ただそれだけの幸せ



 お昼休みにひーちゃんと屋上でお昼寝。

 仰向けに寝ッ転がると、空は真っ青。

 お陽様ポカポカ良い気持ち。

 横を見ると、キミはもう夢の中。

 ちょっと身体を起こしてキミの顔を覗き込む。

 優しい寝顔。なんか目が離せない。

 すやすや寝ているキミと、それをじぃっと見つめているボク。

「えい」

 柔らかそうな頬っぺたをプニプニ突っつくと、むにゃむにゃ言いながらキミがその場所を指で掻く。

「クスクス…」

 なんか可愛い。

「…小蒔…」

「えッ?」

「…すー…すー…」

 いきなり名前を呼ばれてビックリしたけど、どうやら寝言みたい。

 ボクの夢を見てるのかな?

 ちょっと胸がドキドキ。でも嬉しい。

「…すー…すー…」

「…ふぁ〜あぁ…」

 キミを見てたらボクまで眠たくなってきちゃった。

 さっきよりもちょっぴりだけキミの近くへ寄って、コロンと横になる。

 キミの寝息を聞きながら、ボクも一緒に夢の中。

 今日も幸せ。

 










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