常にこの効果は発揮されています。【常動】に含まれる特性には弱点が含まれている場合もあります。
【発動】
【発動】は所有者が意識して初めて発揮される効果です。特に明記の無い場合宣言をするだけで効果を発揮することが出来ます。戦闘中はラウンドの最初に宣言することが必要です。また、何らかの条件が必要な場合もあります。★のついている場合、【発動】させるために1行動を消費します。
【消耗】
【消耗】は特に明記の無い場合、所有者が意識することによって発揮される効果です。発揮する際に生命力か精神力を消耗します。どちらを消費するかは個別に明記されていますが、消費量は一定で生命力/精神力ボーナスに等しい値となります。
特に明記の無い場合、【消耗】の特性を発揮するためには行動を消費します。魔法の詠唱と同じく移動は“静止”状態(=3m以内)になければなりません。
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《念》
強固な意志の力により精神を昇華させます。昇華された精神は《念》と呼ばれ、心身を清浄に、そして頑強に導きます。
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【常動】
《念》を持つものは無意識の内に常に心身の自浄を行っています。このため、毒や魔法に対する生命・精神抵抗ロールに常に+2のボーナスが得られます。
また、その上で毒に冒された場合にも被る影響は非常に薄くなります。ダメージを受ける毒の場合、そのダメージを常に3点軽減することが出来、持続時間を持つ毒の場合は持続時間が半分になります。
《念》による自浄作用はあくまで肉体・精神の内面的な部分に及ぶのみなので、ドラゴンのブレスなどに対する抵抗ロールにはボーナスはつきません。詳細はGMの判断に委ねます。
【発動】
《念》は自らの心身を研ぎ澄ますのみならず、相手の精神を挫き、戦意を喪失させることも出来ます。
《念》を発動させた状態で攻撃を(素手、武器、飛び道具の別は問いません)命中させ、ダメージが発生した場合対象に打撃力0の精神ダメージを追加で与えます。
このダメージには使用者の冒険者LV+精神力ボーナスが追加ダメージとして加算され、対象はLV及び魔法的な防護によってのみ減点が可能です。
この攻撃は通常武器が無効な相手に対しても精神的攻撃としての効果は常に発揮します。
【消耗】
精神力を消耗することにより一時的に肉体的能力を向上させることが出来ます。持続時間は一回の消耗につき18ラウンドです。
能力値ボーナスを冒険者LV÷3(端数切り上げ)個まで+1することが出来ます。複数個のボーナスを一箇所に重複することも可能です。
ただし、能力値そのものには影響を与えません。敏捷度に《念》によるボーナスをつぎ込んでも回避能力は上がりますが行動順序や移動速度には影響を与えませんし、筋力に《念》によるボーナスをつぎ込んでも追加ダメージは上がりますがより重い武具を装備できるようにはなりません。。
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《狂戦士》
全てを極めた精霊使いにすら使役も交信も理解も不能な怒りの精霊、フューリー。
《狂戦士》はそのフューリーに触れた恐るべき戦士を指します。
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【常動】
フューリーを宿した、あるいはフューリーに乗っ取られかけているせいで《狂戦士》の感情の精霊は追いやられ、悲鳴をあげて押し潰されそうになっているのです。そのため、精霊使いにとって《狂戦士》はそばにいるだけでどことなく不快感を覚える存在になるでしょう。
それ以外には《狂戦士》は普段は一般人と何ら変化はありません。ただ、勘の良い精霊使いならば《狂戦士》の持つ感情の精霊がひどくいびつに歪んでいることがわかるでしょう。
ただしひとつだけ、《狂戦士》がひどく激昂した場合、冒険者LV+7を目標値とした精神抵抗ロールに成功しなければ自動的に下の【発動】を発揮した状態でバーサークし、見る者全てに襲い掛かります。
