おッす、みんなッ!
ボクは桜井小蒔。
みんな知ってるよねッ!
今日は、昨日やっと買った朧にハマって予定の半分もSSを消化していない作者に代わって、ボクが最近起こったとっても怖い話を紹介するね。
あれは、四日位前かな。
何時もの様にボクが大好きなひーちゃんと「ラヴラヴデート」をしていた時のことなんだ。
「よう、色男。可愛い娘連れてるじゃねぇか。へへっ、ちょっと俺達にも貸してくれよぉ」
可愛い娘ってところは否定しないけど、こんな奴等に好きにされるなんてゴメンだねッ!
だって、ボクの身体に触っていいのはひーちゃんだけなんだから。
アッと、これはちょっぴり問題発言だったかな。
とにかく馬鹿な奴等だよねッ。
ボクのひーちゃんに勝てるわけ無いのに。
何たってLV99なんだから。
おまけに何時だって肌身離さず黄龍甲、八咫鏡、聖杯を見に付けているんだから。
ちなみにボクは流石にデートの時は弓は家に置いて有るよ。
ま、そんな訳で殆ど一瞬(1ターン)の内に相手は全滅。
ボク達はデートを続けようとしたんだ。
ところが、1人だけ離れて居た奴が、卑怯にも武器を持たないボクのトコロヘ向かって来たんだ。
ひーちゃんは行動力を使い果たしてボクのトコロまで来れない。
小蒔ちゃんピンチ!
その時!
『うおおおッ!!』
獣のような叫び声が響いて、何かが繁みから飛び出してきたんだ。
それは――
「だ、醍醐クン、紫暮クン!?」
その後に起きた事は白昼の夢だったのかもしれない。
2人が驚きの余り固まっているチンピラの両脇にまわり、そして――
「うなれ、嵐の上腕筋!!」
突然2人が服を脱ぎ出したんだッ!
「燃えろ、炎の後背筋!!」
遂に2人ともビキニパンツ1丁になる。
「しなれ、疾風の大腿筋!!」
そしてポージングを取りながら、じわりじわりとにじり寄って行く。
「叫べ、雷の三角筋!!」
2人の身体からは大量の汗が、それこそ滝のように流れ落ちていた。
「ひ…ひーちゃあぁぁん…」
「あ…あ…あ…あ…」
余りのことに流石のひーちゃんも声が出ないみたい。
「荒ぶる肉体に全てをかけた!!」
醍醐クンがそう言うと、2人がチンピラの服を一気に剥ぎ取る。
『不動禁仁宮陣!!』
そして2人はサンドイッチのようにチンピラを挟みこむと、両側から身体を密着させ、流れ出る汗をなすり付け始めたッ!
すりすり…
ぬるぬる…
にちゃにちゃ…
世にもおぞましい音が辺りに響き渡る。
「…ひ…ひーちゃああああああん…!!」
「…あ…あ…あ…あ…あ…あ…」
ボク達はただ呆然と抱き合ってその光景を眺めているしか出来なかった。
そしておよそ数10分、いや実際は数分くらいかも知れない。
とにかく、とてつもなく長く感じられた時間が過ぎ、2人が身体を離した時、チンピラは完全に石化していた。
そして2人は――
『はっはっはっはっはっはーーーッ!!』
身体を絡ませ合うようにポーズを取りながら、夕日を背に笑い続けた。
その時、ボクには確かに見えたんだ。
2人を包み込む夕日が、大輪に咲いた真っ赤な薔薇の花に。
ねッ、とっても怖かっただろッ?
でもボクは時々思うんだ。
醍醐クンをあんな風にしたのはボク達なんじゃないかって。
だから、ちょっとだけゴメンね、醍醐クン。
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