ふたりはプリキュアSplash☆Star 第41話〜


▽第41話▽王女が危ない!奪われたキャラフェ!!
 キャラフェの力でカレッちとモエルンバが復活しておりました。
 ゴーちゃんマークがついていたので復活はゴーちゃんの力だと思っていたのですが、違いましたね。ちゃんと設定や伏線を生かした蘇生の仕方でした。最初からゴーちゃんがキャラフェを奪え、とか突っ込んではいけません。
 しかし予想以上にカレルンバコンビは相性が良かったですねえ。
 最も真面目な「敵幹部」であるカレッちと、最もおちゃらけたキャラであるモエルンバは恐らく対極に位置する性格をしているのでしょうが、それだけにこのふたりの絡み合いは芸術的に面白かった。
 技、というか属性の相性の方はバッチリだった様で、木気のカレッちは火気のモエルンバのブーストのような感じになったのでしょうか。カレッちサンダー! モエルンバサンダー! カレルンバ・マーブルスクリュー!って感じでした。なに言ってんだ俺。
 つーかモエルンバテンション高すぎ。あとカレッちといちゃつき過ぎ。良いぞもっとやれ。

 そしていよいよ次週、満薫が復活、乃至再登場の模様。
 洗脳されて再び敵となるのか、或いは……?

 期待を留めることは出来そうにありません。

▽第42話▽お帰りなさい!満と薫!!
 満と薫が帰ってきましたよー!
 うう、予想された展開であったとはいえ、よかった、本当に良かったよー!

 ……とはいえ、まあ、少々の不満が無いわけでもなく。
 まず第一に、今週はタイトルをもう少しなんとかするべきだったと思います。緊迫感に欠ける事甚だしいったらありゃしない。先週の予告の時点で結果がバレバレなのはどういうことか。
 それ以上に、OP後のゴーちゃんの独白の「目覚めないでしょうね」の台詞の後にタイトルコールで「お帰りなさい!満と薫!!」って入るもんだから「いや目覚めるんじゃねえか!」と素で突っ込んでしまいましたよ。ええ。

 第二に、満&薫の帰還フラグがちょっと物足りなかった。
 これは個人的な趣味になってしまうんですが、意思=心の力“だけ”で奇跡の逆転が起きる、という展開はあまり好きではないのですよ。
 根性は大好きですが、根性だけで何もかも乗り切るのは製作者の怠慢だと思えてしまうのです。視聴者を納得させるだけの展開を準備できないのか、と。
 ただし、ここでその心の力的なモノを喚起するのに前々から張られていた伏線を消化し、或いは設定を生かしてくれるのならば、むしろそれは大好物になります。
 まあ、有体に言えばですねえ。
 なぜみのりちゃんの絵という絶頂必至のフラグを用いなかったんだ!
 ということですよ!
 もうちょっとこう、咲舞とのつながりを明確に生かした展開にして欲しかった。
 勿論、「心の絆という目に見えないモノ」がその材料であってもいいわけですが、ならばその絆を燃焼させる為に、視聴者が思わず熱くなるようなカタルシス満点の展開を用意して欲しかったわけですよ。ああ、そうかあ! そうだよな! それなら復活もするよな! と拳をアツく握り締めるような。

 満と薫の帰還は心から嬉しいのですが、もうちょっとこう……どうせなら咲舞が自らの手で封印を解く、或いは直接語りかける、ぐらいのことはしてほしかったかなあ、などと。
 渋い声で喋るコロネや復活のカレドロンコンビなど楽しい要素が盛り込まれていたのは嬉しいものの、今週に限ってはむしろ満&薫の復活にのみ焦点を絞って欲しかったな、と。
 ちょっとそんなわがままな事を思ってしまいました。

▽第43話▽夢じゃない!みんなのいる一日
 満と薫の復活である。
 正確には復活は先週のことであるけれども、このふたりが咲たちの“日常”へと還って来たという意味合いでも、今週こそが満&薫の復活の回と言うに相応しいのでは無いでしょうか。