この場合でも神聖魔法の『サニティ』は有効で、《狂戦士》が抵抗に失敗した場合はバーサークを解除して尋常の状態に戻すことが可能です。
【発動】★
フューリー ――― 怒りそのものの衝動に身体を委ねることにより、常以上の戦闘能力を得ることができます。
フューリーを解放すると同時にファイターLVに+2されます。ただしその間はファイター技能以外のあらゆる技能を行使できなくなります。唯一の例外はウーシュー技能で攻撃・回避に用いることが出来ますが、その場合も気功術の行使は不可能です。
尋常にフューリーのコントロールを抑えていられるのは冒険者LV+精神力ボーナス+6ラウンドまでです。それを過ぎた場合、《狂戦士》が毎ラウンドの最初に冒険者LV+7を目標値とした精神抵抗ロールに成功しなければフューリーは暴走し、《狂戦士》は文字通りのバーサーク状態に陥って見る者全てに襲い掛かります。
この場合でも神聖魔法の『サニティ』は有効で、《狂戦士》が抵抗に失敗した場合はバーサークを解除して尋常の状態に戻すことが可能です。
【消耗】
精神力を消耗することにより、フューリーに己の心を喰わせて爆発的な戦闘能力を得ることが出来ます。
任意の戦闘技能に+4(註:レンジャー技能およびフェンサー技能は、厳密には戦闘技能ではないことに注意)され、更にルーンマスター以外のあらゆる技能を通常どおりに使うことが出来ます。
この状態の《狂戦士》にはあらゆる精神的効果を上げる魔法や特殊攻撃が無効になり、更に生命点が0になっても行動を続けられます。
フューリーに心を“喰わせた”状態を持続できるのは精神力ボーナス+2ラウンドまでです。それを過ぎるとバーサーク状態に陥って見る者全てに襲い掛かります。この場合、神聖魔法の『サニティ』も効果がなく、《狂戦士》が毎ラウンドの最初に冒険者LV+12を目標値とした精神抵抗ロールに成功しなければ解除できません。
それを防ぐには、己の身体をコントロールできるうちに自らの精神力を0にしてスタンする以外にありません。フューリーに心を“喰わせた”状態ならば、行動順などに影響されることなく、いつでも自らの意思でスタンすることが可能です。
自らの意志によらずとも、精神力が0になってスタンした場合は自我を取り戻し、同時に効果も消えます。
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《迅》
常人よりも素早い反応力をしています。
基本的には、動きが速いのではなく、動き出すのが早い、ととらえて下さい。
勿論、その気になれば動きそのものを素早くすることも可能です。
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【常動】
戦闘時に敏捷度に関係なく最初に行動できます(敏捷度には影響を与えません)。
呪歌の『マーチ』などの影響下にある場合は例外となりますが、それ以外のあらゆる効果に優先して戦闘ラウンドで最初に行動を行うことが出来ます。
もちろん、通常の敏捷度で行動することも、ラウンドの最後に行動することも可能です。
【発動】
瞬間的に爆発的な脚力を生み出すことにより、空気を踏み台にした跳躍が可能となります。
このため、宣言をした後に行う跳躍は通常の倍の飛距離を出せます。判定の際には分冊1 P195の幅跳びにかかる修正を半分にして下さい。
GMの判断次第では高飛びでも常識では考えられない高さを超えられるでしょう。
また空気を踏み台にした跳躍の応用で予測不可能な方向からの攻撃を仕掛けることが出来ます。これにより、攻撃対象の回避に−2のペナルティが課せられます。ただし、この攻撃を用いた次のラウンドは体勢を大きく崩すため《迅》のあらゆる効果を使用出来なくなります。
【消耗】
生命力を消耗することにより、一定の特徴あるリズムでの動きを作り出して残像を生み出すことが出来ます。一回の消耗で残像を1体生み出せます。残像は、使用者が何らかの理由で気を失うか自らの意思で消すまで持続します。
残像1つにつき回避に+2のボーナスを得られます。このボーナスは重複します。
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《絲》
不可視にして強靭な糸 ――― 《絲》(いと)。
他者の目にはおよそ無限長とも見えるそれを、自在に操ることが出来ます。
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【常動】
《絲》と呼ばれる、不可視のそれを常に自在に操ることが出来ます。その長さは精神力ボーナス×100メートルとします。《絲》は恐ろしく強靭で鋭利、そしてしなやかで、およそこの地上にある方法のいずれを以ってしても断ち切ることは不可能といえるでしょう(ゲーム上、強度は古代語魔法の『ルーンロープ』と同様に扱います)。
自在に操ることが出来るとはいえ、通常の状態では《絲》自体には独自に標的を縛るような力はありません。その代わり、《絲》を触角のように使うことが可能です。
微細にして鋭利な《絲》はかすかな空気の震えすら振動として捉え、持ち主に伝達します。
このため《絲》使いは周囲の気配や物音に敏感なため『聞き耳』や『危険感知』の判定に常に+4のボーナスがつきます。
【発動】
意識を集中することにより、《絲》を様々に動かすことが可能です。《絲》はまったく術者の意志通りに動き、細やかな作業なども術者の指そのもののように(あるいはそれ以上に精密に)こなせます。
そのため罠の解除/設置、鍵開けの判定に+2のボーナスを得ることが出来ます。
また、術者の意思だけで動くのでたとえば術者自身が何らかの理由で動けなくても《絲》だけは動くことが出来ます。この場合、《絲》がどれだけの重量を動かせるかは術者の精神力をそのまま筋力に換算して概算してください。
なお、【発動】による《絲》の有効射程範囲は10mです。さらに視界外へは効果が及びません(鍵穴の中など勘でこなせる場合はある程度は有効でしょう)。
【消耗】
精神力を消耗することにより、古代語魔法の『刃の網』と同等の効果を発揮することが出来ます。打撃力やクリティカルの扱いはそのままですが、抵抗は行なえません。
ただし、持続は『集中』で、毎ラウンド精神点の消耗を行ないます。追加ダメージは『術者の冒険者レベル+精神力ボーナス』となります。
また個人に絡めるのみならず物体の破壊にも使えます。この場合、刀の『斬鉄』と同様に扱ってください。打撃力20の刀として扱い、1ゾロをだしてもダメージは跳ね返ってきません。
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《歌》
貴方の歌声は物質界の存在には影響を与えません。
しかし貴方の《歌》はひどく捻じ曲がった世界と物質界との扉を開きます。
その捻じ曲がった世界の力をこちらに引き込む《歌》、それこそが貴方の内に秘めた“混沌”の姿です。
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《歌》には例外的に【常動】がありません。そのため、他の“混沌“所持者のように普段から何か超常的な能力を発揮することはありません。
その代わり、《歌》は他の“混沌”とは違い実に多岐にわたる効果を持っています。その数は、使用者が覚えている《歌》の数だけあります。
新たな《歌》を覚える事で行使できる能力はどんどん増えていきます。また、《歌》といっても実際に声を出す必要はありません。《歌》が旋律を響かせるのは、物質界ではない世界なのです。そのためミュートやサイレンスなどの支配化にあっても《歌》の行使/持続の妨げにはなりませんし、行使/持続をしても使用者が声を発するという事にもなりません。
【発動】や【消耗】といった区別も無く、その能力を発揮するには冒険者レベル+精神力を基準値としたロールを行ない、個々の《歌》ごとに定められた難易度以上の数字を出せばその《歌》の効果を発揮できます。このロールには行動を消費します。
また、《歌》は『持続:不可』とあるものを除いて、毎ラウンドの開始時に難易度ロールに成功しつづける限り持続されます。持続のためのロールには行動は消費しません。
さらに《歌》を持続している間は呪文の詠唱以外のあらゆる行動を通常どおりに行なう事が出来ます。ダメージを受けるなどしても《歌》の持続が途切れることはありません。
発動/持続のロールに失敗すると即座に効果は途切れ、さらにこの時のロールで1ゾロを出した場合、使用者は精神点に3点のダメージを負います。このダメージはあらゆる方法での減点が不可能です。