 緑の郷の皆の記憶が戻っていたのも、素直に嬉しかったなー。特にみのりちゃん。
 あの「薫お姉さんって、誰?」と言っていたのが本当にキツかった分、みのりちゃんが薫お姉さん好き好きビームを発してくれるのは本当にハートと股間にジンジン来ましたよ。
 つぅかみのりちゃんは薫お姉さんのこと好きすぎだろう。あと薫もみのりちゃんのこと好きすぎだろう。いいじゃん、もう、あんたら身も心もスウィーツに溶けあっちゃえばいいじゃない。
 もう薫はパンパカパンに嫁入りしちゃおうよ。一緒に満も来てメロンパンをかりかりもふもふしまくれば良いじゃない。咲は美翔家に婿入りするので後継ぎ問題も揉めないよ。

 閑話休題。
 周囲の人間の反応のみならず、満と薫が壮絶なまでのデレモードに以降しているのもまたたまりません。
 ナチュラルに今の状態を「楽しい」と言うふたりに知らず熱くこみ上げるものがあります。いや性的な意味じゃなくてね(うるさいよ)。

 しかし、進行中随所に満たちに死にフラグっぽい台詞や描写があったのが恐くて恐くて。
 復活したのはいいけれどまたすぐにお別れ……などとなるのではないかと、最後まで戦々恐々でした。
 結果としてその危惧は杞憂であったわけですが、いやいや、先週のあまりに分かり易すぎた構成と対称的でした。

 しかして、今回の見せ場は戦闘パートでしょう。
 驚くほど錬度の高いアニメーションで構成された戦闘パートは、間違い無くS☆S史上ではトップクラス、無印やMHを勘定に入れても屈指の出来であったと思います。
 満と薫は咲と舞さまのようなバリアを張れない分、キントレスキーとモエルンバの攻撃を生身でガードしなければならないわけですが、その分打撃の重みが観ている側にも伝わってきて大迫力でした。これですよ、美少女たちの肉弾バトル、これが観たかったんですよ。
 しかし、無印&MHのような肉弾バトルをS☆Sでは減らしてしまったのは、少女たちが殴り殴られるのが痛々しいから、とのことであるようですが、闘争というのは奇麗事ではなく痛みを伴うものだというのはむしろ子供には積極的に教えるべきではないかと思うんですが……まあそれは余談。

 戦闘パートの白眉としては、ピックアップするならばキントレさんのパンチを満がいなして後ろ廻し蹴りを決めるところのシーンでしょうね、やはり。容赦なく顔面に踵を叩き込む辺り、満のスパルタンな側面が伺えます。
 それと同時に、確実にカウンターを決められたにも関わらず即座に殴り返すキントレさんのタフネスさの誇示もするという見事な演出。
 思いっきり偏見に満ちた言い方をしますが、この一連のアクション描写は通常の女の子向けアニメではめったに見られないと思うのですよ。
 バトル一辺倒な作品ではない ――― と言うよりも、むしろバトルの比重は低目の作品であるにも関わらず、これだけ質の高い先頭パートを作り上げてくれるとは、キュアスタッフの底力は果てが知れません。

 そしてちょっと余談ですが、満と薫の危機にコロネの突撃がきっかけとなり咲と舞さまが割って入ったわけですが、もしこれが先代であったならばなぎさが生身のまま突っ込んできてそうだなあ、と思いました。
 これはなぎさの方が咲よりも勇敢であるとかそういうことではなく、キャラクター性の違いに起因しているのかと思います。
 なぎさがナチュラルボーンヒーローな気質を持っている(でも性格は乙女)のに対し、咲はあくまでも「闊達な女の子」であるという、その違いはこういう場面で大きく差を産む様です。いや、なぎさなら〜、ってのはわたしの妄想に過ぎないわけですが。でもなぎさとほのかさん、生身のままでもバシバシ戦ってたりしてましたし。まあそれはおいといて。
 既に私も何度も言っていますし、各所でも触れられていますが、やはり先代コンビが「特別な存在」であるのに対し、咲&舞さまは等身大 ――― とまではいかなくとも、身近な存在、という風に描かれているのでしょうね。


 さて来週は、とてつもなくいやなサブタイトル。
 しかしそれ以上にあれですよ、冬服ですよ冬服。
 満と薫がコート着てますですよ。
 先代の時もそうでしたが、衣装替えはやはりグッと来るものがありますねえ。