以下に現時点で使用可能な《歌》を掲載します。
【剣】
持続:可 距離:接敵 範囲:単体
難易度:8 効果:打撃力10の物理攻撃を行なう剣を召喚する
解説:接敵状態にある対象に持続中自動的に攻撃を行なう【剣】を召喚する《歌》です。持続中は接敵状態にある対象を変更することは可能です。また、ディザーム等は行なえません。攻撃を行なわないのは使用者の任意です。
召喚された【剣】は以下の攻撃能力を持ち、常に使用者の行動と同じタイミングで攻撃を行ないます。
攻撃力:使用者の冒険者レベル+精神力ボーナス
打撃力:10 クリティカル値:10 武器属性:ソード
追加ダメージ:使用者の冒険者レベル+精神力ボーナス
【剣】はあらゆる攻撃・魔法を受け付けません。
【鎧】
持続:可 距離:使用者 範囲:使用者
難易度:8 効果:使用者の周囲に防御力+10の鎧状の力場を形成する
解説:《歌》を持続している限り、使用者の周囲に防御力+10の鎧状の力場が創られます。この力場は使用者の動きを一切阻害せず、また重さもありません。持続中は使用者の身体は淡い光を放ちます。
【盾】
持続:可 距離:使用者 範囲:使用者
難易度:8 効果:使用者の周囲に自動的に物理攻撃を弾く盾を召喚する
解説:自動的に使用者に対する物理攻撃を弾く【盾】を召喚します。《歌》の発動と同時に使用者の周囲を盾が浮遊し、あらゆる攻撃に対して自動的に防御を行ないます。この【盾】は使用者の冒険者レベルに等しい回避値を持っており、【盾】の使用者はあらゆる物理攻撃に対してこれを基準とした回避を試みることが出来ます。
この回避に成功した場合、通常の回避に成功したことと同じ扱いになります。たとえ【盾】による回避に失敗しても通常通り、自力での回避行動は可能です。つまり【盾】を持続している間はあらゆる物理攻撃に対して二回、回避の機会を得ることが出来るようになるのです。
【盾】は一見通常の素材で出来ていますが、あらゆる魔法の効果を被りません。
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《人面疽》
身体のどこかに人の顔をした痣があります。この痣は人格、意志、感情、知覚組織を持ち、宿主と言葉による会話を行えます。
この痣を《人面疽》と呼びます。他の名称をつけるのは自由です。
場合によっては貴重な助言をしてくれることもあるでしょう。原則として、宿主には協力的です。
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【常動】
《人面疽》は深く広い知識を持ちます。神話伝承等の判定の際、宿主の代わりに基準値15の判定を行えます。モンスターの知名度判定やアイテムの鑑定に関しては、GMの判断で可不可を伝えて下さい。
この痣の外見は酷く醜怪で、見る者に嫌悪感を抱かせるでしょう。
【発動】
《人面疽》から生命エネルギーを供給してもらうことにより、宣言をしたラウンドから生命力ボーナス+冒険者LVラウンドの間、ラウンド終了時にレーティング0、追加無しの生命力のリジェネレートを行えます。
ただし、この特性の発揮には痣の近くに地水火風のいずれかの精霊力のうち最低で2つ以上が存在することが不可欠です。これは《人面疽》が四大元素を元に生命エネルギーを作成するからです。
【消耗】
精神力を消耗することで自身を中心とした半径5m/Rの範囲内に純エネルギー属性の衝撃波を放てます。この衝撃波は抵抗不可能な打撃力10の魔法として扱います。
追加ダメージとして使用者の冒険者レベル+生命力ボーナスを加算できます。
また、追加で1点の生命点を消費することにより、効果範囲内の任意の対象を衝撃波の影響から外すことも出来ます。
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《王国》
おおヴェルストゥラよ
汝は王
唯ひとりの王なり
一握の砂も持たず
ひとりの臣も従かず
唯独りあるだけの滑稽な王なり
否 否 否
王の在る場所が
即ち王国なのだ
――― エルライン・ルフ
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【常動】
一握の領土もひとりの民も持たぬ王、それが貴方です。貴方には領土も無く、臣民もいませんが貴方は間違い無く王なのです。いかに外見がみすぼらしくとも、幼くとも、貴方には内面から滲み出すカリスマがあります。
そのため、貴方は対人関係において非常にたやすく他者と良好な関係を築けるでしょう(註:本来のソードワールドのシステム内にはこの類の修正はありません。ですがGMは数値として判断するのであれば+2程度のボーナスを与えるつもりでいてください)。
友好な関係ばかりではなく、時には相手を服従させることもかなうでしょう。立ち居振舞いの挙措に、王侯でしか得られない威厳が伴うのです。
【発動】★
貴方は領土持たぬ王です。しかし、王がいるところが《王国》となるのです。言い換えるなら、貴方は自分のいる場所を《王国》にしてしまうだけの力を持っている王なのです。
1日に精神力ボーナスに等しい回数だけ、貴方は《王国》を解放することが出来ます。
《王国》の解放中、《王国》内のあらゆる判定において、貴方は+2のボーナスを得ることができます。また、判定に対するボーナスのみならず、ダメージ減少値にも+1のボーナスがつきます。
また《王国》内にいるすべての任意の存在に対して、あらゆる判定に+1のボーナスを与えることができます。ただし、自分以外の存在に対してはダメージ減少値に対するボーナスはつきません。
《王国》の解放手順は以下の通りです。
持続時間と効果範囲を求めます。
持続時間は《王国》解放時の使用者の残精神力に等しいラウンド数となります。
効果範囲はいささか複雑な手順を踏みます。
まず、《王国》解放時の使用者の残精神力をキーナンバーとして、レーティング表から数値を求めます。
この際のロールにはクリティカルが起こり得ます。クリティカル値は10です。
こうして得られた数字に冒険者レベル+精神力ボーナスを加えます。
使用者を中心にこの数字を半径とした範囲が《王国》の効果範囲となります。
【消耗】
貴方は臣の居ない王です。しかし、《王国》においては臣は王に従って生まれ出るものです。言い換えるなら、貴方は《王国》内に自らの臣を生み出せるだけの力を持った王なのです。
精神力を消耗することで、《王国》解放時に限定して貴方はレーティング表の0欄でロールをして得られた数字に等しい数の兵士を召喚できます。この際のロールにはクリティカルが起こり得ます。クリティカル値は12です。
兵士たちの能力値はすべて12とし、《王国》使用者=王の冒険者レベルより2低いファイター技能を所持しています。武具は片手剣に小型の盾、革鎧です。(外見上の)性別や容姿は王が任意に決められます。
兵士は王の命令に絶対服従です。自殺的な命令さえも諾々と受け入れるでしょう!(彼らには『生命』という概念はありませんが)
ただし、すべてに優先させて王の生命を守ろうとします。たとえ王の命令に逆らおうとも、かれらは王の生命の安全を最優先させる行動を取ります。
この兵士は《王国》の解除と同時に消滅します。
以下に兵士の簡易なデータを挙げます。簡略化のためにモンスターと同じ表記にしてあります。
兵士( |
《金剛力》
貴方は常人とはほとんど変わらない外見の下に、恐るべき膂力を備えています。
その気になれば巨岩を転がすこともかなうでしょう。
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【常動】
《金剛力》の持ち主は筋力に+6されます。
それに伴う装備可能重量の変化や追加ダメージの上昇も通常通りに起こります。
【発動】★
精神を集中させることにより、戦闘時以外に限り筋力に+50することが出来ます。
常人の五倍の筋力が加算されるのですから、馬や牛程度ならば動かすことが出来るでしょう。
ただし、この状態で攻撃などを行なうことは出来ません。精神集中が必要な上にあまりに激しすぎる筋力の増加のため、戦闘に耐えるほどの素早い動きが出来なくなってしまうのです。
出来ない、というワケではないのですが……スクーターにF1のエンジンを積むようなアンバランスな状態ですので戦闘用の動きをすれば五体が引き千切れかねないのです!