 つーかシタターレ姉さん、あんたまたコスプレか。
 なにやってんだホントに。

▽第44話▽二人が消える?追い込まれた満と薫
 なにこのみのかおアニメ。
 なんつーかですね、先週の満薫の素晴らしい出来の肉弾バトルといい、今回のみのかお満載ムードといい、S☆S製作スタッフは我らおおきなおともだちを本気でメインターゲットにし始めたんじゃなかろーかって勢いですよ。
 そしてひでさんがおっしゃっていて始めて気付きましたが、薫ってロリ百合なんですよね。すげえ属性だ。
 ロリ百合。イイ響鬼だ。じゃなくて響きだ。

 あとミズ・シタターレとドロドロンは能力的な相性はバッチリなのですよね。水と土だから五行の理でいくと相克の位置関係にあるのに。いや、それぞれ本来は単体なら強力なキャラクターだったのに負けたのは相克の関係にあったからとか?
 まあ、そんな事より、このふたりのかけあいは素直に面白すぎるんですが。一体どの辺まで台本通りなんだろう……松井菜桜子さんと岩田光央さん、どちらもこういうの得意そうだしなあ。

 そしてさりげにフィーリア王女の言動に黒いものを感じてしまったのは俺だけでしょうか。
 薫と満を心配している発言をしつつも、王女的にはアクダイカーンの勢力を弱めねばならないわけですし……つーかナチュラルにコロネを連れてくるなよ。

 戦闘シーンは今回も素晴らしい出来でした。
 満薫のスタイルに合わせてか、咲舞も密着接近戦を挑んでくれているのがその要因のひとつでしょうか。
 いささか気の早い話題ですが、来年度もこうした質の良いバトルを見せてくれると良いなあ。

▽第45話▽ケーキと和也とクリスマス!
 サンタレスキー!
 サンタターレ!
 今週はもうこのふたりだけで満足さ。ああ満足さ。戦いの中で芽生える愛情。良いじゃないか。ねえ? アンタガスキー!
 配達に行く(?)大介さんとナチュラルに挨拶するキントレさんとか、マジ紳士。
 つーか登場して消滅するまでの間、どんだけ足繁く通ってたんだキントレさん。

 まあそれはおいといてですね。
 絶大な強さを誇ったこのふたりがこうもサクサクと片付けられるとは思いませんでした。
 尺の都合とかもあったのでしょうが、最強の謀略家であるシタターレ姉さんと最強の戦士であるキントレさんにはまたしっかり活躍して欲しかっただけにやっぱり残念。

 しかしそれにしても、松井さんも小杉さんも、実に楽しそうです。
 これはダークフォールの5戦士全員に言えることですが、全員ベテランの声優さんが演じておられるだけでも感激なのに、皆さん実に楽しそうに演じていらっしゃるのが印象的でした。それにしてもこのベテラン声優たち、ノリノリである。って感じですよ。
 サンタレスキー!とかサンタターレ!とかアンタガスキー!とか、アドリブなんじゃないだろうか。アドリブっぽいよなあこれ。
 少なくともドロドロンの台詞は半分近くがアドリブな気がしますが。

 さて、来週はいよいよ満と薫が運命と対峙する模様です。
 最終回も迫ってまいりましたし、薫と満の運命がどのように回るのか ――― 不安と期待の同居するまま、楽しみに待つとしましょう。





 あと牛乳王子ってナチュラルに咲のこと口説いてませんかこの野郎。
 帰れ! 健太と一緒に漫才でもしてこい!

▽第46話▽反撃! アクダイカーン脅威の力!
 み・の・かお!
 み・の・かお!
 ちょっと凄いですよ奥さん!
 今週はなんか色々と見所のある回なのに、薫お姉さんが結局一番みのりちゃんを大事に思ってるとカムアウトしたその一件だけですべて塗りつぶしてますよ!
 ああもうなんかなあ!
 良いなあこのロリ百合ッ娘めが!

 てーか、もうクライマックスのはずなのに、咲舞よりも満薫、さらにはみの薫の方が深い印象を与えてるってのは一体全体どういうことなんだろう……?
 ……まあ、良いか。



 さて、いよいよ最終回が近づいてきました。
 今は静かにみのかおでハァハァしつつ、終わりの時を待ちうけるとしましょう。

▽第47話▽大逆転!? 黒幕って誰のこと?
 アクダイカーン様って人心掌握が致命的に出来てないね、というお話でした。
 腹心中の腹心であると思われていたゴーヤーンにコロリと裏切られ殺されてしまうとは……
 そりゃまあ、滅びよ滅びよ言ってる人なんだから、人間関係なぞ築けなくても不思議ではないわけですが。

 それにしても、なんとゆうか、咲舞の存在感があんまりないなー、と。
 アクダイカーン様とのやり取りで満薫の方にむしろウェイトが置かれていたような感じですし、ムープ&フープの頑張りも満薫を目立たせる要因となっておりましたし……

 展開としてはもりあがっていますし、面白くもあるんですが、ウェイトの置き所がクライマックスになるに連れてヒロインたちから外れていっている様な感じがするのはちょいと、うーん。
 
 
 
 
 
 
 
 あと今回のタイトルから黒幕としてほのかさんが出てきたら全て台無しだが大爆笑だなあ、と思わないでもない。

▽第48話▽最終決戦!奪われた緑の郷!
 クライマックスに相応しい、ハイクォリティなバトルシーンでございました。
 ドラゴンボールZを髣髴とさせるアクションの構成、動画のダイナミックな迫力、いよいよここに来て待っていたものをみせてくれた、といった感じです。
 咲と満が先代黒キュアのミスターベローネ・美墨なぎさ十八番の「だーだだだだだだだだだだだだッ!」を髣髴とさせる掛け声を使っていたのはちょっと「おお!」と熱くなりました。
 ただまあやはり「だーだだだだだだだだだだだだッ!」は本名陽子さんのそれが神懸っていたのだなあ、という再認識もしたのですが。

 満&薫の変身は文字通り満を持して、といった感じですねえ。
 贅沢を言えばデザインはもうちょっとブライト&ウィンディ寄りの可愛いものになってくれていると良かったのですけれど。

 あと密かに今週のMVPはコロネさんだと思います。
 流石はキントレスキーも認めた漢。


 海が太陽の泉、というのは面白いアイデアだと思いました。
 太陽が海から出入りするというのは感覚として理解しやすく、突拍子も無いということもなくすんなり受け入れられましたねー。
 今作は舞台が海の傍であったこともあって、物語を通じて海がよく出て来ていた事もありましたが、恐らく当初からこの設定は決定していたものなのでは無いでしょうか。



 さて、泣いても笑っても次が最終回。
 ことある毎に先代との比較をしてしまった今作ではありましたが、年間を通じて付き合った作品が終わるというのはやはり寂しいもの。
 願わくば、咲たちが特上の笑顔で最終回を迎えられますよう。

▽第49話▽絶好調なり!永遠の星空の仲間たち!
 ああ……とうとう終わってしまったなあ。
 製作者の皆様、出演者の皆様、1年間本当にお疲れ様でした。
 そして、ありがとうございます。
 1年間49話(結局一回見逃してしまったままですが……猛省)、大変楽しませていただきました。

 さて!
 感謝の気持ちはそれこそ尽きることが無いわけですが、最終回のレビューも。
 いやあ、とはいえ、ね?
 今更語ることなど無い、というのが本音であるわけです。
 ふたりはプリキュアSplash☆Starという作品を通じて語っているテーマ ――― 最後まで諦めない、みんなと一緒に生きるということが濃縮された傑作回であったと思います。
 今まで見てきた人間が満足できるのは必然であり当然の、素晴らしいエピソードでした。

 まあ、私としては、薫が力を取り戻す際にしっかりみのりちゃんの名を挙げていただけでもう心もおなかも一杯なんですが。
 ほんとに最後の最後まで容赦ねえなあ!
 試合観戦のシーンでもしっかりとみのりちゃんの横に陣取ってるし!
 描いた絵でもちゃんと自分の顔はみのりちゃんの横に描いているし!
 満は満で甲斐甲斐しく咲の為にパン作ってるし! あれか、PANPAKAパンの一人娘を娶る準備は万全とのアピールか!
 しかし気をつけろ天空に満ちる月、煌めく銀の翼は、とてつもなく天然で、故に狡猾で、残忍だぞ。