そのため、重量挙げなど以外には+50された筋力を発揮出来ないとします。
また、【常動】の+6とは累積されるので、実質は本来の筋力に+56となります。
【消耗】
生命力を消耗することで、一瞬だけ、打撃のインパクトの瞬間だけ筋力を爆発的に増加させることが出来ます。
これにより直接攻撃の打撃力に+30することが出来ます(50を超えた分は+5ごとに追加ダメージに1を加算します)。
ただし、あまりに猛烈な負荷に武器は耐えきれず、一撃を加えたと同時に使用していた武器は破壊されます。
このとき使用していた武器が魔法の品だった場合(もしくは魔力を付与されていた場合)武器は破壊されませんが、攻撃の反動で使用者にダメージが跳ね返ります。
攻撃によってダメージが生じなかった、あるいは攻撃が外れた場合は使用者にダメージが跳ね返ってくることもありません。
この時のダメージは攻撃で算出されたダメージの1/2となり、鎧での減点は不可で冒険者レベル及び魔法的な防護による減点のみが可能です。
また、最終的に受けた跳ね返ったダメージの数値に等しいラウンドの間、攻撃に使用した腕は一時的に麻痺状態となり、使用不可となります。これは規定ラウンドを経過する以外には神聖魔法の『リフレッシュ』などでのみ回復可能です。
尚、投擲武器でこの能力を行使する場合は攻撃力に−6のペナルティが加わります。過剰な筋力の為、抑えが利かなくなってしまうのです。
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《触手》
“混沌”の烙印を押され、明らかな外見の変化を生じてしまいました。
第三腕の出現。
烙印は、人との決別の変わりに、新しい力を与えてくれます。
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【常動】
三本目の腕が出現します。この腕は『利き腕ではない腕』として扱います。これを《触手》と呼びます。
《触手》の形状は使用者が任意に決めて構いません。通常通りの腕が一本増えても構いませんし、蔦のような形状でも、文字通りの触手でも、不可視でも構いませんが、形状によって何らかのボーナスやペナルティが生じることはありません。
《触手》は完全に使用者の任意で出し入れが出来ます。出し入れには行動を消費しません。ただし、一般人や事情を知らない人間の前で出現させた場合、穏やかならざる反応が返ってくるでしょう。
『利き腕ではない腕』が増えたことによる恩恵は様々でしょうが、以下にいくつか例を挙げます。
・両手武器を持ちながら盾の装備が可能
・クロスボウを毎ラウンド射撃可能(クレインクインクロスボウは2ラウンドに1回)
・両手に物を持ったまま精霊魔法の行使が可能
・片手に物を持ったまま古代語魔法の行使が可能
なお、盾を二つ持った場合はスモールシールド×2の場合は純粋に回避力に+2としますが、ラージシールドを含めた場合は動きづらさ、扱いづらさなどで相殺され、無意味とします。
その他にも常識的に考えて可能な行動はいくつかあるでしょう。
【発動】★
意思を高めることにより《触手》を利き腕と同等に動かすことが出来ます。
これにより、二刀流の際に受けるペナルティが±0になります。
【消耗】
生命力を消耗することで《触手》をさらに1本生やします。この新たに生じた《触手》は利き腕として扱います。
新たに増えた《触手》の持続時間は18ラウンドです。
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