 そしてエンディングへ向かう一連の流れの中で、前期EDテーマ「笑うが勝ち!」でGO!が挿入されたのは非常に嬉しかった。
 後期EDであるガンバランスdeダンス共々、S☆Sのエンディングはどちらも珠玉の出来だったのでゾクリとさせられるほどに痺れました。
 正直、エンディングに限っては無印、MHをもしのぐ出来であったと思っております。ただ、MHには後期EDとしてワンダー☆ウインター☆ヤッター!があるからなあ。あえて順位をつけるとすると、ワンダー☆ウインター☆ヤッター!「笑うが勝ち!」でGO!ガンバランスdeダンス、という感じになるのですよね。総合的に見るとS☆SのEDの方が好き、って感じで。

 そんなラストシーン、舞さまと手を繋ぐ咲。
 作中、手を繋ぐ描写の艶かしさは幾度と無く触れて来ましたが、その全てがここに詰まっているという風情でした。
 先代は手を繋ぐことで必殺技を放ったり、パワーアップしたりするなどの描写があり、そこにふたりのただ事ではない関係を想起させるものがあり、それがまた私のようなヨコシマな視聴者を熱く滾らせたのですが、今作のふたりは必殺技を放つ際にも解くに手を繋いだりはしなかったのですよね。
 今にして思うと、咲と舞さまが手を繋ぐのはあくまでもふたりの絆を確認する為の物であり、その事が戦うこととは全く直結しないということの表現であったのかもしれません。なぎほのも咲舞も、想いの強さが“力”の強さにつながるという点では共通していますが、あえて「手を繋いでパワーアップ」という要素を先代ほどにクローズアップしなかったのは、手を繋ぐ=ふたりの絆を強調、という事を避け、みんなとの絆、を連想させる構図であったからなのかもしれませんね。
 翻って先代の場合は「ふたりの」絆の強さで乗り切ってきたシーンが数多くありますし。というかレビューを書くと言いつつまだは足せていない、劇場版MH2作目では完全に互い以外何も目に入っていないようなシーンがありまして噴きました。鼻血とか色々。

 いやいや先代の話はおいといてだ。
 ドライな話をしますと、今作が無念にも先代ほどの数字をあげられなかった事については色々と原因が噂されていますが、その中のひとつに「先代との類似性」がやはり挙げられるのですよね。
 先代と似通ったキャラクターたちである為に真新しさが無く、また販促の面でも似通った玩具である為にそれほど購買意欲をそそらなかったのでは、というものですが、そうなると先代と今作のテーマ性の違い、「ふたりの絆から紡がれるみんなとの絆」を描いた先代と、「みんなとの絆の中で形成されるふたりの絆」を描いたという今作という違いをもっと明確に打ち出せば、そうした面でのマンネリ感は払拭できていたのでは無いかな、と今更ながらに思います。
 つくづく惜しいなあ、と思うのは健太くんや宮迫くん、優子さんといったクラスメートエピソードが後半はほとんど見られなかった点です。
 序盤から中盤にかけて彼ら彼女らのキャラクターを確立させ、咲舞との絆を感じさせるエピソードは充分に用意されていただけに、それをもっと生かした展開にして欲しかったなあ、と。
 薫とみのりちゃんの関係にウハウハし、満薫の運命に一喜一憂した人間が言っても説得力はありませんが、後半は話の焦点が満薫に集中しすぎており、クラスメートたちのエピソードが薄くなってしまっていたのが返す返す残念です。
 まー、この段になって言っても詮無きことではあるのですが。
 というか、この展開であるからこそ楽しんだという面もあるのですし、私としてはまったく問題は無いのですけれどもね。
 その上で、もしもっと数字が取れていたのならば来年も咲舞のプリキュアであった可能性もあったのかなあ……と思うと、ついつい考えてしまいます。



 さて。
 いよいよ来週からはYes!プリキュア5が始まります。
 とうとう冠から「ふたりは」が外されてしまったわけでございますが。
 願わくば、3年間続いてきた良質で優しい、そして楽しくも熱い部分をしっかりと受け継いだ佳作とならんことを。




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